PANORAMA STORIES
父ちゃん、パリ個展日記(新しい計画に着手の巻) Posted on 2025/10/19 辻 仁成 作家 パリ
おつかれさまです。
今日は個展がはじまって最初の土曜日となりました。
でも、日本のお客様が多かったですね。
パリ在住の日本の方がこんなにいたんだ、というくらい、お越しいただきました。
80歳のお母さまを連れて、在仏のご家族もやって来てくださいましたし、お子さん連れのご家族も多かったです。
週末ですからね、お子さん連れ、多いのよくわかります。
「ダメよ、絵に触ったら! 壁もダメ、全部だめよ、触っちゃ」
とお母さんが小さな声で注意をしてくださっておりました。
そういえば、中年のご夫婦がアメリカのコロラドからやって来られました。
奥様が日本人、ご主人がアメリカ人で、この絵が好きだ、というのです。この絵は、特に男性に人気で、すでに売れているんですよ、とお話をしたんですが、それでも、ぼくは嬉しかったです。
WA/Kosumosのガーデンという作品になります。昨日もこれでしたものね、笑。
男性受けする絵と、女性受けする絵に分かれます。面白いですな。
フランス人のご家族も多かったです。
絵に向かう人たちの反応って、様々で面白いですね。
あ、そうそう、ぼくのバンドのピアニスト、エリック・モンティニーさんも遊びに来てくださいましたよ。(オランピア劇場で一緒に演奏をしてくださいました)
エリックとは、来年、アルバムの制作をする予定なんです。
一応、ロックを引退した父ちゃんですが、自分の絵と呼応するようなアンビエント系プログレッシブミュージックの制作を開始する予定なんです。
ノルマンディのアトリエをスタジオに改造し、自然の中で作る環境音楽のような世界、素敵じゃないですか?
自分の絵とのコラボです。
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いつか、大きなインスタレーションをやろうと計画しておりましてね、大きな空間にぼくのアート作品、そして会場に流れる自分の音楽、そして天井からぼくの言葉を降らせて、ホール全体がアートになるようなインスタレーション!
※ インスタレーション とは現代美術のジャンルの一つで、特定の空間にオブジェや装置を置いて空間全体を作品として体験させる芸術のことなんです。
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実現に向かっていますので、お楽しみに。エリックとはあきらの店でお茶をしつつ、計画について話し合いました。
いくつになっても、創作の手が休まることはないですな~。
夢ですか?
いつか、グランパレを貸切って、インスタレーション展示をやってみたいです。あはは。ナポレオンもびっくり!
そんな話をしていましたら、閉店間近に、リオンの画廊の方がやって来られ、なんか、わかりませんが、
「リヨンでも個展やってみませんか」
と言われたんです。
小一時間話しましたでしょうかね。
リオン、いい街ですから、断る理由はありませんよね。
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そうか、来年、リヨンで個展が出来るかもしれないかー、いいな、新しい出会いが待っているなら、もうちょっと頑張って描かなきゃ、と思った父ちゃんでありました。
残り時間、少ないですが、ありったけの時間を投下して、最大限の創作をしつくしたいと思います。えいえいおー。
待ってろよ、リヨン!
今日もありがとうございます。
精一杯生きたりましょう。
はい、ポーズ!
辻仁成、個展情報。
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パリ、10月26日まで、パリ、ピカソ美術館そば、GALERIE20THORIGNYにて「辻仁成展」現在開催中です。
住所、20 rue de THORIGNY 75003 PAROS
地下鉄8番線にゆられ、画廊のある駅、サンセバスチャン・フォアッサー駅から徒歩5分。
全32点展示。残り数点になりました。
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1月中旬から3月中旬まで、パリの日動画廊において、グループ展に参加し、6点ほどを出展させてもらいます。
Posted by 辻 仁成
辻 仁成
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作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。