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速報!パリ最新情報「注目のフランス大統領選、マクロン氏に軍配が上がる」 Posted on 2022/04/25 Design Stories  

4月24日、第26代フランス大統領を決める決選投票が行われた。
12人の候補者から選ばれ、2017年と同じマクロン氏とルペン氏の一騎打ちとなった今回の大統領選。
フランスにとっては、同じEU大陸で戦争が起こっているさなかの異例の選挙である。
現職大統領の勝利か極右政権の誕生か、フランス国内だけでなく欧州全体が見守る投票となった。

結果は58.2%でマクロン氏の勝利。
EU各国との連携を強め、より強いEUをめざすマクロン氏への投票が、自国の主権を重視するルペン氏より上回った。
マクロン派からは「経験があり政策に一貫性がある」「グローバル志向であり、強いヨーロッパのために力を尽くしている」と評価の声が上がっている。

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一方敗れたルペン氏は、かつては「反移民」「反イスラム」を掲げていたが、大統領選を前に過激な言動を控え穏健派に転向していた。
「私たちが愛するフランス」を選挙戦のスローガンに据え、国民に寄り添うように燃料の付加価値税を現在の20%から5.5%に下げると主張。
そのため支持率を大きく伸ばし、蓋を開けてみれば41.8%と、極右派として過去最高の投票を獲得した。

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こうしたことからも分かるように、現在のフランス国民の一番の関心事は、ウクライナ情勢やそれに伴う燃料・食料品の値上げに対する「購買力向上」である。
しかし、マクロン氏の争点のメインはロシア制裁の継続、国防費の増強、原発の推進、法定定年の引き上げなどだ。
同氏が「金持ちの味方」と以前から揶揄されていたように、格差に不満を持つ反エリート層、低所得層のあいだでは棄権率・白紙投票率が非常に高かった。

今回の大統領選で言えることは、最大の敵がこの棄権率であったことだ。
投票率も前回の選挙を下回っており、棄権率は過去最多の28%。
2017年と代わり映えしない選挙戦の内容にうんざりした国民が、フランス各地で「マクロンでも、ルペンでもない」とデモを敢行し、投票そのものをボイコットしたことも話題になった。

マクロン現大統領に軍配が上がった2022年の大統領選挙は、ウクライナ侵攻を進めるロシアとの向き合い方も含め、EUの今後を左右するものだ。
黄色いベスト運動、コロナ、ウクライナ問題と苦難を味わったマクロン大統領は、次の5年でどんな手腕を発揮するのか。(大)

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