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日本とこんなに違う、フランスの『大人の誕生日会』 Posted on 2023/10/02 ルイヤール 聖子 ライター パリ

 
フランスの誕生日会。
これにも最初はかなり驚きました。
日本ですと、仲の良い友人や家族が集まって、大小さまざまあるもののほとんどは数時間〜半日で終わっていたかなと思います。
フランスでも大半はそうなのですが、ちょっと様子が違うのは、18歳成人、30歳、40歳、60歳、80歳といった「節目の誕生日」です。

まず、ものすごく長いです。私はこれまで友人・義理の親戚のうち30歳、60歳、80歳の誕生日パーティーに出席しました。
しかし、半日以下で切り上げた会は今のところ一度もありません。
つまり、ほとんどが1日以上の拘束時間(?)で、移動や準備を含めて最長で丸2日かかった会もありました。

我々からすると、「2日間も何をするの?」といった疑問が生まれると思います。
実は長さ以外にもいろいろな違いがあって、その最たるものには”主役がすべてをオーガナイズすること”、があるでしょうか。
そのような訳でお誕生日の人は企画・準備、費用捻出、会場の盛り上げ役、後片付けまで全部を担当しています。
日本では、誕生日くらいは主役はゆっくりして‥といったイメージがありますが、まさに逆の発想となりますね。
 

日本とこんなに違う、フランスの『大人の誕生日会』



 
では手短に、30歳のパーティー内容からご紹介していきましょう。
こちらは30歳の同級生何人かが集まる合同誕生日会でした。
かかった時間はほぼ24時間。
場所はパリ郊外のイベント会場を貸し切っており、だいたい60人〜70人は集まったと思います。
ですがやはり若いパワーがあるのでしょうか、ケータリングやDJを呼んでの「音楽フェス」に近い盛り上がりだったのが印象的でした。
そして主役の皆さんは歌を披露したり、踊ったりと会場を大いに盛り上げます。
すき間の時間では歓談、プレゼント発表、卓球、ゲーム大会とさまざまなアクティビティが用意されていて、招待客が寝泊まりしたのは車中や野外会場に持ち込んだテントでした。
 

日本とこんなに違う、フランスの『大人の誕生日会』

地球カレッジ



 
義理の親戚である60歳の方の誕生会はいちばん盛大でした。
というのも、主役は地元の公務員として40年働き、その記念パーティーを兼ねていたからです。(勤務40年だと市から表彰されるそうです)
かかった時間は2日間。
ドレスコードも設定されていて、本気の仮装というのが条件でした。
 

日本とこんなに違う、フランスの『大人の誕生日会』



 
お昼頃からゆるゆると始まり、招待客はランチ、アペロ、ディナー、明けての朝食、そして二回目のランチ、みんなで外を散歩、また軽い夕食‥と、週末をそっくりそのまま一緒に過ごします。
こちらは主役の自宅庭で開催されたガーデンパーティーでした。
このように会場はさまざまで、自宅の庭で開催する場合の貸しテント屋さん、ケータリングサービス、出張DJなどもフランスには存在しています。(その際も宿泊費以外、費用はすべて主役が持ちます)
 

日本とこんなに違う、フランスの『大人の誕生日会』



 
80歳の方では企画はお子さんとお孫さんたちが担当され、前夜祭を地元の公民館、当日をレストラン貸し切りで祝いました。
驚いたのは皆さんいくつになっても疲れ知らずで、時間も気にせずダンスやお喋りに花を咲かせ、陽気にはしゃぐところです。
私は今でも心ひそかにフランスのパーティーを「長い‥」と思っているのですが、そこはやはりラテン気質のフランス人。老若男女問わず、全力でパーティーを楽しみます。
 

日本とこんなに違う、フランスの『大人の誕生日会』

 
さてそうした場合、気になるのが土曜日の騒音問題です。
週末にはあちこちでパーティーが開かれるため、時にはポストに開催者からのチラシが入ることもあります。
一度、こんな内容のものがありました。
「〇月〇日、〇〇で誕生日会を開きます。騒音が気になるかもしれませんが、一生に一度の〇歳の誕生日です。もしよければ会場にお越しになり、一緒に飲みましょう!」‥これには笑いました。
ということでめくじらを立てる人はあまりおらず、誕生日会の騒音には多くの方が寛容といった印象です。

もちろん毎年の誕生日はもっと静かで、家やレストランなどで家族・友人とゆっくり過ごす方がほとんどです。
ただ上記のような節目の誕生日会は本当に盛大で、長い時間をかけ大いに盛り上がります。
いずれにしても日本との大きな違いは、主役がどこまでも頑張る、というところでしょうか。
そしてそこには当人の、「これまでの感謝と、これからも続いていくお付き合いをよろしくね」という挨拶の意味が込められているのだそうです。
 

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Posted by ルイヤール 聖子

ルイヤール 聖子

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2018年渡仏。パリのディープな情報を発信。
猫と香りとアルザスの白ワインが好き。