PANORAMA STORIES

今日の献立、寿司を握る! 握り寿司のコツ。 Posted on 2025/08/04 辻 仁成 作家 パリ

おつかれさまです。
息子が恋人を連れてやってきました。
いろいろと話すことがあるので、今日は得意なフランス語で(うそ)、子供たちと楽しい会話をさせて頂きました。
で、何か、うまいものを食わせてやりたいので、握り寿司を拵えました。はい、美味いですよ、父ちゃん寿司。
ということで、夏の個展が終わったら、寿司職人になった父ちゃん君なのであります。
あはは。

ということで、パリに戻ったばかりの父ちゃんですが、息子孝行もしないとなりませんからね、疲れ切っておりましたが、魚屋さんへ、直行です。
「ええと、このスズキを一尾、それから、マグロもください。ええと、鱒の卵と、サーモン燻製も」
ということで、スズキは一尾買ったので、三枚におろし、皮を剥ぎ、刺身にしないとなりませんでした。
日本だと、サクで売っているから便利ですよねー。
ま、骨を抜かないとならないのがちょっと面倒ですが、新鮮な魚は手がかかるのは当然です。
いつものごとく、塩昆布、緑茶、茅乃舎のシイタケだし、をつかって、漬け粉を作り、それで刺身を覆い、写真のようにサランラップでくるんで、一晩、冷蔵庫へ。
マグロはあまり新鮮ではないので、ミキュイ(たたき)にして、ちょっと火を多めに入れときました。
これを漬けダレ(酒大匙1、みりん大匙1,醤油大匙2)にいれて、一晩。(魚が新鮮なら、3時間くらい)
サーモンは燻製のものを買って、アニスとあおさで味をつけたものを使います。
いくらより、最近は鱒卵が好きなので、白だしと醤油で味付けし、トリュフの入ったカマンベールとで「軍艦」にします。☜意味わかります????
あはは。

今日の献立、寿司を握る! 握り寿司のコツ。

今日の献立、寿司を握る! 握り寿司のコツ。

今日の献立、寿司を握る! 握り寿司のコツ。

辻仁成 Art Gallery



おっと、大事なのは、酢飯ですね。
酢飯は、白ごはん1合を早炊きで炊いて、(ちょっと水少な目、だから、硬く炊きあがります)、寿司酢は、米酢30mlに、塩4g、砂糖8gです。これを炊きあがったご飯にからめて、いりごまと刻みの紫蘇を混ぜ込んじゃいます。
ちなみに、今日は若者二人なので、2合炊きました。2合だと、寿司酢も倍量だかんね。

今日の献立、寿司を握る! 握り寿司のコツ。

じゃじゃーん。
この鱒の卵の下に、黒トリュフを挟んだゴルゴンゾーラがしゃりとの間に鎮座しているっていう寸法です。
鱒の卵も白だしと醤油で軽く漬けているので、とにかく、うまい。(こちらは30分ほどで十分です)

今日の献立、寿司を握る! 握り寿司のコツ。

上のが、ミキュイのマグロですが、ロゼ色マグロがいい感触でした。
ソースは、マヨネーズ系です。
ワサビ、マヨネーズ、七色七味、マスタードなどを混ぜ込んだもの、ええと、他にもなんか入れましたが、いつも勢いなので、忘れちゃった・・・。
下のが、スズキの漬けですね。上に乗っているのが、茅乃舎の梅七味とかいう、すぐれもの。

今日の献立、寿司を握る! 握り寿司のコツ。

ちょっとミョウガを千切りにして、載せると、やばさが増し増しします。

今日の献立、寿司を握る! 握り寿司のコツ。

あ、これが玉ですね。ぎょく。
中央に切り目をいれて、間に少しシャリを詰め込んでいます。
サーモンヒュメには、あおさとアニスを振りかけました。
アニスとサーモンって、フランス人はよくやります。これが、絶妙なんですわ。

今日の献立、寿司を握る! 握り寿司のコツ。

どうですか、この布陣。やばくないですか?
息子を喜ばせるには十分なレべチかと自負する次第でございます。
トリュフ入りゴルゴンゾーラと漬け鱒の卵、最高でした~。
ええと、お米は、日本から持って帰った、魚沼産コシヒカリ!
ボナペティ!

今日の献立、寿司を握る! 握り寿司のコツ。

さて、この青年は、息子ではありません。
ぼくが大学生のころの写真ですが、息子君、この顔と、ほぼほぼ、同じ顔をしております。親子ですからね、笑。
しょいうがないですな。21歳の父ちゃん、面影あります?
息子をもっと大切にしたいと思う昨今です。

今日の献立、寿司を握る! 握り寿司のコツ。

そして、65歳の父ちゃんが、これ!!! 馬鹿者は年を取らないといいますが、まさに、典型ですな。

今日の献立、寿司を握る! 握り寿司のコツ。

ちなみに、先週、シークレットライブ、出番直前の父ちゃんです。ライブ前は、こんな感じ、本番はびしっとしています。
楽しいライブでした。ラジオツジビルでは、年に二回ほど、シークレットライブ開催しているんだぜ!

今日の献立、寿司を握る! 握り寿司のコツ。

次の個展情報です。

パリ、10月13日から26日まで、パリ、ピカソ美術館そば、GALERIE20THORIGNYにて「辻仁成展」開催します。
ぼくの美術サイトで、作品の紹介が出ていますので、ぜひ、チェックしてみてください。

2026年、1月中旬から3月中旬まで、日動画廊パリにて、グループ展に参加します。秋頃に、詳細が決まります。
また、お知らせします。

そして、毎月3回やっている人生を語り倒すラジオ・ツジビルはこちらから、です。どうぞ。

TSUJI VILLE

今日の献立、寿司を握る! 握り寿司のコツ。

自分流×帝京大学



Posted by 辻 仁成

辻 仁成

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Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。