PANORAMA STORIES
イラストレイターになった父ちゃん Posted on 2026/01/22 辻 仁成 作家 パリ
おつかれさまです。
ノルマンディにやっと戻ってきました。
グループ展は順調なのと、いくつかの打ち合わせも終了し、再び、ノルマンディで創作の日々なんですが、いろいろと締め切りがあって、今週は、それに追われるかな、という感じです。
でも、自分が落ち着く場所、があるというのはいいですね。田舎は最高です。
で、3月に出るエッセイ集の表紙のデザインを光文社さんが手がけているのですが、ぼくが日記で発表した写真で作られた表紙が、・・・どうしても気に入らなくて、それで、イラストとかどうですか? と申しでましたら、担当の平井さんが、素晴らしいイラスレーターはたくさんいるけれど、やっぱり辻さんだからですね、ご本人の絵が、・・・と言われ、長いこと行方不明で最近出てきた「コックさんのイラスト」ってのがありまして、それを送りましたら、可愛い!、ということになって、で、今朝がた、こういうデザインが出来てきたんです。早い!
しかし、・・・・・・・。

「お、いいですね」
と、思ったんですがこれは「99歳まで生きた赤ん坊」という集英社で10年くらい前に敢行された小説の中の挿絵だったので、
「どうでしょうね」
と申しあげましたところ、
「じゃあ、辻さん、新しいの描いてください」
となったんです。
平井さん、けっこう、押しが強い編集者で、たぶん、ぼくの担当の中では、もっとも押しウーマンです。妥協しないし、意思が固いし、褒めてくれませんし、あはは。
書店関係の方々とのビデオ会議があるので、動画を撮ってほしい、と言われ、いいですよ、といったら、
「ノルマンディで撮っていただくとしたらエッセイにも登場するキッチンや窓からの風景を拝見できたら受け手が内容をよりリアルにイメージ喚起できると、(中略)せっかくお住まいでの撮影ですので食生活にまつわる一部をのぞき見できたら…というと下世話ですが、笑
辻さんが愛してやまない空間の空気をおすそ分けいただけたらきっと感動しちゃいますし単純に「手に取って確かめたい」と思います」
という依頼文が届きまして、いや、ぼくね、「一人だから、そんなすごい動画とれないですよ」とお断りしてしまいました。笑。
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でも、表紙は自分の作品に関わることなので、そして、押しウーマンな平井さんが喜ぶな、と思って、じゃあ、描きましょう、と快諾しっちゃったんです。
ただ、こういうの、本業じゃないですしね、もう、さっさと描いて楽になる方がいいな、と思い、先ほど、描いてしまいました。
こんな感じです。いかがですか?一応、自画像です。にゃは。

ついに、イラストレーターデビューか、と思われそうですが、もしも、仕事のご依頼をされたい方があれば、こちらにどうぞ・・・。嘘です。嘘だよ!笑。
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今回は、平井さんとの長い付き合いで、他の出版社ではやってないので、特別ということでご内密にお願いします。仕事が殺到したら、大変なことになっちゃいますからねー、うわっはっは。
ということで、ダンチューで5年間、巻頭エッセイを書かせてもらいました、「キッチンとマルシェのあいだ」が、いよいよ、光文社から単行本として、出版されます。
担当編集者の平井さん、デザイナーの前橋さん、頑張ってください。平井さんはとっても気骨のある真面目な編集者さんなので、笑いを取り過ぎ筆が滑った点はごめんなさい。押しウーマンとして、今後も日本の文壇を押し続けてね。
とまれ、あと一息です。5年も連載をした、欧州で暮らす父ちゃんの食にまつわる、まさに、自分の家のキッチンとマルシェのあいだを行き来する人生を描いた食のエッセイ集になりますので、永久保存版的な感じで食通に届けたいですな~。
さて、今日の昼ごはんは、梅、鶏ひき肉、アーモンド、マッシュルームのパスタを作りました。うまかったです。
はい、ボナペティ!!!

※ エッセイ集「キッチンのマルシェのあいだ」は光文社から3月30日発売予定です。

※ こちらのキッチンは、自宅の、屋根裏のキッチンです。
辻仁成展覧会情報
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現在、フランス日動画廊パリでのグループ展に参加中。3月7日まで。
GALERIE NICHIDO paris
61, Faubourg Saint-Honoré
75008 Paris
Open hours: Tuesday to Saturday
from 10:30 to 13:00 – 14:00 to 19:00
Tél. : 01 42 66 62 86
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それから、8月5日から、一週間程度(予定)、三越日本橋本店特選画廊Aにて、個展を開催いたいます。
今回のタイトルは「辻仁成展、鏡花水月」です。
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そして、11月初旬から3週間程度、リヨン市で個展を開催予定しています。詳細は決まり次第、お知らせいたしますね。お愉しみに!
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そして、電子書籍で「海峡の光」が配信されております。文学の方もどうぞ。
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海峡の光 (Kindle電子書籍版)
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ええと、2023年のパリ、オランピア劇場ライブもごひいきに。
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Posted by 辻 仁成
辻 仁成
▷記事一覧Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。


