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滞仏日記「母さんが入院し、今度は息子が病気になって、どうなってるのだ、辻家」 Posted on 2024/03/15 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、朝、弟から、連絡があり、母さんの頭に脳梗塞が数か所見つかった、とのこと。
病院での精密検査が続いている。
MRIをやったところ、脳梗塞が見つかった、らしい。
脳梗塞が見つかったら、大変じゃん、と普通は思うのだけれど、年齢が年齢だけに、手の施しようがないらしい。
しかも、後遺症もないので、経過観察からの様子を見、となった・・・。
ということで、母さんは、明日から一般病棟にうつり、普通の食事がはじまるのだ、とか。お医者さん、ありがとうございます。恒ちゃん、お疲れ様でした。
心配は心配だが、優秀な先生方なので、ここはお任せし、連絡を待つことにしよう、と思って、ちょっとリラックスしていると、今度は、我が息子から、メッセージが飛び込んできた。
ええええ、病気??
なにィ~?
慌てて息子に電話をした父ちゃんであった。
「うん、めっちゃだるい」
「だるいなら、コロナだよ」
「咳がひどい」
「コロナかもしれないな。熱は?」
「熱はないけれど、だるい」
ということで、これから病院に行くというので、終わり次第、連絡をもらうことになった。
やれやれ、どうなってるんだ、心配であーる。

滞仏日記「母さんが入院し、今度は息子が病気になって、どうなってるのだ、辻家」



滞仏日記「母さんが入院し、今度は息子が病気になって、どうなってるのだ、辻家」

お昼ご飯を適当に作って食べた。残り物パスタだ。
しかし、待てど暮らせど、病院から帰っているはずなのに、息子から連絡がないのであーる。
心配になって、電話をかけてしまった。
「ああ、インフルエンザだった」
「インフルエンザ? 身体がだるいなら、コロナかもしれないじゃん」
「ちゃんと検査して、陰性だったから、コロナじゃない」
「そうか、じゃあ、インフルでいいよ」
インフルエンザ、流行っているのだ。
ぼくは携帯で、調べた。インフルエンザは発症してどのくらいの期間、人にうつすのか・・・。三日、と出ていた。
ぼくが息子と最後に会ったのは、土曜日である。
ということは、ぼくにはうつってない。☜一応、ライブが近いので・・・。
「どこでうつったか、わかるの?」
「大学だと思う」
「そうか、そうだよね。安静にして治すしかないね」
「うん」
「食べ物は?」
「ある」
「おっけー、じゃあ、なんかあったら、電話をしろよ。飛んではいけないけれど、祈っておく」
と言い残して、電話を切った。あはは。
ぼくの心配事は、いくつになっても、息子、母さん、なのである。
その両方が、こういうことになって、気持ちが晴れない。東京から、御須君もパリに来ているので、ノルマンディに戻ることもできないし。やれやれ。
仕方がないので、三四郎を連れて、散歩に出た。
心模様とは裏腹に、快晴であった。

滞仏日記「母さんが入院し、今度は息子が病気になって、どうなってるのだ、辻家」

滞仏日記「母さんが入院し、今度は息子が病気になって、どうなってるのだ、辻家」



父ちゃんは、外反母趾の矯正中なので、足に昼間はソフトなサポーターをしている。歩けるが、でも、歩きにくい。
夜は、ボルトネジで締め上げる矯正サポーターを付けて寝ている。これが、かなり、痛い。こっちは、歩けない。トイレに行く時は、足を引きずっている。
バランスを崩すと、ずき~んと、いやな痛みが頭頂まで駆け上がる。ひゃあ。
早く治さないと、ロンドンのライブで動き回れないから、リンダ、困っちゃう。
手の腱鞘炎もひどいので、モーラステープをつけて、ロキソニンを飲んで頑張っている。
きっと、辻家は、今、こういう時期なのだ。
足を引きずりながら、午後、油絵具とカンバスを買いに出かけた。
大きなカバンの中に、12号のカンバス3枚、8号のカンバス3枚、油絵具十数本、ワイン三本をいれて、引きずりながら帰った。
ああ、まるで、拷問にあっているようだ。
でも、大丈夫。
こういう時期なのだ、と遠くの空を見上げて、がんばろう、と思う父ちゃんであった。
コツコツと絵を描いて、次の個展へと向かうだけであった。
創作というものは、こういう苦難と不安の中から生まれてくるものである。
よし、熱血父ちゃんのガッツをみせてやろうじゃないか。
えいえいおー。熱血は、

滞仏日記「母さんが入院し、今度は息子が病気になって、どうなってるのだ、辻家」



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
パリから戻ったばかりですが、12号、4枚の作品の下書きが終わっています。これらはとくに次の個展用ではないのですが、じっとしていられないので、というか、創作をとったら何も残らない父ちゃんなので、ひたむきに、カンバスに向かっているのです。小説「動かぬ時の扉」も出版されますので、こちらも、加筆&リライトを繰り返しています。創作を仕事と思ったことはないですが、ものを生み出している時は、痛み、を忘れますね~! あはは。

父ちゃんの今後の・スケジュール

●小説「十年後の恋」集英社文庫版、重版!
●小説「東京デシベル」がイタリア、Rizzoli社から刊行されました。
●4月19日、ロンドン、ライブ。詳細はこちらから☟

https://www.eventbrite.co.uk/e/2gz-tsuji-and-hide-live-japanese-music-in-london-tickets-790578039197?aff=oddtdtcreator

●6月28日、ボルドー・ライブ、予定。(詳細待って)
●6月30日、パリ・ライブ決定(まもなく、チケット発売します!!!)
●7月3日、リヨンでライブ。(こちらもまもなく、チケット発売開始!)
●7月20日から7月28日まで青山・新生堂画廊にて、個展!
●7月後半から8月前半にかけて、日本ツアー、まもなく発表!
●9月後半、コルシカ、アジャクシオ、ライブ。(詳細、待って)

https://www.instagram.com/japan.stories?igsh=MTA2dWFjODdsZnNrZA%3D%3D&utm_source=qr
新しいデザインストーリーズのインスタも再始動! 
https://www.instagram.com/designstories_paris?igsh=cHlpdGFvdWkyYmdj&utm_source=qr
お知らせ、以上です。

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