PANORAMA STORIES
文化講演会で父ちゃん大いに語るの巻! Posted on 2025/11/23 辻 仁成 作家 パリ
おつかれさまです。
今日は帝京短期大学さんが主催する父ちゃんの文化講演会「文学と芸術のあいだ」というのがございまして、幡ヶ谷まで、出張させて頂きました。
抽選で選ばれた観客の皆さんを前に、75分ほどの講演となったんでございます。
人前でしゃべるのはあまり得意な方ではないので、十年に一度くらいの割合でしかやらない講演会でしたが、たくさんの皆さまを前に、父ちゃんがなぜ、表現をするようになったのか、創作の醍醐味、などを語らせて頂きました。


※ 真面目そうに語っている父ちゃん画伯でございます。
どんなことを語ったのかと申しますと、ぼくが少年だった頃に、みんなとぜんぜん違ったものの考え方、行動をしていた、という話しから、はじまりましたね。
面白おかしく語ったわけではないのですが、けっこう、笑いに包まれてしまいました。根っからのエンターテイナーですもんね、ふふふ。
子供のころ、ぼくは教室の後ろの方に座っていたのですが、目の前には、ちょっと好きだった少女の後頭部があったわけです。
好きなのに、気が付かないその後頭部に向けて、テレパシーを送り続ける毎日でございました。笑。
ぼくが好きなこと、なんでわからないんだろう、と不思議だったんですね~。
見渡すと、後頭部がたくさん、・・・。みんなが考えていることがわからない。
なんでなんだろう、と辻少年、悩んだのでした。
☆
それで、ある日、自分をわからせるために、詩を書きだし、わからせるために、歌を歌い、わからせるために、絵を描くようになるんです。
自分を届けるために表現がスタートするというわけでございます。
「まだ、世界はぼくを発見してない!」
と思いながら、次々に作品が生まれました。あはは。
それは、今日現在まで、続いております。そういう表現黎明期の話しから、ジャンルにとらわれないアーティストを目指し必死で創作と向き合った父ちゃんの長い長い道のりについて、語らせて頂きましたよ。
いや、個人的に楽しい講演会となりました。ご清聴ありがとうございます。


そして、そんな講演会の直前の差し入れが、こちら、六本木の「呼きつね」さんのいなり寿司でございました。
バターレーズンのいなり寿司には驚かされましたが、(これはちょっと苦手という意味で、笑)でも、定番の、金胡麻、と、クルミ、はマジで絶品で、やばかったです。
日本には美味しいものが溢れておりますな。このおいなりさんのおかげで、ひとなりさんは今日も頑張ることが出来たというオチでございます。おおきに。
今日も精一杯生きたりましょうぜ。
えいえいおー。



辻仁成、展覧会情報
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2026年、1月15日から、パリ、日動画廊、グループ展に参加。(辻仁成以外は、Henry Zers, Pierre Lesieur 彫刻のPatrick Blochの3氏)
2026年、11月には、リヨン市で個展が決まりそうです。版画なども出す予定。情報解禁になったら、まっさきにお知らせいたしますので、リヨン周辺在住の皆さま、お楽しみに。
2026年、夏に日本でも個展を開催する予定ですので、8月前半、スケジュールあけておいてくださいまし。
Posted by 辻 仁成
辻 仁成
▷記事一覧Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。



