JINSEI STORIES

滞仏日記「日本人がめっちゃ鼻が高くなった日!フランスで駅伝がEKIDENとして開催された」 Posted on 2023/11/06 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、日本の駅伝が、フランスで開催されたのであーる。
日本文化会館横のスポーツセンター前からスタートし、ビルハケム橋をわたり、セーヌ川右岸の道を通って、再び左岸に渡り、エッフェル塔の前がゴール、という周回コースを、6人の走者がバトンを渡しあって、まさに、日本の駅伝のように、42.195キロを走って、速さを競うというもの!
その名も、「EKIDEN」なのであーる。
おおお、出場しないくせに、めっちゃ鼻が高い、父ちゃん。
そこに、なんとうちの事務所のスタッフさんらが参加するというのである。
マネージャーのママ友たち(日本人マダム)とそのご主人(全員、フランス人)による、あるある日仏混合夫婦チームが参加したのだったぁ。
その中には、デザインストーリーズでライターの方や、地球カレッジで講師をしてくださった方(お花の先生)もいる。
なので、編集長である父ちゃんが、応援にいかないわけにはいかない。
ところがであーる。
第一走者がスタートをする9時半に現地に着くよう向かったはいいが、パリ中心部は駅伝のために、あちこちで道路封鎖。
スタート地点に入るには、セキュリティチェックがあり、(ゼッケンを持ってないと入れない。ゼッケンの中にチップが埋め込まれている)、わお、警備員にとめられたぁ~。
「君、許可証ない人は入れないよ」
「待って待って待って。ぼくは日本のジャーナリストです。駅伝はご存じのように、日本が発祥、これをジャーナルで書かないわけにはいかないんですよ。わかります? 日本のものだから。日本人は知る権利がある。許可証なんかないですが、違いますか?」
と真剣に訴えたところ、警備員数名が、協議した。
「IDカードありますか?」
ぼくは滞在許可証を見せた。
「OK、分かった。駅伝は確かに日本のものだから、特別に、特別に認めよう」
と、凄く怖いおじさんが、めっちゃ可愛い笑顔で、許可証もないのに入れくれたのだった。やりー。これはありえない。あはは。父ちゃん、なかなか行動力がある。はったりで生きていまーす!!!
ところが、凄い人で、当事務所関係の日仏ご夫婦混合チームを発見するのは不可能であった。☜すいません。人、多すぎて、探せなかったぁ~。
ご覧頂きたい、こんなに、大勢の参加者がいるのだ。みんな、日本のEKIDENを楽しんでいる。

滞仏日記「日本人がめっちゃ鼻が高くなった日!フランスで駅伝がEKIDENとして開催された」

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この仏版の「EKIDEN」なんと今回で、10回目なのだとか! もう10年も続いているというのだから、すごいじゃないの~。
つまり、駅伝という単語はすっかり、フランスで定着しているということになる。
「あの、ぼく、日本のジャーナリストなんですが、駅伝は日本のものです。それを本国に自慢したいので、みなさん、写真いいですか?」
と声をかけると、ほぼ100%の人が笑顔で撮影に応じてくれたのであーる。あはは。
父ちゃん、実は、世界を股にかける日本のジャーナリストでもある。なんたって、デザインストーリーズとジャパンストーリーズの編集長だもんねー。☜自慢かよ。
「すいません。日本のジャーナリストなんです。駅伝は日本のものです。皆さん、今のお気持ちをお聞かせくださ~い」
そこら中の人に得意の英語で訊いて回った父ちゃん。☜仏語じゃないんかい!!!
「駅伝は実に素晴らしい文化だし、アイデアだよ。ぼくらは今日、日本に感謝している。(サムさん、銀行員)」
「バトンを渡しあって、42キロを走るという発想が素晴らしいわ。(エミリーさん、自由業)」
「みんなで力をあわせて、ゴールを目指す、この協和が素晴らしい。日本の駅伝の映像をみたけど、ほんとうに、素晴らしい競技だ。ありがとう!(トマさん、航空会社勤務)
「EKIDEN」はフランスの保険会社がスポンサーをして開催されている。でも、参加しているのは各企業の有志チーム。
自分の会社のTシャツを着ている人もいた。JALも4チーム参加しているという、風の噂がぼくの耳に届いたのだった。あはは。

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「こっちよ、ここよ、こっちこっち!!!」

滞仏日記「日本人がめっちゃ鼻が高くなった日!フランスで駅伝がEKIDENとして開催された」

「頼むはよ、頑張って、はい~!」
「オッケー、頑張る!!」

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「よっしゃー」

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「頑張って!!!!!」



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「いくぜー」

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「よしゃー、まかせとけー」

1400を超えるチームが参加し(1400×6)、さらに関係者、沿道で声援を送る人を加えると、1万人どころではないだろう。パリが騒然となった。
ちなみに、当事務所スタッフさんらが参加したのは、仲良しの女性(ぼくもよく知っている方)が病と闘っているので、彼女を励ますために彼女の似顔絵が描かれたかわいいTシャツを着て、全員で走り、病に負けないで、と応援をすることが目的の一つなのであった。
なんと、結果は、777位。1400人中、777位だった。ラッキーセブン!!!おめでとう。
駅伝には、みんなで力をあわせて、励ましあい、乗り越えて行こう、というチーム力が重要なスポーツなのだ。マラソンは個人競技だが、駅伝は違う。力を合わせて、声援を送りあう、観客やランナーたちの笑顔が素晴らしかった。
来年も間違いなく、フランス版駅伝が開催されることになる、しかも、オリンピックの年に。
そうか、じゃあ、ロートル父ちゃんも、日本を盛り上げるために、来年は出場しないとならないかなぁ、笑。
勝てるメンバーを探さないと!!! あはは。

滞仏日記「日本人がめっちゃ鼻が高くなった日!フランスで駅伝がEKIDENとして開催された」

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つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。

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