PANORAMA STORIES

父ちゃんの普段着飯、「ペペロンチーノ」 Posted on 2026/09/19 辻 仁成 作家 パリ

おつかれさまです。
週末は、楽してやすみたい。でも、なんか美味しいものを食べたい。
そういう時に便利なのが、ペペロンチーノ。
そして、父ちゃんパスタの基本は、ペペロンチーノ、です。
だいたい、ぼくが作るパスタのもとは、ペペロンチーノでして、そこからいろいろなものを足して、たとえば、カラスミをふりかけたり、チキンステーキを載せたり、ツナからめたり、して、バリエーションをだしています。
ペペロンチーノはみんな大好きなんですが、なかなか、イタリアンレストランのような味になりません。
なんでかな?
そこには、深い理由があるのでした。
今日はノーマルなペペロンチーノと、アレンジされたパパロンチーノの二つを、比較しながら、作ってみたいと思うのですが、後半に、ノーマルな作り方を書いておきますね。

父ちゃんの普段着飯、「ペペロンチーノ」

父ちゃんの普段着飯、「ペペロンチーノ」

※ この写真しかなく、掲載できませんでしたが、ニンニクの細かさはこれではまだ完全ではありません。もっと包丁でたたいて細かくすると本場に近づきます。この写真の状態でだいたい5分ぐらい微塵切りにしている感じです。もちろん、これでも十分ですが、イタリア人シェフの本当にすごい人はニンニクの塊が液状になるくらい、ギリギリまで叩いて、弱火で香りをオイルにうつします。ご参考までに・・・。一度、とことんやってみたものを実際に使われるとその違いが判りますよ。

まずは、辻家のパパロンチーノ、簡単で、ちょっとゴージャスな辻家の週末ランチの定番から、ご紹介したいと思います。
ペペロンチーノは大好きなのだけど、シンプルな料理だから、もう一品なんかほしい、といつも思ってしまうので、生ハム添えたり、ツナ缶のっけたり(缶は載せませんよ)、バケットかじったり、するのだけど、メインには少し物足りない感じがするのも事実。
そこで、育ち盛りの息子も納得、のパパロンチーノを考案しました。
二つのソースが混ざり合うと、口の中で味変がおきて、さらにおいしくなります。ダブルソースの法則ですね。
ようは、ペペロンチーノにミートボールのホワイトクリームが添えられたようなものなんですけれど、週末ランチには最適だし、美味しいから、ぜひ、やってみてね。



ミートボールは塩胡椒した牛ひき肉(牛豚合挽でもいい)を手ごねして小さなボールを作ればいいのだけど、市販の冷凍ものでも十分においしい、簡単だし・・・。
たとえばIKEAのスウェーデン・ミートボールなんかでもいい。
これをバターで玉ねぎと一緒に炒める。今回、ぼくは紫玉ねぎを使用。
火が入ったら、レモン絞って、白ワインと生クリーム適量でソースにする。これで完成。
ちょっと、置いておいて、ペペロンチーノを作りましょうね。

ペペロンチーノはいろいろと作り方があるけど、大事なのは、ニンニクを包丁で超みじん切りしたら、包丁で叩いて、叩きまくって、もう超微細にして、なんなら叩き続けるとネバッとしてくるので、そこまで執念でやるとかなーり美味くなります。
生唐辛子の種をとり、ニンニクと一緒にフライパンにオリーブオイルに浸らせゆっくり火を入れ、香りを移す。辛いのが好きな人は、種ごとやってください。イタリア人は、そのまま、使う人が多いですね。
硬めに茹でたパスタ、と絡ませる。
太目がおすすめだけど、バリラなら5番か7番(スパゲットーニ)あたりがいい。
ディチェコだと11番のスパゲッティー二か、12番のスパゲティあたりが良い。
ディチェコとバリラの大きな違いは麺の表面がつるつるもちもちしたのがバリラ、表面がざらざらしてスープを吸いやすいのがディチェコ、かなぁ。
特徴的に正反対なのですが、どちらも美味しいので料理にあわせて、使い分けるといいですね。今日はバリラの5番にしました。
もう一つ大事なのは、乳化・・・。
麺をニンニクソースと絡めた後、ゆで汁をだいたい3分の2カップくらいいれると乳化し、とろみがつく。これが決めてになります。塩胡椒で完成。

