PANORAMA STORIES
今日の献立、鍋からの雑炊 Posted on 2025/06/14 辻 仁成 作家 パリ
おつかれさまです。
献立、悩んでいませんか?
実はこの前、ノルマンディのアーティスト仲間たちがアトリエにやってました。
というのも、ガレージに作業テーブルを作ったんですね、もちろん、オール手作りです、それを見せびらかす会というのをやったわけです。
なかなか立派な作業テーブルじゃないですか?
天板が石なんですが、下に木枠があって、その下に段ボールがあり、底板が敷かれてある、仕組みです。
簡単なものですが、油絵って、最後にちょっと横から筆とか入れたくなるんですね。
イーゼルでもいいんだけれど、斜め横から筆を入れたい時に、イーゼルだと入れにくくて、笑。
で、この作業用テーブルが役立つんです。
すっかり、気に入って、自慢したいじゃないですか?
ノルマンディで仲良くなった画家とか作家とか集めて、お披露目会をやったわけです。
ついでに、次の個展用に描いている作品なんかを見せびらかしちゃった画伯な父ちゃんです。あはは。
※ ガレージなんですけれどね、もう、立派なアトリエですね。壁に、描いた作品を飾り、気に食わないと手直しをしていきます。ガレージ全体が、画廊のような感じです。三四郎もいます。睨むな。(ごはんはまだか、ぼくも腹減ったよー、という顔です)
で、
「腹が減った。辻、なんか食わせろ」
とノルマンディの巨匠が言い出したので、作ったのが、一風堂の鍋でございました。
一風堂と大きく書かれた鍋用スープがスーパーで大量に売っていたので、おお、すげー、世界の一風堂、と迷わず買っちゃいました。それを使っての、鍋でございます。
日本でも売っていますかね?
でも、似たようなものはきっとありますよね。
☆
これに、肉とかエビとか野菜を入れて、うどん放り込んでみんなでつついて、最後が、雑炊、です。
フランス人、鍋で麺までは想像の範囲内だったようですが、最後に残った具を全部掬い取って、そこに、ご飯をいれて、卵おとして、かき混ぜて、ネギふって、お茶碗に盛って「ほら、食え」と出したら、
「おおおお、和風リゾットか」
と驚いておられました。
鼻高々の父ちゃんでしたよ。
一風堂さん、うまいねー。一風堂さん監修で、DAISHOさんのスープみたい。植物由来のスープですって、へー。
ピリ辛で、裏切らない味でございました。
ぜひ、献立の一つに、この鍋からの雑炊、お試しください。
しめじとか、いい仕事するんですわ。
やばいですね。
チベットの胡椒にティムートというのがあります。
かんたんに説明すると、グレープフルーツの香りがする胡椒なんですけれど、これが、この鍋雑炊にぴったり、あうんですわ。
ネットで買えます。
あと、このティムートはケーキにかけたり、チョコレートにかけたりしていますよ。
残ったスープに、ご飯ですね。
ちょっとで、十分です。
雑炊ですから、ふくらみますからね。
来た~。
やばないですか?
やばかったです。
フランスの巨匠たちが全員、口に入れた瞬間、
「おおおおおおおお、ジャパニーズソウルフードだァ~」
と悶絶しておりました。
ここにも、ティムート!
展覧会のお知らせですぞ。
・辻仁成の個展開催
7月9日から、三越日本橋本店、コンテンポラリーギャラリーで、※ 初日、7月9日だけ、混雑をさけるために、入場抽選があります。それに関して、以下のURLからご確認ください。
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https://www.mistore.jp/store/nihombashi/shops/art/art/shopnews_list/shopnews0696.html
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7月23日から、岡山天満屋本店美術画廊にて。
10月13日から、パリ、マレ地区にある画廊、20THORIGNYで2週間、開催いたします。出没しますよ!
・日々のことばを、生放送ラジオで、ツジビルは毎月3回、5の付く日にオンエアー中。
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辻仁成美術館
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https://tsuji-art.com/
Posted by 辻 仁成
辻 仁成
▷記事一覧Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。