JINSEI STORIES
海を見ながらチャールズ夫妻とランデーズサラダでランチ! Posted on 2025/05/07 辻 仁成 作家 パリ
今日はシェフ友のチャールズが奥さんを連れて、おしかけランチ、にやってきた。あはは。
もちろん、ぼくが招いたのだけれど、今から行く、ということで、同じ村に住んでいるからね、坂を2ブロックのぼったところに彼らが引っ越してきた。
アトリエに行くのは夕方からにして、自宅で、クイックランチ会、とあいなった。
そういうのをフランス語で、「デジュネ・サンプル」というみたい。かんたんなランチ、ということね。そのままやんか!
「辻、デジュネ・サンプルでいいからね」
「オッケー、たいしたものはない」
たまたま、古い小豆があったので、炊いていた。お、じゃあ、「わらび餅」で、いいか!
父ちゃん。えええ、そんなの出来るの?
出来るのって、わらび餅の粉さえあれば、だれでもできます。笑。
それはいいとして、冷蔵庫を開いたら、たまたま買っていた鴨のハムと、誰かから頂いたフォアグラがあった。
それから、箱に入ったノルマンディのジャガイモ!「これはすごい美味しい」とお店の壁にかかれてあったので、箱入りって、珍しいし、試しに買った・・・。
あと、サラダ菜とインゲンとアスパラガスがあったので、
「じゃあ、ランデーズ・サラダが出来るじゃん」
と思いついた。
ランデーズ・サラダって、ぼくが25歳の時に、はじめてフランスに渡って来た時に、サンジェルマン・デ・プレのカフェで食べた最初の料理・・・。
めっちゃ美味しかった。それを再現するぞ!
ドレッシングなんだけれど、どうしましょうか、すると冷蔵庫さんが、にんじん、があるよ、と教えてくれたので、にんじんのドレッシング決定!
身体にいいし、美味しいんだよね。
※ 仲良し夫婦、羨ましい・・・・・・・・・・。
では、さっそく、ランデーズ・サラダの目安レシピをご紹介しましょうね。
※ ペリゴール風サラダ、とも言われている。鴨のスモークハム、ジャガイモのソテー、砂肝のコンフィとか、入っている南西フランスのサラダかな・・・。
ジャガイモにオリーブオイル、塩、パルメザンチーズのすりおろしをふりかけ、ざっくり混ぜ、フライパンでじっくり焼く。
にんじんドレッシングは、にんじん3cmくらい、玉ねぎすりおろし大さじ1、醤油、酢大さじ2、砂糖大さじ半、オリーブオイル大さじ5、塩胡椒。
にんじんと玉ねぎはすりおろして、材料を入れてよく混ぜておく。
いんげんは茹で、アスパラはじゃがいもに火が通ったら最後に一緒に入れて軽くソテーする。マッシュルームのスライス、サラダ菜、鴨ハム、フォアグラお好みで。
好きなように並べて、全体にオリーブオイルをたらしておく。取り分けてにんじんドレッシングをかけて召し上がれ。
わんだふる、だね、パパちゃん・・・・。♪
はい、ありがと、さんちゃん。
で、メインは「またかよ」と言われることを覚悟して、「たらこパスタ」にした。
こっちで売っているたらこの燻製を利用した、燻たらこスパゲッティ、この燻製たらこで作ると、めっちゃ、美味いし、フランス人には受ける。
チャールズのお店で、真似されたことがあったが、ぼく的には、納得いかないたらこスパゲッティだったので、今日は作り方を教えながら、作ったのだった。
チャールズはメモをしていたので、もしかしたら、ノルマンディで流行るかも。
あはは。
※ 海辺で売っていたホタテをポワレして、添えました。
さて、デザートの「わらび餅」だよ。
古い小豆を食糧庫で見つけたので、炊いたのね。そして、わらび餅の粉を使って、じゃじゃーん。フランス人に受けるか、わからなかったけれど、
「へー、美味しいね。不思議な味だ」
とチャールズ、奥さんはパティシエールだから、もくもくと食べていた。
「伝統的な日本のデザートだよ」
とパパしゃん。さんちゃん、自慢し過ぎやろ、と笑っていた。
あはは。
※ この夏は、三越日本橋本店、コンテンポラリーギャラリーで個展。岡山の天満屋さんでも個展やります。
つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
クイックランチだったのに、彼らが帰ったのが夕方だった。4時間くらい、いたんですけれど、クイックとは言えない。ぼくは5曲、歌い、拍手を受けて、ま、いい一日でした。「朝陽のあたる家」とか「バラ色の人生」とか、・・・。「ひとなり、カバー曲もやるんだね」と奥さんに言われたので、最近は、カバー曲ばかりだよ、と言っておきました。「いろんな人がアレンジして名曲のカバーやるのって、面白いよね」とチャールズ。確かに。「ひとなりのは、ちょっとスパニッシュっぽくなるよね」だって。えへへ。