父ちゃんの普段着飯、「ペペロンチーノ」



ペペロンチーノを深皿に入れ、その脇にスペースあけて(あくまで脇にして)、そこにミートボールのホワイトクリームを添えます。
ピーモン・デスプレットとか一味とか、柚子七味などを最後にふりかける、お好みで・・・・。
食べながら、口の中で混ぜていくのがいい。こうするとなんとなくダブルソースっぽい効果が出て、たまらないのであります。
あわせる飲み物のはプロセッコなどの泡、もしくはドライの白ワインとかかな。

さて、もう一つ、普通のペペロンチーノの作り方も伝授させていただきますね。

大事なことが、2点あります。
先にも述べた通り、まず、ニンニクは10分ぐらい包丁でみじん切りし続け、というか叩かなければなりません。(できれば、できなければ、なんでもいいです。笑)
でも、これ、重要ですよ!!!
もう微塵を通り越して、粉塵を通り越して、バクテリアくらいになるまで、細かくしろと知り合いのイタリア人シェフに教えられたので、これはまねしてもらいたいです。
これが、ペペロンチーノ攻略の鍵となります。
それから最後にゆで汁を加える、の二点目。
ゆで汁を加えることで乳化現象がおき、最高のトロミが出るのだ~。

にんにくは芯をとって細かいみじん切りにし、最後はぬめりが少し出るくらい細かくするとよりおいしくなります。
これがペペロンチーノの重要なステップ。
これでもかというくらい細かくするのが美味しいペペロンのコツなんです。
次に、塩を加えた熱湯でお好みのパスタを茹でますが、塩はかなり入れますね。
これが乳化に役立つ。
表示の時間より1分短めに、するとアルデンテになりまする。
フライパンにオリーブオイルをさっとひと回し、それと塩をひとつまみ投入し、にんにくと種をとって半分に折った鷹の爪、それからお好みで、アンチョビを加え火にかける。
弱火ね。
油に香りが移るまでじっくり火を入れるべし。
まず、アルデンテに茹であがったパスタを入れます。
続いて、白ワインを加えアルコール分を飛ばす。
そこにお玉1杯の茹で汁を加え乳化させる。必要であれば塩で味を調えて完成となるのだ、おお、うまそー。
ボナペティ!

父ちゃんの普段着飯、「ペペロンチーノ」

※こちらがノーマルなペペロンチーノ。下がちょっとアレンジしたペペロンチーノ。カラスミ・ペペロンチーノ、と、海老と一緒に炒めた、海老ペペ。

父ちゃんの普段着飯、「ペペロンチーノ」

※ カラスミはチーズおろし器で、すきなだけ、どうぞ~。

父ちゃんの普段着飯、「ペペロンチーノ」



ノーマル・ペペロンチーノ、材料。
お好みのパスタ。たとえば、リングイネ、またはスパゲットーニなど。(スパゲットーニは、最近のぼくのおススメ)  200g
オリーブオイル 大さじ3
アンチョビ、  一フィレ
塩       適量
にんにく    2~3片
鷹の爪     2本
白ワイン    50cc
黒胡椒     適量

父ちゃんの普段着飯、「ペペロンチーノ」

自分流×帝京大学
帝京×パリ・オンラインアートカレッジ
辻仁成 Art Gallery

父ちゃんの普段着飯、「ペペロンチーノ」

これから、今日は市場に買い物に、いくのだ。

1,インスタでサブスクはじめています。週に一度の頻度で生配信のラジオ。コンサート情報など、父ちゃんの不意の動き、わかった時にお伝えしていきます。ご興味あるみなさん、父ちゃんのインスタから、どうぞ。
2,新刊「泡」刊行記念、インタビュー受けました。集英社オンラインから出る予定です。
3,父ちゃん率いる新バンド「歌う詩人」のファーストアルバムがディスクユニオン全店で販売されます。予約特典あり。
4,パリモダンアートフェアに出品。10月22日ー25日
5,11月5日から、リヨンで個展。
6,11月18日に、エバーマインズとパリ市内のライブハウスでライブやります。チケットは発売中。下から、どうぞ。

https://www.fnacspectacles.com/event/the-everminds-special-guest-tsuji-cafe-de-la-danse-paris-11-21732503/



Posted by 辻 仁成

辻 仁成

▷記事一覧

Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。