PANORAMA STORIES
何食べてるの? 特集・父ちゃんのノルマンディ飯(1) Posted on 2025/09/13 辻 仁成 作家 パリ
パリから車で3時間、ノルマンディの山の奥にアトリエを構えた父ちゃん、そして相棒の三四郎。
毎日、こんな景色の中で、生きています。
自然の中で、一人で生きる飯、シリーズ、はい、
ちょっと、御覧ください。
馬のトミーです。
やあ、トミー、今日も元気かい?
新鮮な空気、ここにストレス、という言葉は存在しません。
誹謗中傷もない世界です。
どこまでも歩きたくなる、森の中!
人は、木を見て森を見ない生き物ですが、自然の中にいると、全体が人生を構成していることを教えてくれますし、細部もまた、その一つ一つであることが伝わってきます。
人間は自然の中で、脇役にすぎません。
☆
そして、自然の中にないものが二つあります。
一つは「善」、もう一つは「悪」です。
愛犬、三四郎も、自由です。
最近、辻さんは何を食べていますか、と担当編集者さんに聞かれたので、こんなもの、食べているよ、というご報告です。
前は海側に住んでいたのですが、絵を描く仕事が急速に増えたので、今は山側にアトリエを構え、そこで仕事と料理に専念しております。最近は、連載小説もスタートしましね・・・。
まわりが自然なので、そこら辺のものを、地元の方々のアドバイスのもと、採って、食べたりもしています。
ハーブとかは、自分ですべて育てています。
こちらは、アーティチョークのイタリアン・サラダです。
バゲットがね、日本のとは、全然違うんですよ。
サクサク、もちもちで、世界で一番美味しい、ノルマンディのパン屋さんが、海沿いに、あるんです。
ローズマリーがたくさん、裏庭で採れますからね、今日は、子羊を肉屋で買いまして、数時間、味付けしたものを、グリルパンで焼きました。
死ぬほど、美味かったです。
冷凍のグリーンピースをバターでじっくり炒めたもの、ローズマリーで焼いたジャガイモ。
北海道のメイクインも美味しいですが、フランスは農業国ですから、もう、ジャガイモはどれも最高で、超安いんです。
スーパーの普通のジャガイモが、世界一、美味いです。
ほんとうに、ジャガイモはフランス、まじ、美味いのよ。
冷凍食品のピカールが好きで、車で30分くらいの町にあるんで、大量に仕入れます。
ここの鱈のフライ、フライパンでサクサク、これは、良く買います。
この日は、ジェノベーゼのパスタを添えました。
生ですよ。
タルタルなんかは、適当にぶっこんで、マヨネーズなんかで作っちゃいます。かんたんですし、便利ですね。
三四郎と散策中の、父ちゃんであります。もうすぐ、爺さんですが、まだ、5キロくらい、歩いています。
自然が一番だと思いませんか?
お腹がすくから、美味しいものを食べたくなる、ノルマンディでは、自然と健康が無料で手に入るというわけです。
茄子が好きなんで、マーボ茄子のようなものをかけたうどん、卵の黄身がね、うまいねー。
たまらん。
また、あした。
でも、握り飯、美味しいですね。胃が疲れた時には、これに限ります。はい、ボナペティ!!!
辻仁成、個展情報。
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パリ、10月13日から26日まで、パリ、ピカソ美術館そば、GALERIE20THORIGNYにて「辻仁成展」2週間、開催。
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1月中旬から3月中旬まで、パリの日動画廊において、グループ展に参加し、6点ほどを出展させてもらいます。
Posted by 辻 仁成
辻 仁成
▷記事一覧Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。