JINSEI STORIES

滞仏日記「パリの七不思議、仏人で溢れかえる和食材スーパー、驚異の品数」 Posted on 2022/05/01 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、「辻さんはいつもどこで日本食材を手に入れているんすか~? 毎日、まるで日本にいるかのような日本料理がテーブルに並ぶから、不思議でしょうがないんです」
という質問を頂くことがある。
実は、最近、アジア食材がフランスでは大ブームで、在仏日本人が減っている一方、日本の食材を買いたいフランス人たちは溢れかえっているのだ。
驚くべきことに日本食材スーパーはどこも「ここどこ?」という状態で大盛況なのである。
そこで、今日は和食材が豊富においてあるスーパーをご紹介したい。
市内、数か所にこの手のアジア食材専門店があり、日本食ブームも手伝ってその品数たるや、半端ない。
ぼくが今日、顔を出した15区のこちらのスーパーは韓国食材も充実している。
中華食材はパリに二か所ある中華街に行けば買えないものはないくらい揃っているが、中華街の日本食材は残念なことに、いまいちで、こういう市内のアジアマーケットの方が日本食材の質が高い。
そもそも、漫画やアニメの影響でか、日本人が食べるものを食べたいという若いフランス人たちで増えているのだ。
高級食材、たとえば、「うに醤油」「三河みりん」「高級寿司酢」「赤山椒」「新潟や北海道の高級米」とか「高級日本酒」など、日本の産地から直送の珍しい品物を扱っている日本専門食材店はオペラ地区に集中している。
正直、探せば買えないものはないのかもしれない。(うに醤油は東京の指圧の先生が旅先で買ってギフトしてくれたもので、それで食べる刺身が最高で、手に入らないだろうな、と思っていたら、オペラで普通に売っていて、びっくりしたことがある)
ともかく、ちょっと、パリの日本スーパーの驚異の商品棚をご覧頂きたい。
ここはパリである。本当です!

滞仏日記「パリの七不思議、仏人で溢れかえる和食材スーパー、驚異の品数」

こちらは、インスタントラーメン売り場だけど、ちょっとこの品数、買う人がいるから、これだけ、充実しているのである。
たまたま、横にいたフランス人の若いカップルが、「ラ王」を指さして、これよこれ、と興奮していた。
下の方にはうどん、そばの乾麺もあるのだ。

滞仏日記「パリの七不思議、仏人で溢れかえる和食材スーパー、驚異の品数」

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今日、ぼくが買ったのは、「ゆめにしき」というイタリアで生産されているコシヒカリ、五キロ。
これは必需品なのである。
それから、野菜も、日本人向けの大根とかエノキとか紫蘇とかシイタケとか白菜とか、充実しているので、買う。
他に必ず買うのは麺つゆとかごま油とか、どうしても日本製じゃないとならないものは、買う。中国や韓国の製品もレベルは高いのだけれど、細かいことをぐだぐだというと、和食には日本のごま油とか麺つゆの方が加減が慣れているのでぼく的には有難い。
でも、どうしても、買えないときは、中国のごま油も買う。助かっている。
その場合は、他の味付けを少し変えたり工夫をしている。日本の白ごま油とか、はやはり喉から手が出るほどに手に入れたものの一つである。

滞仏日記「パリの七不思議、仏人で溢れかえる和食材スーパー、驚異の品数」

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食肉コーナーもあって、すき焼き用の肉が売っている。
フランスにお肉は赤身が中心なので、肉屋で牛丼に適したお肉とか買えないのだ。
やはり、そこはアジア食材店の素晴らしさと言えるだろう。
今日は牛丼用にサシの適度に入った薄切り肉を買った。嬉しい。
お惣菜コーナーも充実していて、おにぎりとかおいなりさんは当然のことながら、菓子パン、カレーパンとか、いわゆる日本の総菜パンも買えるし、カステラなんかも普通に並んでいるのである。

滞仏日記「パリの七不思議、仏人で溢れかえる和食材スーパー、驚異の品数」

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冷凍食品コーナーでは味の素さんの餃子を買って、ジュースコーナーではカルピスを買って、アルコールコーナーでは日本のビールや焼酎白波を買うのだ。えへへ。
でも、冷凍食品コーナーでしか買えないものは、日本の納豆である。
納豆はいろいろと種類があるけれど、すべて、冷凍品コーナーで売っている。
ちなみに、賞味期限などは掲載されていない。
最初から、冷凍販売するように日本から輸出されているのであろう。

滞仏日記「パリの七不思議、仏人で溢れかえる和食材スーパー、驚異の品数」

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お菓子コーナーにはラムネも売っているのである。
日本で見たこともないような食材があふれていて、つまりはこういうスーパーのおかげで一万キロ離れた欧州でぼくは充実した日本料理を作ることが出来ているのだ。
20年前は、日本人がたくさん住んでいたので、日本食材店は日本人の集いの場だったが、今は、日本料理好きのフランス人たちで賑わっている。
数年後には、全欧州で、日本食材が普通に買える日が来るかもしれない。この和食ブームはぼくのような在仏日本人には有難い話なのであーる。

滞仏日記「パリの七不思議、仏人で溢れかえる和食材スーパー、驚異の品数」

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キューピー・マヨネーズも買えるし、カレーもあるでよ。

滞仏日記「パリの七不思議、仏人で溢れかえる和食材スーパー、驚異の品数」

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北海道の粒あん、いったいフランス人はどうやって食べているのであろう。謎だ。
あはは。

つづく。



今日も、読んでくださり、ありがとう。

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