PANORAMA STORIES
絵のある暮らし、絵と寄り添う人生 Posted on 2025/12/16 辻 仁成 作家 パリ
おつかれさまです。
昨日、シドニー在住の方から、この写真を頂きまして、先のパリの個展(2025年10月開催)での小作品なのですが、暮らしの中に程よく溶け込んでおり、その配置のセンスに、自分で描いた作品ながら、いいところにもらわれて行ったね、と思わず漏らしてしまいました。
このように、一枚の絵が、その人の暮らしに見事にマッチしているのは、作家冥利につきるというものです。
静かな空間ですね、色合いも素晴らしい。
ちょっと淡い色調の空間と個性のある家具とのバランスが素晴らしいですね。
シドニーのご夫妻の人生の色が見えた気がしますね。
オーストラリア、いきたいなァ。

昔、デンマークにあるフィンユールの家を息子と訊ねたことがありまして、その時の彼が作った家具、とくに椅子とその壁にかけられた絵との相性が実に素晴らしく、うっとりした経験があります。
絵を飾るっていうのは難しいですし、だからこそ、楽しいですよね。

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ぼくはノルマンディ、とか、パリで絵を描いていますから、どうしても色調が日本っぽくないので、日本の家の空気感とマッチするか、最初はちょっと心配だったわけです。
ところがそれは杞憂で、なるほど、そういう飾り方もあったか、と。
日本での個展(2025年7月)のあと、欧州の風景画の作品を所有された方からも、写真を頂きましたが、やはり静けさの中に置かれていて、不思議な気持ちになりました。
絵の飾り方なんですかね、静けさは同じで、ものすごくゆったりとした時間が流れていますよね。
何処とは言えない、不思議な空気感、ずっと眺めていたい場所です。


ともかく、絵のある暮らし、いいですよね。ぼくは絵がありすぎるので、週替わりで絵を交換して楽しんでいます。
画家にしか出来ない喜びでしょうか?
しかし、個展のあと、その絵とはもう会えないので、・・・。
☆
この作品も秋のパリの個展に出した絵ですが、黒い額縁に衝撃を覚えました。なるほどね、自分では選ばない、いい額装です。
お酒、うまそうで、酒好き画人、そっちに目がいっちゃいます・・・。笑。


もう、12月も半ばですね。
早いですな、一年が過ぎるの・・・。
クリスマスが終わり、正月が過ぎて、1月15日から、パリ8区にもある日動画廊さんで、フランス人の画家さんにまじって、グループ展に参加します。
バンドで言うと、対バン、とか、フェス、とかそういう感じでしょうかね。
3人のフランス人の画家それぞれの絵を見に来た人がぼくの絵にどう反応をしてくださるのか、ちょっと愉しみです。
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はい、では、2026年の展覧会情報です。
2026年の1月、パリの日動画廊で開催されるグループ展に参加します。
1月15日から3月7日まで。結局、11作品の展示となりました。フランス人3人とのグループ展なのに、11作品も、・・・。笑。
場所は、パリ8区ですね。エリゼ宮殿の傍です。
☆
それから、8月前半に一週間程度、東京で個展を開催いたいます。
今回のタイトルは「鏡花水月」です。(予定)
タイトルは突然かわることがございますので、ご注意ください。
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そして、11月初旬から3週間程度、リヨン市で個展を開催いたします。詳細はどちらも、決まり次第、お知らせいたしますね。
お愉しみに!
Posted by 辻 仁成
辻 仁成
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作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。



