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退屈日記「来年から辻ゼミがスタートすることになった。熱血ゼミにしたい!」 Posted on 2022/10/07 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、来年から、(いつからかはまだ未定、四月から?)、帝京大学で「熱血辻ゼミ」をやることが内定したのであーる。
作家、ものかき、エッセイスト、文筆家、などを目指す学生が対象になる。
もっとも、単位を付けない、特別ゼミとなるので、単位が欲しい人には関係のない、本当に学びたい生徒だけの、ゼミ、になるのだ。
どういうゼミにするのかは、まだこれからだけど、十年以上前に「京都造形大学」でも、一度、ゼミを持ったことがあった。
その時の生徒はたったの一人で、ののちゃんは無事に卒業し、今は立派な社会人になった。いまだに連絡を取り合っているし、ののちゃんは劇団を持ち、演出家だったので、作家的な視線だけではなく、演出家的なアドバイスもそこに入った。
一人だけど、世に送り出せて、父ちゃん教授はうれしかった。
今回は一人というわけにはいかないけれど、責任をもって「ものかき」を目指したい人を指導したいので、募集人員は「数名」というところかな、・・・。
帝京大学の学生であり、たぶん、文学部の学生もしくは、もう少し輪を広げることになるかもしれないけれど、オンラインを通し、一年間、びっしりとクリエイティブライティングの醍醐味を伝えていけたらなぁ、思っている。
ぼく自身、楽しんで取り組んでいけるようなゼミにしたい。

退屈日記「来年から辻ゼミがスタートすることになった。熱血ゼミにしたい!」



ゼミ名、選抜方法、募集人員、回数と形式などをこれから考えて、大学側と調整をしないとならないのだけど、一応、選抜になる。
小説を書いてもらい、ぼくが読んで、才能を感じる子を選ぶことになる。
3名しかいなければ3名になるし、30人いたら、どうしよう。
ぼくが責任をもって指導できる生徒数は最大で5名程度じゃないか、と思っている。
京都造形の時は一人だった。一人だと、合評も出来ないので、ちょっと少なすぎる。
もう少し多い方がいいのだけど、希望者がいるかどうか、そこが問題である。あはは。
でも、学生諸君、とくに、作家を目指す学生たちって、やっぱり、ちょっと教えると、ぐんと伸びる子が多い。
基本はオンラインでの授業になる。年に一度、日本に帰るタイミングとかで対面の授業なども出来る。
京都造形の、ののちゃんは、ゼミの演習という名目で、舞台「海峡の光」で演出の手伝いに参加した。
プロの演劇人たちに気に入られ、最終的に、マッピングの責任者までやっていた。笑。
なんでもやる中で、学ぶのがいい。
これからの文学部は野に出る必要があるのだ。

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ところで、主催する「地球カレッジ」も、ぼくは大人(社会人)に向けたゼミだと思っている。
最近は、ウェブサイトをやったり、NOTEで連載をしたり、ブロガー目指す書き手だったり、が増えた。
プロではないけど、物書きの守備範囲もぐんと広がったし、そこから単行本が生まれたりする世の中だから、時代が理数系に傾いていようが、根底にはやはり文学の力が逆に必要な時代なのだと思うのである。
そういう人たちに、「地球カレッジ」は新しい学び舎として、機能していけたらいいな、と思っている。
もしかしたら、地球カレッジ内にも「辻ゼミ」があってもいいのかもしれない。
通常の講座ではなく、年間を通して長いスパンで学びあえるようなゼミ、おっと、これ以上忙しくしてどうする? 神様のご叱責を頂きました。あはは。

つづく。

地球カレッジ

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