PANORAMA STORIES
何食べているの~、父ちゃんのパリ飯(2) Posted on 2025/10/11 辻 仁成 作家 パリ
おつかれさまです。
個展がはじまるので、父ちゃんパリ事務所総出で、朝から準備に追われております。大忙しなんです。
で、お腹が空きますからね、集まったスタッフ全員でランチに行きました。
ま、打ち合わせと称しての決起集会ですか。ワインをあけて、えいえいおー、をしてきましたよ。
友だちのイタリアンに行ったんですが、久しぶりだったので、ご夫妻で出迎えてくれました。
「ライブやらないの? 見に行きたいんだよ。君のライブ」
「今はないんだ。でも、絵の個展が明後日からだから、ぜひ、来てよ」
ということで、個展に来てくれる、そうです。
「この壁にばっちりな絵があるよー」
あはは。
※ 今が旬、ジロール茸のリングイーネですね。秋ですからね、このジロール、美味しいですよ。これを炊飯器でご飯と一緒に炊くのも、好きな父ちゃんであります。
※こちらは、ロリギタスというサルディニア島の手打ちパスタです。魚介がたっぷりと入ったトマト風味のパスタです。
※ こちらはペペロンチーノっぽいですが、実は、唐辛子の入ってない、パセリとにんにくのスパゲッティです。
※ アーティショー(朝鮮アザミ)とカラスミのサラダですね。強いアクがあるんですが、フランス人はこのアクがたまらないみたいです。
シェフに質問されちゃいました。
「いや、なんか、ウイキペディアみてびっくりしたんだけれど、あれ、本当なの?」
「あれって、何の話?」
「君の年齢だよ」
「あ、年齢か。そんなの必要?」
「いや、普通は気にしないんだけれど、なんかやってるの? 美容法とかあるの?」
「あるよ」
「教えて」
「出来るだけ、嘘はつかない。出来るだけ、過去は捨てる。出来るだけ、前を向いて楽しく生きる」
「あはは」
「だって、それ以外に何もしてないもの。くよくよしない。よく怒る。負けず嫌い、かな。若さを保つ秘訣と言えば」
「あはは」
「あ、あと、美味しいものを食べ続ける。まずいものは絶対に食べない」
「言えてる!!!!」
「あはは」
※ ヴィッテロ・トナート。薄切り仔牛にツナソースがかかったイタリアの庶民的な一皿ですね。大好物です。
エンリケシェフと奥様のタッチーです。大の仲良しで、本当に素晴らしいご夫妻なんですよー。フランスにいるのに、イタリア飯ばっかりで、怒られそうですけれど、美味しいものは美味しいよねー。
ということで、決起集会も無事に終わり、いよいよ、13日の月曜日から、ピカソ美術館近くの画廊で個展です。
フランスを旅行中の皆さん、近くにお住まいの皆さん、ぜひ、父ちゃんの若さをチェックにお越しください。
は?
人生は創作とボナペティの連続じゃ~!
☆
辻仁成、個展情報です。
☆
パリ、10月13日から26日まで、パリ、ピカソ美術館そば、GALERIE20THORIGNYにて「辻仁成展」2週間、開催。全32点、展示します。
☆
1月中旬から3月中旬まで、パリの日動画廊において、グループ展に参加し、8点ほどを出展させてもらいます。
久しぶりに、NHK「パリごはん」の再放送が決まりました。
☆
「ボンジュール!辻仁成のパリごはん 2023SP」
今回は、NHK BSP4Kでの放送となります。
「ボンジュール!辻仁成のパリごはん 2023SP」
【再放送】 NHK BSP4K
10/13(月・祝) 午前9:30~10:59
ラジオはツジビル!
Posted by 辻 仁成
辻 仁成
▷記事一覧Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。