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パリ最新情報「フランス、3月14日よりワクチンパスポートを撤廃へ。しかし喜びと不安で分かれる国民」 Posted on 2022/03/04 Design Stories  

3月3日、フランスのジャン・カステックス首相は新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いてきているとして、飲食店などでのワクチンパスポートの提示義務を14日から撤廃する方針を発表した。

屋内でのマスク着用義務も同日から廃止される。
2月28日よりワクチンパスポートが必要とされる場所でのマスク着用義務は既に解除されていたが、これに加え、スーパーやデパート、行政機関でもマスク着用が義務ではなくなる。
ただし電車や飛行機などの公共交通機関では引き続きマスクが必要。
病院や高齢者施設などでの着用も継続され、訪れるにはワクチン接種証明か、検査による陰性証明の提示が義務である。なお医療従事者のワクチン接種義務も同様。

3月14日からの規制撤廃について、カステックス首相は「国民の努力によって感染状況が改善されたため」と理由を説明した。

仏国内の3日の新規感染者は約6万人。オミクロン株の流行最盛期だった1月後半には50万人を超す日もあったが、2月後半には1週間あたりの平均で1日5万人台にまで減り、重症化して集中治療室で治療を受ける人の数もピーク時の3分の1近くまで減少している。

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厳しかったコロナ規制がほぼ撤廃になることを受けて、一般市民からは「良いことだ。ようやく解放される」といった声が上がっているが、一方で「まだ100%安心できない。新たな波が来ればもう一度逆戻りすることになるだろう」といった慎重派の意見もSNS上で見受けられる。

仏ラジオ番組France Infoによると、医師たちの意見も分かれているという。
開業医のミシェル・ロショワ氏は、予防接種を中止してマスクを外すのは「適切な時期ではない」とし、 カステックス首相の発表を「人々を喜ばせるための選挙ポピュリズムだ」と述べた。

一方、感染症専門医のベンジャミン・ロッシ氏はこの2週間で発症率、重症化率、入院率など、すべての指標が例外なく改善されていることを指摘。
「子供たちにとってもマスクを外すことで、学習面や心理面での健康が改善される」としている。

フランスのお国柄上、3月14日以降は羽目を外してしまう人が増えるだろう。今後は「自分の身は自分で守る」。その一択になりそうだ。(大)

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