PANORAMA STORIES

日本とこんなに違う、フランスのムッシュが花束を贈る意外な理由 Posted on 2024/03/17 ルイヤール 聖子 ライター パリ

 
パリも暖かくなり、春の足音が聞こえてきました。
今ではマグノリアや水仙がいたるところで咲き乱れています。
一方フランスの花屋さんでは、ミモザのニーズが少し落ち着き、色とりどりの可愛いチューリップが季節の花となりました。
 

日本とこんなに違う、フランスのムッシュが花束を贈る意外な理由



 
さてフランスの花屋さんですが、こちらでは男性の来店数が日本よりも少し、多いような気がします。
週末の花屋さんに行ったら、そこにいるお客さんのほとんどが男性だった、なんてこともありました。
花束に使うお花のチョイスは花屋さんと一緒に。
ワインやチーズを選ぶようにあれやこれやと意見を言っていて、フランスらしいなといつも思います。

そんなフランスのムッシュたちが女性に花束を贈るシチュエーションは、パートナーの誕生日、結婚(パクス)記念日、バレンタインデーなどが一般的ですが、それ以外にも“意外な”理由で花束を贈ることがあるようです。
 

日本とこんなに違う、フランスのムッシュが花束を贈る意外な理由



 
意外な理由とは、喧嘩後や、何かやらかしてしまった時の「ごめんね用」です。
これが実は多いんだと、花屋さん側も言っていました。
確かに、そのようなエピソードは周囲でもよく聞きます。
たとえば知り合いのムッシュは(40代)、仕事で嫌なことがあった時に、パートナーの女性に八つ当たりをしてしまったそうです。
彼は後日、ごめんね用の花束を抱えて自宅に帰りました。
ほかには約束を忘れてしまって怒られた時や、パートナーに言い過ぎてしまった時、自分のことを優先し過ぎてしまった時など。
花束は彼らの「申し訳ない」という気持ちを代弁する、力強い味方となっているそうです。

というのも、フランス人は言葉で絶対に謝りません。
電車が遅れても仕事でミスをしても、もちろん喧嘩でも謝ることがありませんので、こうした習慣が身についているのかな? と思います。
逆に、「どうしてこうなったか」という説明や理由付けはものすごく長いです。
つまりフランス人は、謝罪シーンでは自分を正当化することに努めます。
子どもの頃からそのようなスキルが身についているので、カップル間でも同じことが起こるのでしょう。

「ごめんなさい」という意味のメッセージカード、シール・スタンプ・ステッカー類も、フランスにはありません。
お花屋さんではメッセージカードやシールを花束に添えてくれるのですが、そこにあるのはポジティブな、「Parce que je t’aime(愛しているから)」のメッセージだったりします。
 

日本とこんなに違う、フランスのムッシュが花束を贈る意外な理由



 
もちろん現代では、ジェンダーの境目なく花が贈られています。
なかには一度も花を贈ったことがない、というムッシュもいますので、その方のキャラクターにもよるのだと思います。
しかし伝統的には、フランス人女性がもらう最初のプレゼントは花束であることが多いそうです。
というように、フランスで花束のプレゼントは、お祝い事のほかにも「思いを伝える時」「言いにくいことを表現したい時」などにします。
ムッシュたちと花屋さんの距離が近いのは、こうした理由があるからかもしれません。
 

日本とこんなに違う、フランスのムッシュが花束を贈る意外な理由

自分流×帝京大学



Posted by ルイヤール 聖子

ルイヤール 聖子

▷記事一覧

2018年渡仏。パリのディープな情報を発信。
猫と香りとアルザスの白ワインが好き。