PANORAMA STORIES
今日の献立、オレンジ風味のスズキのグリル Posted on 2025/10/06 辻 仁成 作家 パリ
おつかれさまです。
今日は、父ちゃんの得意料理、白身魚のオレンジ風味グリル、をご紹介したいと思いますよ。
簡単なのに、レストランで食べるくらい、美味しいのよ。
ふふふ。
やってみてほしいでごわす。
はい、まずは、材料からです。
☆
<スズキのグリルの材料>
スズキの切り身
塩・胡椒
ルッコラ、もしくはサラダ菜とか、適量。
オレンジ塩 適量
<オレンジ塩の材料>
有機のオレンジ 1個
フラー・ド・セル(fleur de sel) 50gくらい(適当でよかです)
※出来ればフランスのゲランドのお塩を推奨します。食卓塩はNGです。
はい、では、最初に、オレンジ塩から、作ります。
☟
予め、オーブンは150℃に予熱しておく。
オレンジは、有機オレンジ推奨です。
なぜなら、皮を食べるので。
農薬を使ってない有機オレンジ、がよいでしょう。
次に、オレンジをよく洗い、ピーラーで皮を剥のだけど、出来るだけ長細く、削いでいくように、剥かなければならない。
オレンジの皮は、クッキングシートの上に間隔をあけて綺麗に並べ、150℃に温めておいたオーブンに入れて、約10分…。
火加減がちょっと難しいので、最初は失敗しやすい。
焦がさないように、火の通り具合をきちんと見定めていくべし。
火が入り過ぎると、焦げた香りが付いちゃうし、火入れが足りないと、水分が出て塩を殺してしまう。
ここがポイント。
でも、慣れれば上手にできるようになります。
焦げる前、湿度が消えたちょうどその瞬間、を見逃さないことが大事。
そしたら、よく切れる包丁で、乾いたまな板の上で、細かく、微塵にしていく。
フラー・ド・セルの大きさになるまで、根気強く、みじん切りを続けないとならない。
注意点としては、オレンジの皮は、硬くなる前にみじん切りにする必要がある。
その方が細かく微塵にしやすいからであります。
それから、ちょっと放置して、10分位するとカリカリになるので、そこでフラー・ド・セル(塩の華)と混ぜれば、来上がり。
密閉できる瓶などに入れて、保存してほしい・・・。
香りが飛ぶまで使えます。
超便利。
では、スズキをグリルします。
刺身でも食べられるような超新鮮なスズキを使います。
鯛でもよかです。
スズキには軽く塩胡椒し、(気分次第だけど、皮目に胡椒、身の方に塩だけの日もある。お好みで)テフロンのフライパンに多めの油をしき、中火弱で皮を下にして、じっくりと焼きをいれてく。
しっかり、皮パリにしたい時には、皮目に軽く小麦粉を叩いておくと、カリッカリになるのです。
これが美味いのだ。
面倒くさくないなら、やっておこう。あとが楽しくなる。
焼く時は、まず、最初の一分ほど、指先で魚を押さえながらやれば、反らない。
なんにもしないと、魚がくるんと丸まってそり返るから、要注意。
手でやるのが怖いなら、トングでも、スプーンでも、なんでもいいから、それで中心をちょっとおさえつけておくこと。
これが大きなポイントになります。
火加減をみながら皮がパリパリになり、魚の身の方まで火がうっすら通り全体が白くなったら完成です。
もともと、生で食べられる新鮮な魚だから、うっすら白っぽくなれば食べられますよ。
ひっくり返す必要はありません。
急ぐ場合はひっくり返してもいいけど、壊れやすいので、気を付けてね・・・。
お皿に盛って、お好みの量、オレンジ塩を振りかける。香りが素晴らしい。
オレンジの香りと皮パリ魚の香ばしさのバランスが抜群なのであります。
添えたルコラには、オリーブオイルと、ビネグレット(ドレッシング)をちょっと、ふりふり、してね。
海の香りとオレンジのさわやかな柑橘の風味が鼻腔と口腔を誑かす、贅沢極まりない一品、間違いなしなのです。
ボナペティ!!!!
久しぶりに、NHK「パリごはん」の再放送が決まりました。
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「ボンジュール!辻仁成のパリごはん 2023SP」
今回は、NHK BSP4Kでの放送となります。
「ボンジュール!辻仁成のパリごはん 2023SP」
【再放送】 NHK BSP4K
10/13(月・祝) 午前9:30~10:59
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辻仁成、個展情報。
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パリ、10月13日から26日まで、パリ、ピカソ美術館そば、GALERIE20THORIGNYにて「辻仁成展」2週間、開催。
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1月中旬から3月中旬まで、パリの日動画廊において、グループ展に参加し、6点ほどを出展させてもらいます。
※ 月3回、父ちゃんがDJをつとめるラジオ・ツジビル(辻村村営ラジオ)、ご参加ご希望の皆さん、下のバナーをクリックくださいませ。
Posted by 辻 仁成
辻 仁成
▷記事一覧Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。