JINSEI STORIES

真夜中の日記「マンジャーレ、カンターレ、アモーレ!」 Posted on 2021/09/19   

某月某日、イタリア人の、食べて、歌って、愛して、それだけでも人生は素晴らしい、という哲学というか人生観がほんとに素晴らしい。Mangiareマンジャーレ、Cantareカンターレ、Amoreアモーレ、と書く。バイオリニストのマリオや、友人のロベルトがイタリア人で、彼らの何か今、この瞬間を愉しんで生きようとするその生き方に本当に学ぶことが多い。
フランス共和国の有名な標語、自由、平等、友愛、Liberté, Égalité, Fraternité (リベルテ、エガリテ、フラテルニテ)とつい、比較してしまうのだけど、国の標語と比較しちゃいけないけど、イタリア人とフランス人って、こんなに、違うのだ、と思わず微笑みを誘われてしまう・・・。

イタリアは国の標語でもなんでもないのだけど、負けないくらい、いや、あるいはもっと、人間の根源にあるものとして、意味を飛び越えて、マンジャーレ、カンターレ、アモーレって、そうだよなぁ、とつくづく思わされる。
ちなみに、自由、平等、友愛の起源はフランス革命期のスローガンの中の一説だったらしい。
国の違いが分かって興味深い・・・。

真夜中の日記「マンジャーレ、カンターレ、アモーレ!」



地球カレッジ

しかし、Mangiareマンジャーレ、Cantareカンターレ、Amoreアモーレ、ってふっとした瞬間に、思い出さなきゃ、人生損する、と思わされる言葉でもある。
恋をし過ぎて独り身になった父ちゃんにとってアモーレは人類愛みたいなものになってしまったけど、マンジャーレとカンターレは今、絶頂かもしれない。食べるよりも、料理する方が好きだから、マンジャーレもちょっと違うか、しかし、カンターレはある。
これは「歌う」という言葉だけど「謳歌」のことだと思う。人生を謳歌しろよ、という意味だ。「食欲、謳歌、恋愛」ということになるのかな。
独りぼっちの時、好きな歌を口ずさむだけで、救われることがある。
歌はいいね。
道端で誰かが歌っている、すれ違う人の鼻歌とか、窓を開けてると、中庭から聞こえてくる誰かの歌に、癒される。
ああ、分かるな。
分かる、そこで君は生きてるんだね、と思って、目頭が熱くなることもある。
歌うことってたぶん、この星に生まれ落ちた人間が、幾ばくかの期間一緒に過ごそうと思って発する共感のメッセージなのだと思う。

真夜中の日記「マンジャーレ、カンターレ、アモーレ!」



ぼくはキッチンで、フライパンに油をひいて、叩いたニンニクの香りをその油に移してから、野菜とかお肉とかを炒めて、香りがキッチン中に満ちて、気分があがって、「ラ・ヴィアン・ローズ」とか、最近だったら、「レ・シャンゼリゼ」とか口ずさんでいると、息子がやってきて、「今日は何?」と聞いてくる、まさに、あの瞬間とか、ほんと、めっちゃ好きだ。
年頃の息子とはいろいろとあるけれど、絶対に食事をする瞬間だけは繋がっていられるのだから、素晴らしい。
喰わないと死んじゃうし、腹が減ると怒っていても仲直りするみたいなことがあるからね、人間には・・・。
カンターレ、マンジャーレ、これは今の自分の一番大事な人生観なのかもしれない。あ、今日は、二コラ君たちとご飯なので、また、報告します。
それにしても、腹がへった!

真夜中の日記「マンジャーレ、カンターレ、アモーレ!」



自分流×帝京大学
新世代賞作品募集