PANORAMA STORIES

日本とこんなに違う、フランスの缶詰いろいろ Posted on 2023/10/05 ルイヤール 聖子 ライター パリ

 
フランスの缶詰コーナーには心が躍ります。
安い、手軽、パッケージが可愛い。。。理由はたくさんありますが、一番はその種類の豊富さにあると思います。
日本にいた頃によくお世話になっていたのは、サバの味噌煮缶や焼き鳥缶といったおつまみ系でした。
こちらにそのような味付けの缶詰は残念ながらありません。
しかしツナ缶・サバ缶には驚くほどたくさんのフレーバーがあって、さらに主食やフランスの伝統食、サイドの野菜料理に至るまでさまざまな種類が用意されています。
 



日本とこんなに違う、フランスの缶詰いろいろ

 
さすがソース文化のフランス!と思ったのは、こちらのサバ缶です。
写真のものは、白ワインに漬けこんだ「白ワイン風味のサバ缶」です。
これと、粒マスタードソースでマリネした「マスタード風味のサバ缶」の二つはフランスのお魚缶詰の中でも定番の味です。
この風味はサバ以外でもよく見かけるので、本当にフランス人好みの味付けなのでしょう。バゲットを添えればこれだけで立派なランチにもなります。

その他、トマトソースやレモンとハーブで味付けされたものがあり、サバ缶だけでも大変多くのバリエーションを誇っているというのが特徴です。
ただフランス国内の消費量で見ると、やはりツナ缶の方が多いようです。
ツナ缶にはフィレタイプとフレークのタイプがあって、どちらかというとフィレタイプがこちらでは主流です。
これはアボカドと混ぜたり、サラダなどの前菜料理によく登場するのですが、フランスの方はフィレの“ざくざく”とした食感がどうやらお好みのようです。
 

日本とこんなに違う、フランスの缶詰いろいろ

 
野菜の水煮も、とてつもない品揃えです。
インゲン、グリーンピース、ひよこ豆、ほうれん草、ラタトゥイユ、さらにはクスクス用野菜の缶詰などもあります。
主食のサイドになるのはもちろん、忙しいお母さん・お父さんたちの強い味方でもありますね。これらはキッシュ作りなどにも使えますので、どれか一つは常備している家庭が多いと思います。
 



日本とこんなに違う、フランスの缶詰いろいろ

 
そして驚いたのは、主食クラスの缶詰が多いこと。
よく見かけるのは、フランス北東部の伝統料理であるシュークルート(発酵させたキャベツに、ソーセージやベーコンを加えたもの)と、南西部の伝統料理であるカスレ(ソーセージと白いんげん豆の煮込み料理)です。
フランスのスーパーは閉店が21時だったり日曜日がお休みのところも多いので、うっかり買い物を忘れてしまった、という一人暮らしの若者によく利用されています。
このようにおふくろの味・きちんとしたフランス料理が缶詰となってお得に購入できるのも、スーパーで心躍る理由の一つです。
 

日本とこんなに違う、フランスの缶詰いろいろ

 
日本とフランスの大きな違いとしては、缶詰のサイズがあります。
私が見た中で一番大きかったのは、写真のキャロット・ラぺ缶(4250g)でした。ツナ缶などは普通のサイズなのですが、野菜系で4㎏の重量があるとは。。。
しかしこれも大家族向けなのでしょう、日本のおつまみ系の缶詰に対し、フランスの缶詰が本気でファミリー向けに振っているというのが印象的でした。
 



日本とこんなに違う、フランスの缶詰いろいろ

※鴨のコンフィは1250g

 
ちなみにフランス家庭が常備している缶詰のナンバーワンはトマトピューレなのだそうです。
そして2位にツナ缶、3位にココナッツミルク(生クリームの代わりになるとして健康志向の人々の間で人気)、4位にはひよこ豆と続いています。
 

日本とこんなに違う、フランスの缶詰いろいろ

※ブルターニュで創業された、お洒落な缶詰メーカーのイワシ缶

 
またパリのデパートにはこのように可愛いデザインの缶詰が並んでいます。
保存も効きますし、手軽にフランスの味付けを試すことができますので日本への手土産にもぴったりです。

しかし、日本人の私にとって魂が満たされるのは、やはり日本のサバの味噌煮缶です。
日本では今どのような缶詰料理があるのでしょうか? 缶詰はフードロス対策にもなるので、これから両国でますます需要が高まるかもしれませんね。
 

自分流×帝京大学



Posted by ルイヤール 聖子

ルイヤール 聖子

▷記事一覧

2018年渡仏。パリのディープな情報を発信。
猫と香りとアルザスの白ワインが好き。