ノルマンディ、ツジ村便り
辻村相談窓口、「ファッション」 Posted on 2026/05/02 辻 仁成 作家 パリ
おつかれさまです。
今日はなんと「ファッション」についての質問が届いたので、笑、専門外ですが、ま、いってみましょうかね。はい、相談窓口、開店します。
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匿名希望Aさん
「何を着ても似合わず、洋服を買うのが嫌いになりつつある50歳の主婦なんです。男性の辻さんに訊いていいのかわかりませんが、フランスではどういう服が流行、というか、辻さんはどういう服を着ている人が気になりますか? もしくは、辻さんはユニセックスな服装が多いので、おすすめがあれば、日本で買えるならですけれど、教えてください。できれば高すぎないものをご紹介頂けますと勉強になりますし、参考にさせていただきます。どうぞ、よろしくおねがいします。すいません。見当違いなご相談で」

おこたえしまーす。
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「ファッション、いいですね。でも、ぼくは御覧のとおり、小柄で、何を着ても似合わないタイプでして、しかも、なで肩だから、男性の服は完璧にでかすぎてNGなんです。それで、中性的なブランドのものを買って着ています。それと、あまり高くない、でも、やがて高くなりそうなものに目が留まります。結論から、申し上げますと、ぼくが好きな洋服というのは、欧州発の者が圧倒的に多く、サステナブル、ジェンダーレス、クラフトマンシップに溢れるもの、素材、ミニマル、再構築重視のもの、だったりします。かなり、参考にならないことを前提に訊いてくださいねー。あはは、なにせ、ぼく、一応男性なので・・・。
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では、まず、ぼくがよく買うブランドを列記してみます。現在、毎日のように着ている服や帽子、靴などをご紹介します。
ええと、まずはデンパーク・コペンハーゲン発の「GANNI」です。靴もジャケットも愛着していますが、遊び心が半端ないレディースです。あはは。なので、頑張って着飾らなくてもいいけれど、かっこいい、ブランドで、超おすすめです。カジュアルだけれど、外に着て出て恥ずかしくない、北欧系。
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次に、完全なレディースですけれど、パリ発のブランド、イザベル・マラン「Isabel Marant」ボヘミアンな抜け感が最高で、男性がきるのは結構勇気がいるんですが、ぼく肩がないので、はいっちゃいます、するっと。笑。スニーカーが有名ですね。ラフなのに、おしゃれ系。
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そして、なんといっても台風の目が、「sacai」日本人デザイナー阿部千登勢さん頑張ってまよね。ここ数年で、あれよあれよという間に、トップですね、ぼく界隈では・・・。とにかくこの人のデザインの凄いところは、ハイブリッド、異種混合なんですよ。ジャンパーの下半分と、トレンチコートの上半分をくっつける、という異次元のデザインで超注目されてまーす。父ちゃん、隠れファンで、Tシャツとか、持ってるよ。めっちゃかっこいい。今、フランスでもっとも尖っているファンの多いブランドって、さかい、です。ひっこしのーさかい、じゃない方の「sacai」
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あとね、この10年、大復活して、欧州でみんなが気にしているのが、ロエベ「Loewe」なんですよー。父ちゃん、30代の頃から、ずっとロエベファンだったので、たくさん持っている。でも、かなり高級になっちゃって、もう買えません。なんなら、売りますよー。笑。地味にすごい人気です。
スペイン発で、今は、LVMHグループですね。
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あとね、普段着はお金かけられないから、「COS」ですませます。あなどれませんよ。日本だとちょっと高めらしいですね、こっちだと、H&Mの高級版として世に出たので、値段的にはZARAっぽい。でも、デザインに常に統一性があって、普段着はこれでわからない。目立つブランドを一つ混ぜて、あとはCOSで父ちゃんの日常はいい感じにまわしてます。ミニマル系かな、どっか、アトリエ風なの。会社に着ていって、恥ずかしくない、レベル。失礼。褒めているのよ。
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あと、靴はね、父ちゃん、GANNIのも履くけど、こだわりがあって、基本は、「MIISTA」を愛用してる。ロンドンのブランドらしいけれど、職人はスペインとポルトガルなのね。で、靴といえば、実はポルトガルが最高なんですよ。うちのサンダルもポルトガル製品なんだけれど、履き心地最高。ただ、「MIISTA」って、アート系なのね、かなり、個性的だから、品のいい人にはどうかな。
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あと、最近、キャップかぶってるのだけれど、1920年アメリカ発の「NEW ERA」がお気に入りです。その中でも、59フィフティ(フィフティナイン・フィフティ)がおすすめ。父ちゃん、かぶってる。59年生まれだから、これだけ、アメリカ製だけれど、ストリート系だね。後ろでサイズを調整できるから、便利だよ。
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ということで、靴からキャップまで一応、ずらっと父ちゃんの好きなブランドをご紹介いたしました。でも、買うのは、ヨージとか、コムデギャルソンとかが多い。ただ、ヨージさんの服は好きで衝動買いするんだけれど、背がないぼくには、似合わないのね。こればっかりは、親に文句言いたいけれど、言わないでおく。別にちっちゃくてもいいんだ。人間がでかいから・・・。あはは。ええと、Aさん、参考になりましたでしょうか? あ、ニット帽はね、アニエスでーす」


近況のようなもの。
実は、飛行機にのったと思っていた第一便の絵画たちですが、まだ、のってなかったのね。で、第二便と一緒に明日くらいに日本に向けて出る可能性がある、という連絡がきました。きっと、ゴメスさんは知っていると思うけれど、一応、言っておきます。まだ、気を揉んでいる・・・。
今日はパステル画を描いて過ごしたよ。ステファンのカフェにも行ってきた。
昼寝もしてしまったので、夜が怖い・・・。
小説の構想も少しずつはじめているんだけれど、絵にのめり込んでいるから、なかなか、文筆家に戻れない・・・。
ま、そんなところかな・・・。
なんかね、三越さんが、宣伝頑張りたいけれど、やっていいか、と打診があったらしい。いいに決まっているんだけれど、実は今まで、あまり、絵の写真とか、ネットで出してこなかったからね、そういう打診なんだと思う。今回の画廊は日本一大きく歴史のある画廊だから、全部開いてやるつもりです。8月5日から11日まで、三越日本橋本店、特選画廊全面で、開催します。美術館のような入り口を作って、順路に沿ってみて貰うスタイルなので、ぜひ、お越しください。パリでは秋にアートフェアに、11月はリヨンで個展。
小説「泡」は9月4日、発売予定、いよいよ!




