PANORAMA STORIES
ほろ苦くて甘い蕗のとう味噌の焼きおにぎり Posted on 2026/04/11 KAORU フードアーティスト

春といえば苦い野菜。冬の間に身体に溜め込んだ色んなものを解毒してくれる作用のある食材が多いらしい。タラの芽、芹、ふき、たけのこ…それぞれ異なる苦味や渋みはどれも魅力的でスーパーで春野菜コーナーが現れるとちょっとそわそわ。短い旬、今年は何を作ろうかなと考えていた矢先、お世話になっているフレンチのシェフから「蕗のとういらない?」と袋にどっさりと譲っていただいた。わたしは蕗のとう味噌に目がないので、なんと嬉しいこと!



美味しく調理するヒントもいただいた。「さっと素揚げするといいよ」ということで、早速次の日に試してみた。
私が好きな蕗のとう味噌のタイプは、蕗のとうの苦味と香りが全面的に出ていて黄緑が鮮やかで、蕗のとうの食感がしっかり残っていて、ちょっと甘めな感じ。お味噌は白味噌一択だ。
さて、教えていただいた素揚げからのフードプロセッサーでガーっと回す流れで作ってみることにした。これまでは蕗のとうを粗く微塵切りにして、フライパンで少しごま油も加えて炒め、味噌や調味料も一緒に火入れしていたのだが、今回はかなりシンプルなやり方になりそう。楽しみだ。
蕗のとうは傷んだ部分を外し、太白胡麻油などの無臭の油でさっと素揚げする。(この時一瞬で花開く蕾を何度でも見たいがために一つずつ素揚げしてしまうが、途中で我に帰る)




余分な油を切ったらフードプロセッサーに入れ、白味噌(わたしは京都の本田味噌がお気に入り)、みりんを加えた。この時点で味見してうんまー!とほぼ完璧な感じだったのだが、色の変色を防ぎたかったのと、少しだけさっぱりさせたくてほんのちょっとのすし酢を加えてみたところこれが大正解。味が決まった。


蕗のとうは油との相性が抜群だと思う。素揚げのこっくりとした油が加わり、これまで作ってきた蕗のとう味噌の中で最も好きなレシピになったと思う。ぜひお試しいただきたいです。
変色を防ぐため、保存する際にぴっちり表面にラップをするのがいいと思います。

◾️材料
蕗の薹 200g
白味噌 大さじ3
みりん 大さじ1
すし酢 小さじ1/2〜1 (白味噌やみりんとの具合で調整)
揚げ油(米油、太白胡麻油など) 適量
◾️作り方
蕗の薹の傷んだ部分を取り除き、洗ったらざるにあげよく水分を拭き取る
揚油を温め170度くらいで1分ほど素揚げしたら引き上げて油をよく切る
フードプロセッサーに白味噌、みりんを加え、5秒ごとに様子を見ながら蕗の薹がお好みの粗さになるまで混ぜる
最後に味をみてからすし酢を加えて味を調整する
おすすめの食べ方はなんといっても焼きおにぎり!おにぎりの中にたっぷり蕗の薹味噌を入れ(もしあれば少しすりごまを混ぜたり、粗めに砕いたくるみを入れるのもおすすめ)、丸い形を作ったらやや焦げ目がつくまで両面をよく焼き(わたしは魚焼きグリルで)、蕗の薹味噌を上にのっけたらさらに1分くらい焼き目をつけるように焼いてできあがり。


中の味噌はとろんとしてフレッシュな蕗の薹、上の少し焦げ目のついた味噌は香ばしい蕗の薹、春がきた!と誰かに伝えたくなる。
Posted by KAORU
KAORU
▷記事一覧フードスタイリスト/ディレクター、レシピ開発者、雑誌「七味」編集長。企業やブランドなどのレシピ制作のほか、連載コラムの執筆、ファッションブランドとのコラボレーション、国内外での個展開催など、アーティストとしても幅広く活動している。


