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ちょっと塩気のきいたあんこ Posted on 2026/03/08 KAORU フードアーティスト 

 
甘いものはあまり得意ではないけれど、ダークチョコレートと豆大福とたい焼きは例外。たい焼きは四ツ谷のわかばが特にお気に入りだ。薄くてパリパリの皮と、ぱんぱんに詰まった甘じょっぱいあんこのバランスが何度食べても感動もの。
 

ちょっと塩気のきいたあんこ

 
肌寒い季節になるとできたてのたい焼きを求めてわかばに行きたくなる。わざわざ買いに行くことは少ないけれど出先で近くにいる時には必ず寄る。大通りから一本入った先にある小さなお店の前にはいつもほどほどの列ができている。並んでいる間、職人さんたちがリズミカルに鋳物の音を鳴らしながらたい焼きを1尾ずつ丁寧に焼く姿をガラス越しに見る時間が穏やかで好きだ。順番が近くなると店先のプラスチックのパックに入ったたい焼きのあんこが見えてくる。300g、500g、1kgの3種類で販売していて1kgか500gかで迷って大体500gを1パック買う。わかばのあんこは粒あんで、塩加減がどストライクなのだ。年末は焼き餅にこのあんこを添えてぜんざいを楽しんだりする。
 

ちょっと塩気のきいたあんこ

 
年に数回、思い立ってあんこを作りたくなる日がある。思い描いているのはもちろんわかばの力強いあんこ。お正月の黒豆作りと同じく、あんこを炊く作業というのはどこか神聖なものを感じ、心を整えてから行いたいと思っている。あずき、お砂糖、塩だけのシンプルな甘味なので、材料はちょっと質のいいものを使いたい。わたしは丹波産の大納言と素炊糖、日本の海のいいお塩の組み合わせが好き。
 



ちょっと塩気のきいたあんこ

 
<材料>(仕上がり500~600g)
大納言小豆 200g
素炊糖(なければお好みのお砂糖で)180g
美味しいお塩 2g
 

ちょっと塩気のきいたあんこ

ちょっと塩気のきいたあんこ

 
<作り方>
1、小豆をたっぷりのお水で2〜3回洗う
2、大きめのお鍋に1ℓの水と小豆を入れ中火で約20分茹でる
3、小豆をざるにあげてお湯を切る(渋抜き)
4、お鍋を洗い、再び水を1リットル入れて沸騰するまで強火にかける
5、沸騰したら弱火にして約1時間煮る、小豆がほとんど割れて味見したときに芯が残っていなければ火を止める
6、お鍋に弱く流水を注ぎ、温度を下げてから鍋のお水を流し、再びお水をたっぷり注ぐ。何度かこれを繰り返し小豆の温度が完全に下がったら、汁ごとざるにあげ再び鍋に小豆を戻す
7、小豆全体に素焚糖をふるうように加え、弱火で砂糖が溶けるまで炊く
8、水分がしっかり出てきたら塩を加え、中火で約10分、木べらを鍋底にあてて前後させるようにして混ぜながら炊く
9、水分がほとんどなくなってきて木べらを前後しても水分が流れ出なくなったら最後は粒あんにするため少し木べらで潰しながら全体を混ぜて完成

できあがったあんこはすぐに食べるのがおすすめだけれど食べない分は小分けにして冷凍すると保存がきく。塩加減が少し強めなところがポイントのレシピ。
 



ちょっと塩気のきいたあんこ

※(渋抜き)

ちょっと塩気のきいたあんこ

※(本茹後に水を注ぎ、透明になるまで水を入れ替える)

ちょっと塩気のきいたあんこ

※(ざるにあげる)

ちょっと塩気のきいたあんこ

※(砂糖を加えて炊き始めると水分が出てくる)

ちょっと塩気のきいたあんこ

※(炊きあがりの具合)

ちょっと塩気のきいたあんこ

 
このあんこを使ったレシピをふたつ。粒あん100gに水を80ml加えて小鍋で温めたら、焼いたお餅をのせて簡単ぜんざいに。最近新たにはまっているのは粒あん100gにギリシャヨーグルト80g、カカオニブ大さじ1とフルーツを一緒に盛って混ぜながら食べるデザート。クリーミーで甘さもしょっぱさもあって絶妙に美味しい。
 

ちょっと塩気のきいたあんこ



ちょっと塩気のきいたあんこ

ちょっと塩気のきいたあんこ

自分流×帝京大学



Posted by KAORU

フードスタイリスト/ディレクター、レシピ開発者、雑誌「七味」編集長。企業やブランドなどのレシピ制作のほか、連載コラムの執筆、ファッションブランドとのコラボレーション、国内外での個展開催など、アーティストとしても幅広く活動している。