9月16日の土曜日、ミュンヘンで第188回オクトーバーフェストが開幕した。ミュンヘン市内中心部のTheresienwiese （テレージエンヴィーゼ）で開催されるオクトーバーフェストは世界最大のフォークフェスティバルで、別名、Wiesn（ヴィーズン、Wiese（ヴィーゼ: 草原）を指すバイエルンの方言）とも呼ばれている。

コロナ禍で開催されなかった2020年と2021年を除き、1810年から毎年開催されているオクトーバーフェストは、ドイツ語でOktoberfestと綴る。
Oktoberは「10月」、Festは「祭り」という意味で、直訳すると「10月祭」となるオクトーバーフェストがなぜ9月に開催されるのか。それはドイツの10月が例年涼しい（寒い）気候であることが多いため、1872年より前倒しで9月に開催されることになったからだそう。それ以来、9月15日以降の土曜日に始まり、10月の第一日曜日まで、16日間開催されている。東西ドイツが統一された10月3日の祝日が月曜もしくは火曜になる年は10月3日までの開催となり、10月3日が火曜日となる今年は、例年より2日長い18日間の会期となる。

ミュンヘン市長の伝統的な掛け声 ” O’Zapft is! ”（オー ツァプフト イス！バイエルンの方言で酒が出たぞ、という意味）で始まった今年オクトーバーフェスト。 昨年は悪天候の影響か570万人だった来場者だが、今年は天候にもよるだろうが、約600万人の来場が見込まれている。

会場への入場は無料。会場にはビアガーデンだけではなく、遊園地のようなアトラクションも多く設置され、大人だけではなく子供も楽しめる。ニュースサイトのTagesschauによると、今年のビールの価格は1Lあたり12.60ユーロから14.90ユーロ（約2000〜2400円）で、昨年より平均で約6.1％値上がりしているとのこと。また、今年初めての試みとして無料の飲料水を備えたウォーターサーバーが4台設置されているとのこと。 ビールテント内で1Lの水を注文すると平均で 10.04 ユーロ（約1600円）であることを考えると、来場者に優しい配慮といえる。

ここ数年のトレンドとして、女性はDirndl（ディアンドル）と呼ばれるエプロンドレス、男性はLederhose（レダーホーゼ）と呼ばれる皮のズボンの伝統衣装を着て来場する人が増えている。これらの伝統衣装は現在ではオーストリアの一部とバイエルン州でのみ着られているそうだ。

オクトーバーフェスト中はミュンヘンの街全体がお祭り気分に包まれる、特別な期間。この期間にドイツを訪れる機会があれば、ぜひミュンヘンまで足を伸ばして本場のオクトーバーフェストを体験してみてはいかがだろうか。（マ）