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GOTOキッチン「健康志向、グルテンフリーのバナナケーキ」 Posted on 2020/08/13 辻 仁成 作家 パリ

今日のGOTOキッチンはグルテンフリーのバナナケーキです。健康志向の皆さんにはおススメの一品。健康志向ではないぼくのような食いしん坊にも大満足な美味しいバナナケーキを、今日は一緒に作ってみましょう。

さて、ここ最近、パリのスーパーでもsans gluten(グルテンフリー)の表示を頻繁に目にするようになりました。
グルテンとは、小麦や大麦、ライ麦に含まれるたんぱく質のことで、それらを原料にして作られるパンや麺類やお菓子に含まれています。つまり、小麦粉を使っている食べ物にはグルテンが含まれているということ。グルテンフリーとは、そのグルテンを摂取しない食事法のことで、海外の一流スポーツ選手やハリウッドスターが実践したことで話題になりました。では、どうしてグルテンをフリーにする必要があるのでしょうか。

グルテンは小麦アレルギーのように体に目に見えるアレルギー反応がでるものではありません。でも実は、グルテンに弱い、グルテン過敏症の人は意外とたくさんいて、そのほとんどの人が気づいていないのだそうです。慢性的な不調や原因不明の下痢、便秘症状、肌荒れのある方は、一度このグルテンを疑ってみても良いかもしれません。グルテンは腸内で吸収されにくく、他の栄養素の吸収を阻害したり、腸に炎症を起こして不調の原因を作ることがあるのだとか。グルテンが全ての人に害を与えるわけではないですし、グルテンは「悪」と言い切るわけでもありませんが、自分の食生活を見直してみると、これまでどれだけ自分がグルテンを摂取してきたか・・・。ちょっと見直しても良いかなという気持ちになります。



実際にグルテン抜きの生活をしている友人にその効果を聞いてみると、頭がクリアになる、お腹の調子が良い、肌の調子が良い、よく寝れるなど、とてもポジティブな答えが返ってきました。
とはいえ、グルテンにはタバコやコーヒーのような依存性もあり、やめたいけれど、目に見えるアレルギー症状が現れるわけでもないのでやめられない・・・と決意できない人がほとんどのようです。だって、うどんもパスタも、パンやお菓子だって食べたいですよね。

ならば、完全に抜かなくても、いつも大量に摂取しているグルテンを減らすだけで体への負担は軽減できるはず!
朝食のトーストを時々ごはんに変え、うどんをお蕎麦(十割そば)に、小麦粉を使わない醤油なども売っていますし、いつものおやつだって、小麦粉以外のものを使ってとっても美味しいパンやお菓子ができます。
このように、毎日の食生活を少し見直すだけでもかなりのグルテンをカットできるのではないでしょうか。無理することなく、体調も良くなったとしたら一石二鳥です。

それでは最後に、簡単で美味しいグルテンフリーのバナナケーキのレシピをご紹介しましょう。



GOTOキッチン「健康志向、グルテンフリーのバナナケーキ」

「ぐるぐる、グルテンフリーバナナケーキ」

<材料>
栗粉  100g
そば粉 50g
バター 75g
カソナード 75g(今回は黒糖50g、カソナード25g)
ベーキングパウダー 4g
卵 1個
牛乳 大さじ2
バナナ(小)2本
アーモンド 適量

GOTOキッチン「健康志向、グルテンフリーのバナナケーキ」

1、ふるった粉類をボールに入れ、ぐるぐるまぜる。
2、そこに卵を加え、バナナを手で潰しながら加えぐるぐる混ぜ合わせる。
3、溶かしバターと牛乳を順に少しずつ加え、生地が均等になるまでぐるぐる混ぜる。
4、クッキングシートを敷いた型に生地を入れ、荒く砕いたアーモンドをのせ、180度に予熱したオーブンで40分くらい焼く。(生地が裂け、裂け目に焼き色がついていたら焼けています)
5、焼き上がったら型から出し、網の上で粗熱をとる。

とにかく、ぐるぐる混ぜるだけで美味しいパウンドケーキが焼きあがります。バターや牛乳を植物性のものに代えても良いですし、粉類を米粉などに代えても良し。栗粉は高価ですが、ほろっと和菓子のような食感に仕上がるのでおすすめです。

GOTOキッチン「健康志向、グルテンフリーのバナナケーキ」



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Posted by 辻 仁成

辻 仁成

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Hitonari Tsuji
作家。パリ在住。1989年に「ピアニシモ」ですばる文学賞を受賞、1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。ミュージシャン、映画監督、演出家など文学以外の分野にも幅広く活動。Design Stories主宰。