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パリ・カルチャー情報「フランスの名城。ヴェルサイユ宮殿に先駆けた建築、ラフィット城へ! Posted on 2026/11/07 Design Stories
フランスでは、パリから少し離れるだけで、素敵なシャトー(城)に出会うことができる。大きさや広さはそれぞれだが、中には夢を見ているみたいに美しい城もあって、記憶にずっと残ってしまうほど。今回はその一つ、「ヴェルサイユ宮殿の建築に影響を与えた」といわれているメゾン=ラフィット城(Château de Maisons)を訪れてみた。

※メゾン=ラフィット城(Château de Maisons)
ラフィット城はパリ西郊外の街、メゾン=ラフィット(Maisons Laffitte)にある。RER A線もしくは国鉄L線でアクセスできて、駅からは歩いておよそ15分のところだ。
第一印象としては、「お城と貴族の邸宅、その中間くらい」。というのも、ここはもともと貴族の住まいだったそうで、“王を迎えるにふさわしい邸宅を目指して”建てられたのだという。17世紀フランス建築の傑作ともいわれていて、実はヴェルサイユ宮殿の建築を先取りした存在でもあるらしい。

※見どころの一つ、大階段

※王を迎えるための居室

※彫刻が素晴らしい、グランドフロアの応接間
建設は、1632年頃から1646年にかけて。当時パリ高等法院の司法官僚だったルネ・ド・ロングイユ(René de Longueil)が家主&依頼主で、建物の設計は建築家であるフランソワ・マンサールが担当した。ちなみにマンサールの名は、パリの「グレーの屋根」でおなじみ、マンサード屋根の由来にもなっている。
城は屋内・屋外ともに壮大で素晴らしく、パリにある貴族の邸宅より一段と格式高い印象を受けた。彫刻などもかなり豪華で、そのまま博物館に収められそうなほどであった。

※迎賓室

※美しすぎる暖炉の装飾
ここでもう一つ見逃せないのが、3階にある「迎賓室」。ヴェルサイユ宮殿の「鏡の間」を思わせるこの迎賓室では、舞踏会や晩餐会が頻繁に開かれていたという。中世ヨーロッパの食事会は、ただ「皆で集まって食べる」だけでなく、領主の権力・財力を誇示していたというから、これほど豪華である理由も頷ける。

こうしてどの箇所を切り取っても、ため息が出るほど美しいラフィット城。では、どの部分がヴェルサイユ宮殿の参考になったかというと、大きく分けて3つあるそうだ。
まず、一番は“左右対称”の堂々とした外観。これはたしかに、ヴェルサイユ宮殿の完璧なシンメトリー性にも通じるものがある。ラフィット城は屋内外ともにスカッと晴れ晴れしい印象を受けたが、これは左右対称であることがかなり関係しているのだろう。

※広大な庭園

※城外に続く道も清々しいほど左右対称
もう一つは、中央部分を強調した建物の構成。中央部分を際立たせて、両側へ建物を広げていく見せ方をすることで、建物全体に威厳が加わるのだという。
3つ目は、城を中心として、庭園や並木、そして遠くまで続く景色までもが美しく配置されていること。実際にこの周辺地域は、景観を守るための規則を設けて開発されたため、今でも美しい並木道と住宅街が広がっている。


フランスの世界遺産でもあるヴェルサイユ宮殿は、その豪華さにまず圧倒される。今回訪れたラフィット城は雰囲気こそ似ているものの、ヴェルサイユをよりコンパクトに、より知的に、そして住みやすくした印象だった。パリからこれほど近い場所に、フランス古典主義建築の傑作といわれる建物が残っているのも興味深い。※漫画『ベルサイユのばら』、オスカルの邸宅のモデルになったともいわれているとか。
嬉しいことに、1月・2月・3月・11月・12月、つまり冬季の第一日曜日は、入場料が無料になる特別な日でもある。行かれる際は、エレガントなメゾン=ラフィットの街とぜひセットで散策してみてほしい。(お)
【メゾン=ラフィット城(Château de Maisons)】
住所: 2, avenue Carnot, 78600 Maisons-Laffitte
最寄り駅: RER A線またはTransilien L線「Maisons-Laffitte」
休館日: 毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
入場料: 9ユーロ
無料入場日: 1月・2月・3月・11月・12月の第一日曜日(個人見学者対象)
公式サイト: chateau-maisons.fr


