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q.b.レシピのないレシピ帳~ポルペッティーネとグリーンピース~ Posted on 2026/04/25 八重樫 圭輔 シェフ イタリア・イスキア

q.b.レシピのないレシピ帳~ポルペッティーネとグリーンピース~

 
イタリアのように食文化が発達した国では、レストランはもちろんのこと、家庭料理が本当に美味しいものです。ごくシンプルな味付と良質な素材を使ったイタリア料理は飽きがこず、野菜もふんだんに使うので栄養もたっぷり。自分たちの食文化を誇りに思い、こよなく愛する彼らは、新しいものを取り入れつつも、伝統をとても大切にしています。
 

q.b.レシピのないレシピ帳~ポルペッティーネとグリーンピース~



 
たまに友人の家に食事に招かれると必ずと言っていいほど「シェフに料理を出すのは気が引けるんだけど」などと言われることがありますが、僕にとっては家庭で作られる生きたイタリア料理を味わう事こそが何よりの勉強。毎日毎日、家族や誰かのために献立作りに頭を捻りキッチンに立つ各家庭の料理番たち。そんな彼女、彼らならではの知恵こそが、イタリア料理の真髄だと思うのです。
 

q.b.レシピのないレシピ帳~ポルペッティーネとグリーンピース~

 
我が家のレパートリーの中にも、教えてくれた人の名をとった料理がいくつかあり、今回ご紹介するポルペッティーネ(小さな肉団子)とグリーンピースも普段は“ノンナ ニーナのポルペッティーネ”と呼んでいます。ノンナ(おばあちゃんの意)ニーナは我が家の子供たちの幼馴染のおばあちゃんで、とても気さくな方です。ナポリ出身の彼女は料理が上手で、このポルペッティーネも子供たちの大好物です。今が旬のグリーンピースは八百屋の店先に並び、その鮮やかな緑色が本格的な春の訪れを感じさせてくれます。
 

q.b.レシピのないレシピ帳~ポルペッティーネとグリーンピース~

 
フレッシュなグリーンピースには格別な味わいがありますが、冷凍でも十分おいしいのがうれしいところです。冷凍庫に常備しておくと何かと便利なグリーンピース。日本ではわき役に回りがちな印象があるかもしれませんが、イタリアでは立派な主役級。もしもお手頃なグリーンピースが見つかったら、優しい味わいのこの料理を一度試してみませんか?それではレシピです。

          ポルペッティーネとグリーンピース
 

q.b.レシピのないレシピ帳~ポルペッティーネとグリーンピース~

 
材料(約2人分)
○合いびき肉 250g ○グリーンピース(生、または冷凍) 350g程
○卵1個 ○パンチェッタ(ベーコン)25g程 ○固めの田舎パン 75g程
○パルミジャーノチーズ q.b.(適量) ○玉ねぎ 30gほど ○バジルの葉 2枚ほど
○にんにく 一片(好みで) ○塩胡椒、オリーブオイルq.b.  ○水 約500ml
※パンは田舎風パンの余りを使います。2日位前の少し硬いものが理想です。手に入らない場合は、普段ハンバーグに使っているパンやパン粉で適量を代用してください。バジルとにんにくは好みで、入れなくても大丈夫です。
作り方 
①まずはポルペッティーネのタネを作ります。ボールに挽肉、卵、パルミジャーノ、みじん切りにしたにんにく、バジル、塩胡椒を入れます。パンは皮を切り落とし、流水で濡らしてからぎゅっと絞り、手のひらでこすりポロポロにして入れます。具をよく混ぜてハンバーグのタネのようになるまでこね、冷蔵庫で少し休ませます。
 

q.b.レシピのないレシピ帳~ポルペッティーネとグリーンピース~



 
②鍋にオリーブオイルをひと回し入れ、パンチェッタを加えて弱火で炒めます。パンチェッタがこんがりしてきたら、みじん切りにした玉ねぎを加えてしんなりするまで炒めます。グリーンピースを加えて中火にし、全体に油が回るまで炒めたら、水を加え蓋をし沸騰させます。
 

q.b.レシピのないレシピ帳~ポルペッティーネとグリーンピース~

q.b.レシピのないレシピ帳~ポルペッティーネとグリーンピース~

 
③沸騰したら、先ほどのタネを小さな肉団子にして入れていきます。全部入れ終わったら蓋をして、途中何度か木べらで回しながら30~40分ほど煮込みます。最後に塩加減を調整し、蓋をしたまま余熱でおいておくと味が染み込みます。お好みで黒胡椒を挽いていただきましょう。
 

q.b.レシピのないレシピ帳~ポルペッティーネとグリーンピース~

q.b.レシピのないレシピ帳~ポルペッティーネとグリーンピース~

 
ポルペッティーネとグリーンピースには色々な作り方があります。ポルペッティーネを団子にした後に小麦粉をまぶし、フライパンで揚げ焼きにしてからグリーンピースと合えるやり方、ワインを加えるレシピ、じゃがいもも入れるレシピなど、人により様々です。
 

q.b.レシピのないレシピ帳~ポルペッティーネとグリーンピース~

 
このノンナ ニーナのレシピの特徴はポルペッティーネを揚げないこと、そして一般的なレシピよりも水分が多く、スープ風なところにあります。そのため手軽であっさりと、優しい風味なところが子供にも喜ばれる理由なのではないでしょうか。
我が家ではメイン料理として食べるので、そこそこボリュームのある分量ですが、好みに応じてグリーンピースや肉の量などを変えても良いかと思います。
それではまた次回、普段着の食卓でお会いしましょう。
※タイトルのq.b.とは適量を意味するイタリア語quanto basta(クワント バスタ)の略語です。細かいことは気にせず臨機応変に、あなたなりのレシピにして頂けたらという思いを込めて。
 

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Posted by 八重樫 圭輔

八重樫 圭輔

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Keisuke Yaegashi
シェフ。函館市生まれ。大学在学中に料理人になることを決め、2000年に渡伊。現在は家族とともにイスキア島に在住。