某月某日、３月の２１日にパリを三四郎と離れ、ブルターニュの旅に出てから、実に、３週間と3日ぶりのパリなのであった。（長い～！）
「先生～、おかえりなさ～い」
事務所の長谷っちと新スタッフの岡っちが出迎えてくれた。（岡っちは、長谷っちのアシスタント業務。主に出版の方々とのやり取りをする。ハーストの池田さん、エッセの渡邊さん、岡っち、まんまる健康マダムなので、よろしくお願いします）
懐かしい事務所兼自宅に舞い戻った父ちゃんであった。さんちゃんは、さっそく、馴染みのソファに飛び乗って、スフィンクス座り～。
「ぼくが留守のあいだ、事務所、大丈夫でしたか？　特に問題とか、かわったことはありませんでした？」
荷ほどきをしながら、長谷っちに訊いてみた。
「先生がいない間の話題と言えば、エッフェル塔の横に10分の１サイズのエッフェラさんが登場して、話題になってました。私もコリンヌと記念撮影しました」
長谷っちが撮影したエッフェラとエッフェルの写真を見せてくれた。ちょうど、ぼくのいない間に出現して、ぼくが帰る直前に撤去って、ひゃあ、あまりに残念だぁ～。

「あと、先生いない間、あいかわらずデモばっかりで、・・・。マクロンさんちょっとやばいっすね。ヴァヴァンの有名なレストランが、マクロンさんがよく行くという理由で攻撃されて燃やされてましたし。マクロンをギロチンにかけろ、というシュプレヒコールが飛び交って。でも、先生が戻ったからか、ピタッと落ち着いています。今日は快晴だし、さすがぁ、青大将」
ぼくらは笑いあった。青大将ってなんやねん。
「あ、先生。ジャパニーズソウルマンのティシャツが段ボール箱二箱分届いています。けっこう、かっこいいですよ。ほら、後ろにありますよ」
「おお！！　段ボール箱、二箱、デカっ。２００枚だものね」
「先生、コリンヌの分と２枚、いただいていいでしょうか？」

いよいよ、来月、オランピア劇場ライブなので、事務所はバタバタ、そこかしこに、ポスターや販売グッズや楽器などが溢れて、足の踏み場がない。
臨戦態勢なのである。
「ぼくのスケジュールどうなってるの？」
「先生、明日は、ベルトランさんたちとステージ照明についての顔合わせがありまして、その後、オランピア劇場の視察とか、映像チーム、音楽関係の打ち合わせがびっしり。あと、オーディオブックのチェックも終わっています。数か所、舌足らずな箇所の録り直しお願いしますね。今、同時に、整音のかおりさんにチェック頂いているところです。先生の声、ハスキーだから、なんか、悪くないっすよ」
相変わらず、態度がでかいお弟子さんなのである。
「自分で書いた小説を、自分で朗読しちゃうって、ちょっとえげつないですけど、ま、そういうことが出来るところ無鉄砲さが、先生の面白さですよね。ユニークだ。控え目とか持ってないでしょ？　わが道を行くところがいいっす」
あはは。

「ヘッドフォンで訊いていたんですけど、作家本人が書いた世界を本人が読むのを、聴く身になってください。不思議な感じになるんすよ。もう、ずるいなぁ。泣きそうになっちゃったじゃないですか、ずるいわ」
あはは。
「あと、１６日のカフェ飯教室のリハーサルされますよね？　その買い出しがあればお手伝いしますけど。それと、今週の締め切りはエッセと、ショップチャンネル、あと、新しくフィガロ・ジャポンの飛び込みがありまして、三田文学の連載小説もお願いします。そうだ、髪の毛カットされるとおっしゃってましたが、どうされます？」
「あ、切りたいです。ライブに向けて短く」
「じゃあ、週末のどこかに入れたいと思います。１６日、カフェ飯教室の本番のあと、マリオさんと事務所でアレンジの打ち合わせがありまして、で、１７日に帝京大辻ゼミの第一回授業、って感じですかね。忙しいパリ滞在になりそうですね」
頼りになる長谷っちであった。
彼がパリで交通整理をしてくれるおかげで、ぼくは安心をしてノルマンディで創作や練習が出来る。
「運転したから、おなかすいた。お二人さん、打ち合わせ兼ねて、飯、行きますか？」
「いいんですか、お供します」
ということで友人のパトリシアが経営する近所のアジアン・フレンチに向かった・・・。
三四郎はおこぼれを預かろうと、ぼくをずっと見上げているのである。
毎日、ぼくを見つめる三四郎・・・。かわいいけど、人間の食べ物はあげられない。長生きしてほしいんだもの。
パイナップルが載ったチキンカツ、うまかったぁ～。

つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
体調は申し分ないです。風邪ひかないようにマスクをして日々気を付けている父ちゃんですが、イイ感じです。声も異常に出るし、三四郎と毎日海を走っていたので、筋肉もついたし、20歳は若返った感じです。ライブまで、あと、一月半！！！　熱血～。
ということで、4月１６日は「カフェ飯教室」です。アミューズ、前菜、メイン、デザートという感じになりそうです。お楽しみに。5月7日は「敷居のめっちゃ低い小説教室」を開催します。詳しくは下の地球カレッジのバナーをクリックしてみてください。

5月29日、オランピア劇場、近づいてまいりました。フランス国内、もしくは周辺国にお住まいの皆さん、ぜひ、遊びに来てください。日本からは遠いですから、来ていただきたいですが、時間がせまってきましたから、ご無理はさせられません・・・。無理のない範囲でお願いします。あ、席は絶対売り切れませんので、当日券山ほどあり、ご心配なく・・・。
席のご予約はオランピア劇場のサイトから、どうぞ。
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https://www.olympiahall.com/evenements/tsuji/
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もしも、日本から行きたいけど、不安という皆さんには、JALパック・パリさんが協力いたしますので、こちらをクリックください。現在、日本から50名くらいの方が来るだろうという予測です。本当に、大変なところありがとう。必ず、いいステージにしますね。約束！！！
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5月29日 辻仁成　パリ・オランピア劇場 ライブコンサ－ト！

ついでに、父ちゃんのニューアルバム「ジャパニーズソウルマン」、お好きな音楽プラットホームから選ぶことが出来ますので、聞いてみてくださいね。
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https://linkco.re/2beHy0ru