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滞仏日記「すみれは美味いけど、すみれ炒飯はもっとうまいのだ、の巻」 Posted on 2022/09/14 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、めっちゃお腹がすいているのに、ゆっくり食べる時間がなく、こういう時、ぼくはまた、あれを、作るのであった。
制作時間、15分程度で出来てしまう、ラーメン&炒飯セットなのである。
実は日本に帰るたびに、大量に買って帰るのが、「すみれ」というカップ麺。このカップ麺の蓋に「すみれシリーズ史上、最上級スープ」みたいなうたい文句があって、嘘だァ、と思って試してみたら、本当に最高の味噌スープ(札幌、濃厚みそ)であった。
しかも、麺もかなり美味い。
ぼくはある時、すっかり「すみれ」ファンになっていたのだけど、いつも、残念なことがあった。それは美味しいのに、すみれシリーズ史上最上級スープを残してしまうこと・・・。
「勿体ない!!!」
まじ、勿体ない。でも、飲み干せないほどに、これが濃厚なのである。
そこで、思い付いた。・・・「すみれ炒飯」の開発を・・・。
すみれ開発者の皆さん、ごめんなさい。でも、これが美味しいのであーる。

滞仏日記「すみれは美味いけど、すみれ炒飯はもっとうまいのだ、の巻」

滞仏日記「すみれは美味いけど、すみれ炒飯はもっとうまいのだ、の巻」



ぼくのような息子が巣立って暇な主夫は、こういうことをして、人生を楽しんでいる。
このことを独り占めするのは、それこそ、勿体ない。
そこで、皆さんに、お教えしない手はないと思って、今日は「すみれ炒飯」の作り方をご紹介したい。
材料は、カップ麺「すみれ」を一つ。卵を二つ、市販の叉焼、ごはん一膳、お好きな葱、だけ。どこの家庭にも、冷凍庫に残りもののごはんがあるはず、それを使って頂きたい。
一膳分でよい。軽く解凍しておく。
フライパンにごま油をひき、まず、卵を軽く炒める。完全に火を入れなくてよい。とろっとしたら、器に出しておく。
もう一度、軽くごま油をひき、解凍したごはんを炒めるのだけど、この時、細かく刻んだ叉焼と小口切りにした葱も一緒に炒める。味付けは一切不要であーる。(写真を参照されたし)

滞仏日記「すみれは美味いけど、すみれ炒飯はもっとうまいのだ、の巻」

滞仏日記「すみれは美味いけど、すみれ炒飯はもっとうまいのだ、の巻」

滞仏日記「すみれは美味いけど、すみれ炒飯はもっとうまいのだ、の巻」



お湯を沸かし、すみれを準備する。すみれの作り方通りにやる。
ただし、味噌がきちんと混ざり切らない場合があるので、しっかりと混ぜること。(食べ終わる頃に下から、味噌の塊が出てきたりするから、よくスープを混ぜることが大事であーる)
葱はあらかじめ、白髪ねぎにもしておく。半熟卵も一つ作っておく。(15分で出来ない皆さん、ならば、ざく切りでよいです。ゆで卵でもよいです)
完成したすみれには白髪ねぎと叉焼と半熟卵をいれておく。
で、大匙、3,4杯のスープを横取りし、炒飯にかけて、強火で炒めるのだ。これが、本当のミソ、えへへ。炒飯は他に一切、調味料は必要ない。
濃厚スープがリゾットのような深みを焼きめしに与える。
炒飯の濃度は、大匙何倍入れるかで決まるが、入れすぎると、汁気が強すぎるし、入れなさすぎると、薄味になるので、ここは好みの加減を探す必要がある。
ラーメン屋さんで、残ったスープにご飯を入れて食べる、という、あれから来た発想だが、さすがに、ちょっとすみれの残ったスープにごはんぶっこんで食べるのには抵抗あるなァ、という皆さん、炒飯の味付けに再利用することをお勧めしたい。
ぼくのような食の細い人間でも、ラーメン&炒飯を食べきってしまうほどに、美味なのであーる。
今日は、最近はまった「すみれ」を利用した炒飯の作り方講座であった。
いかがかな? お試しあれ。

滞仏日記「すみれは美味いけど、すみれ炒飯はもっとうまいのだ、の巻」



滞仏日記「すみれは美味いけど、すみれ炒飯はもっとうまいのだ、の巻」

つづく。

ということで、今日も読んでくださり、ありがとうございます。
すみれ炒飯には、紅ショウガとか、生姜そのものも超あうので、いろいろと工夫をしていただければ、幸いなのでした。いやァ、満腹じゃあ。
安上りで美味い。これこそが、幸せ!!!
さて、父ちゃんからのお知らせです。
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