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今日の献立、カフェ飯、パイヤール Posted on 2025/07/30 辻 仁成 作家 パリ

おつかれさまです。
今日の献立推奨は、フランスカフェ飯の王道、「パイヤール・ド・プーレ」(鶏肉のマリネ焼き)にしませんか?
カフェでしか、食べられない、カフェ発祥の、メニューになります。
簡単で、美味しいので、ぜひ、試してもらいたい。
用意する材料は、
鳥の胸肉、
オリーブオイル
レモン
塩胡椒、
ルッコラ
トマト
にんにく
くらいかな、たぶん。
あ、バジルも!

今日の献立、カフェ飯、パイヤール

※ こちらが、トマのカフェで出ている「パイヤール」、下のが、ぼくが今日、作った、父ちゃんのパイヤール。似てますね。父ちゃんは付け合わせに、ジャガイモのソテーを添えました~。これも、簡単。(小さ目のジャガイモをカットして、弱火でじっくりと炒めるだけ!)

今日の献立、カフェ飯、パイヤール



鶏肉のマリネなんですが、一晩マリネした方がおいしいので、(ま、半日でもいいけれど、長い方が味が染みます)ジップロップと、サランラップと、何か叩くもの、ぼくは料理用にゴムのかなづちを採用してるのだけれど、麺俸とかでもいいので、ご用意くだされ。
パイヤールという料理は、フランスでは、肉を叩いて伸ばした料理のこと。
ただ、パイヤールという単語が「肉を叩いて伸ばす」ではないので、注意。(一説では、エッチなことばだという噂もあるが、詳しいことはよくわからない)
だから、「パイヤール」は鶏肉だけじゃなく、牛肉のパイヤールもある。
でも、カフェで出てくるものは、だいたい、鶏肉です。牛肉は、在仏歴23年になるが、まだ、見たことありません。
はい、じゃあ、下の写真を参考にして、作ってみてくださいまし。



今日の献立、カフェ飯、パイヤール

今日の献立、カフェ飯、パイヤール

胸肉を、包丁で、中ほどに切れ目をつけて、開いて、麺棒などの硬い棒や木槌とかで、叩いて、伸ばします。
で、辻家の場合、伝統的に、ゴムのかなづちで、叩くのだけれど、うちでは料理用となっています。(パイヤール専用)
なんかね、ゴムの匂いとかつけたくないので、サランラップに挟んで、叩きます。清潔に料理をしてくださいね。笑。

今日の献立、カフェ飯、パイヤール

上と下、サランラップで挟むことで、イイ感じでしょ。
あまり強く叩くと、サランラップが破れることもあるので、真上から、正しく振り下ろしましょう。
とんとんとん、と凄い音がするので、三四郎がいつも驚く。

今日の献立、カフェ飯、パイヤール

こんな感じになる。倍くらいに薄く延ばす。でも、美味しい店のは、向こうが見えるくらい、超薄に仕上がっています。(根気があればできます)
プロは、ちゃんと、肉叩きハンマーを使っています。
繊維を破壊しながら伸ばすと、もっと薄くなるので、頑張って。
原始的な調理法ですが、これがうまいのよ。

今日の献立、カフェ飯、パイヤール

ジップロックに、塩胡椒をした、薄く伸ばした肉をいれて、レモンを一つ分くらい、絞っていれる。
そのあと、オリーブオイルを同量くらい、注ぎ、空気を丁寧に抜いて、蓋をしめる。
冷蔵庫で、一晩、マリネーる、です。あはは。

今日の献立、カフェ飯、パイヤール



一晩、寝かしたら、熱したフライパンで、炒めます。
しっかり、色づくまで炒めてください。
それをひっくり返し、また、がんがん、炒める。

今日の献立、カフェ飯、パイヤール

今日の献立、カフェ飯、パイヤール

このくらいの焼き加減、最高です。ちょっと縮んでしまうので、出来るだけ、薄く延ばしてもらいたい。
お皿に盛り、上に、ルッコラを載せる。
バジルとトマトをオリーブオイルであえたものを、さらに上から、まんべんなく、ふりかけて、完成となります。
マリネに時間がかかるけれど、寝る前に、ちゃちゃっと漬けておけば、翌日、ちゃちゃっと料理出来るから、手軽で、最高だよ。
ぜひ、やってみてね。
ボナペティ!



今日の献立、カフェ飯、パイヤール

日本での個展はすべて、終わりました。
個展情報です。

パリ、10月13日から26日まで、パリ、ピカソ美術館そば、GALERIE20THORIGNYにて、「辻仁成展」開催。
2週間、パリで開催、この季節のパリはアートのパリなんですよ。

パリ、2026年、1月中旬から二か月間、日動画廊パリにて、グループ展に参加します。
問い合わせは、各画廊へお願いします。

そして、毎月3回やっているラジオ・ツジビルはこちらから、です。どうぞ。

TSUJI VILLE

今日の献立、カフェ飯、パイヤール

自分流×帝京大学



Posted by 辻 仁成

辻 仁成

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Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。