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滞ボルドー日記「ついにボルドーのお城で、熱血丸出し、歌いだした父ちゃんなのだった。やれやれ」 Posted on 2024/03/27 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、なんと、ボルドーワインのシャトー(ワイナリー)の生産者さんたちが、父ちゃんワイン大使に会うために、シャトー・カマルサックに一同に会し、夕食会が行われることになったのだ。
このシャトー、本当のお城なのである。
まずは、このシャトーの規模感を知ってもらいたいので、その全貌をご覧頂きたい。
80ヘクタールのブドウ畑を有し、その中心に古城がある。
この地域「entre deux mers」では、最大のワイナリーの一つなのであーる。
城主のティエリーさんが、お城の頂上まで案内してくれた。
階段でも登れるし、なんと、エレベーターもついている。御覧ください。
じゃじゃじゃじゃーん!

滞ボルドー日記「ついにボルドーのお城で、熱血丸出し、歌いだした父ちゃんなのだった。やれやれ」

滞ボルドー日記「ついにボルドーのお城で、熱血丸出し、歌いだした父ちゃんなのだった。やれやれ」

滞ボルドー日記「ついにボルドーのお城で、熱血丸出し、歌いだした父ちゃんなのだった。やれやれ」

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そこに、その周辺シャトーのオーナーたちが自分のところで生産しているワインをもって、集まってきた。父ちゃんを囲む会だ!
ティエリーが最近、はじめたレストラン、La Boone Tableのシェフ、シルヴァンさんが、素晴らしい料理を作ってくれた。(これが、星付きレストランよりも、おいしかった。近くの農家でそだった鳥の胸肉を使った、ロティ、最高でした!)
どのシャトーのオーナーも情熱家で、ボルドーワインを世界に伝えようとする熱血があふれ出ているのであーる。自分のワインを父ちゃんに伝えようとする彼らのそのパッションに心を動かされた父ちゃんなのであった。
もう、たまらなくなって、だって、父ちゃん、パッションが好きなんだもーん、
「すいません。皆さん、歌いたくなったのだけれど、ここにギターはありますか?」
と訊いてしまったのだった。こんな、ボルドーの畑の真ん中で、じっとしていられなくなったロックな父ちゃん。
「ちょっと待って、探してくるよ!」
ティエリーが近所に住む娘さんのお子さんの練習用ミニギターを、持ってきてくれたので、そこから、いきなり、コンサートになってしまったのであーる。

滞ボルドー日記「ついにボルドーのお城で、熱血丸出し、歌いだした父ちゃんなのだった。やれやれ」

※ こちらが、カマルサックの当主、ティエリーさん。

滞ボルドー日記「ついにボルドーのお城で、熱血丸出し、歌いだした父ちゃんなのだった。やれやれ」

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父ちゃんが歌いだすと、(この歌いだす瞬間の場の空気を変える瞬間が好き!)それまで真剣な顔でワイン造りの難しさを語っていたオーナーたちが、不意に、携帯を取り出し、父ちゃんのライブの撮影をはじめたのであーる・ぱちーの。
父ちゃんが歌ったのは、ジャック・ブレルの名曲「ne me quitte pas(行かないで)」であった。
フランス人ならみんな知っている、シャンソンの名曲。
途中、一度、ギターをとちったが、酔っていても、声の調子は悪くなく、完唱じゃ!熱血~。
不意に、大歓声に包まれたのであった。えへへ。ようやるね。
はじめて会うフランス人の前で、
「ギターあります?」
と訊いて、歌う勇気・・・、大和魂でしょうか? ただの目立ちたがり屋でしょうか? あはは。

滞ボルドー日記「ついにボルドーのお城で、熱血丸出し、歌いだした父ちゃんなのだった。やれやれ」

滞ボルドー日記「ついにボルドーのお城で、熱血丸出し、歌いだした父ちゃんなのだった。やれやれ」



もう、そのあとは、ワインそっちのけで、音楽の話になり、それから、ついでに、絵の話になったので、実は、画集をこっそり一冊持ってきておいたので、それをみんなに見て貰ったずうずうしい押し売り父ちゃんであった。
「あんた、絵も描くんだね。はー、おもろい人だね」
とティエリーたちが覗いて騒ぎだしたので、
「ボルドーのギャラリーとか知りませんか? ボルドーで個展やりたい。どうしてもやりたいんです」
と情熱叩きつけたら、なんと、ティエリーの弟がギャラリーを経営しているというので、ティエリーの息子のジョンが、自分が仲介をする、とマネージャー役を買って出てくれて、とんとん拍子となったのであった。
人生は一度しかないので、もう、どんどん、生きた方がいい、と思って生きてきた父ちゃんであった。絵は、倉庫にいくらでもあるのだ!!!
何より、やっぱり、自分を売り込むこと、忘れちゃいけない。
まだまだ、世界のほとんどの人は、父ちゃんのことを知らない。
でも、こうやって、ボルドーのワイン製造者の皆さんに日本のパッションを伝えられて、父ちゃんは気分がよかった。それでいいじゃねーか。
ああ、その通り、父ちゃんは世界に羽ばたきたい初老なのである。
初老だっていいじゃねーか。
まだまだチャンスは作れる、という持論が、あーるぬーぼー。
そこにいた10人くらいは、すっかりぼくのファンになってくれたもんね。えへへ。
めでたし。熱血は、

滞ボルドー日記「ついにボルドーのお城で、熱血丸出し、歌いだした父ちゃんなのだった。やれやれ」

※ 素晴らしい皆さんでした。

滞ボルドー日記「ついにボルドーのお城で、熱血丸出し、歌いだした父ちゃんなのだった。やれやれ」

滞ボルドー日記「ついにボルドーのお城で、熱血丸出し、歌いだした父ちゃんなのだった。やれやれ」



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
ボルドーの各地で、くさびを打ち続けています。いやー、ボルドー、素晴らしいところです。短い滞在ですが、かなり、ボルドー通になってきましたよ。友だちも増えてきました。明日、誰に会うのか、今から楽しみです。ボルドーワイン協会は、父ちゃんが連日、人々と仲良くなるので、気をよくしてくれて、次々、シャトーに連れて行ってくれています。明日もシャトー巡り!人間の輪が広がっているのを感じます。人間を嫌いになるより、好きになる方がいいじゃんね、がんばりますね、明日も!

滞ボルドー日記「ついにボルドーのお城で、熱血丸出し、歌いだした父ちゃんなのだった。やれやれ」

フランスツアーが6月に行われます。パリは、ベルビルにある老舗の劇場「Le Zebre」にて行われます。チケットが発売になりました。在仏、在欧の皆さん、お時間があれば、ぜひに。
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●6月30日、パリ、Le Zebre チケットはこちらから、どうぞ!
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https://billetterie.seetickets.fr/tsuji-in-paris-concert-le-zebre-30-juin-2024-css5-envolproduction-pg101-ri10301135.html

そして、7月3日、リヨン、La Marquise
チケットはこちらから、どうぞ!
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https://billetterie.seetickets.fr/tsuji-in-lyon-concert-la-marquise-peniche-03-juillet-2024-css5-envolproduction-pg101-ri10301835.html

●7月20日から7月28日まで青山・新生堂画廊にて、個展!
●7月後半から8月前半にかけて、日本ツアー、まもなく発表!
●9月後半、コルシカ、アジャクシオ、ライブ。(詳細、待って)
●4月19日、ロンドン、ライブ。詳細はこちらから☟

https://www.eventbrite.co.uk/e/2gz-tsuji-and-hide-live-japanese-music-in-london-tickets-790578039197?aff=oddtdtcreator

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