PANORAMA STORIES

父ちゃんがこっそり通うパリの穴場バール Posted on 2026/03/09 辻 仁成 作家 パリ

おつかれさまです。
昨日、日動画廊PARISでのグループ展が終わり、残った数点の作品を搬出にいってまいりました。
その後、パリにいる時には、顔を出す秘密のバールに顔を出し、カウンターで、これが、だいたいカウンターと決まっているんですが、グラスを傾けました。席をとると、なんかチップとか払わないとならないし、気を使うんですが、カウンターはほぼ立ち食いに近いので、イタリアとか、スペインの立ち飲み屋に近い感じで、気楽なひと時を過ごせますし、中のシェフたちが話してくれるから、楽しいのね・・・えへへ。

フランスのカフェにもカウンターはあるんですが、日本人はそこで食べるのはちょっと敷居が高い感じで難しいのですが、イタリア系バール、スペイン系のバルだと、周囲の人やギャルソンたちと世間話をしながら、楽しいひと時を過ごせるので超らくちんですね。自分がしょっちゅう行く店は、だれにも教えないのが、父ちゃんのルールでして、一人になりたいからです。知らない人と、何者でもない感じで、酒を酌み交わすのが、大好き・・・。

父ちゃんがこっそり通うパリの穴場バール



で、カウンターが楽しいのは、お客さんに出される料理を目の前でみて、自分が食べるのを選ぶことが出来る、という利点もあったりします。しかも、人が選んだもの、食べるものって、見ているだけで嬉しくなりません? 
父ちゃんは他人飯眺めて、ワインを飲めるタイプなんですよ。あはは。

父ちゃんがこっそり通うパリの穴場バール

これ、なんだろう、とか、思いながら、横眼でチェックして、ああ、なるほどね、とか、独り言をつぶやき、ワインを舐めてっていうのが、ちょっと日本の居酒屋風でよくないですか? そういう店がけっこう、パリにもあるんです。メディアに出ないだけで・・・。

父ちゃんがこっそり通うパリの穴場バール

どうです? この笑顔、これは僕が冗談を言って、それに料理人マダムが反応してくれているわけです。目の前でカメラ向けても、赦される距離感、素晴らしいですよね。
「美味そうだね、それ、ぼくも食べたい」
「あいよ、待ってな」
「待つよ、ゆっくりやってよ、今日、美術展が終わったので、お祝い中なんだ」
「へー、おめでとう。たくさん売れたの?」
 笑ってごまかす、父ちゃん。自慢したいけれど、さらっと交わす方がかわいらしいからね。ほぼ、大き目の作品は手元に残ってないので、成功といってもいいのかな、パリだし・・・。皆さんのおかげでワインがおいしい、とだけ、言っておきました。
「乾杯!」

父ちゃんがこっそり通うパリの穴場バール



ショートパスタのトマトソースがけ、ですが、やっぱり、美味しいね。
この店は、麺をフライパンにぶっこむところから、料理がスタートする。わんぱんで全部作っているんですよ。パスタを茹でる鍋とかないの。
そこが、立ち食いっぽくて、最高なのでした。なるほど、この作り方こんど、真似したろう。つまり、料理教室でもあるわけね・・・。
中で働く人たちの機敏な動作をみているだけで幸せな気分になる。絵を買ってくださった方たちの家に引き取られて行った子たちが、どういう壁で生きていくのかな、と思いながら、今日はプロセッコを舐めました。

父ちゃんがこっそり通うパリの穴場バール

父ちゃんがこっそり通うパリの穴場バール



父ちゃんがこっそり通うパリの穴場バール

リンゴのデザートを食べて、夜のパリへと戻った父ちゃん。いい季節になってきましたな。そのまま、野本の店にでも顔出すかな・・・。梯子酒、仕事の邪魔してやる。あはは。

はい、一つ一つ、終わっていきます。次は、夏の三越本店特選画廊での個展になりますので、来週くらい、ウェブサイトの作品を入れ替えますね。お楽しみに!!!

父ちゃんがこっそり通うパリの穴場バール



父ちゃんがこっそり通うパリの穴場バール

そして、お知らせですが、
今週、大和書房から「父ちゃんの料理教室」文庫版。
3月18日に、エッセイ集「キッチンとマルシェのあいだ」光文社。単行本。
3月30日、「対麺」
8月5日から三越日本橋本店特選画廊A全面で「辻仁成展、鏡花水月」。
9月4日、小説「泡」、集英社。
10月、パリ、アートフェア出展。
11月5日から22日まで、リヨンでの個展。会場の住所や、画廊連絡先については、また後日、ここで発表します。
11月、7か8日、パリでのライブ、予定、現在交渉中。それにあわせたツアーをしげちゃんが計画中。まもなく、発表で、限定30名。

そして、父ちゃんが校長をつとめる「帝京×パリ、オンラインアートカレッジ」のHPはこちらです。更新中です。
3月15日で、受講生、締め切りになります。

帝京×パリ・オンラインアートカレッジ



Posted by 辻 仁成

辻 仁成

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Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。