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日本とこんなに違う、フランス人のお米の扱い方 Posted on 2022/07/25 ルイヤール 聖子 ライター パリ

 
海外暮らしで恋しくなるもの。
色々ありますが、日本の「湯船」と「お米」はその最たるものだと思います。
フランスはバゲットの国ともあって、家庭では毎食のようにパンが出てきます。
ただ意外とお米も多くて、フランス料理にご飯が添えられることは少なからずあります。

そんなお米の立ち位置は、フランスではあくまでも「付け合わせ」となるでしょうか。
こちらでご飯は副菜・おかずのポジションなので、肉や魚などメイン料理の横にちょんと登場したりするのです。(バゲットはここでも必ず付いてきます)
準備の仕方も我々とはまったく異なります。
では、フランスではお米をどのように扱っているのでしょう?私がショックを受けてしまった、その内容をご紹介します。
 



日本とこんなに違う、フランス人のお米の扱い方

 
フランスで売られているお米は、実に種類が豊富です。
長粒米(riz long)の細長い形をしたものが主流ですが、欧州産の丸粒米(riz rond)も結構多いです。
付け合わせで食べるのは長粒米の方で、日本米に近い丸粒米はリ・オ・レなどのデザートに用いられることが多い。
私はこの時点で不服なのですが、フランス人はパサッとした長粒米を好む傾向があるようですね。
 

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日本とこんなに違う、フランス人のお米の扱い方

 
続いて調理の仕方です。
これには思わず横やりを入れたくなるほどでした。
まず、彼らはお米を炊くのではなく、パスタのように茹でます。
お米を洗ったり、浸したりすることはありません。
良い感じに芯が柔らかくなったら、その後ザルに移して汁気をしっかり切ります。
炊飯器はある家庭とない家庭があって、ない家庭は鍋で茹でています。
繰り返すようですが、イメージはとことん「茹でる」です。
こうして茹でることで粘り気がなくなり、サラサラなご飯が出来上がるというわけです。
 

日本とこんなに違う、フランス人のお米の扱い方

 
なぜサラサラにするかというと、粘り気のあるご飯が苦手なフランス人が多いためです。
日本食レストランではそういうご飯が食べられても、家庭ではちょっと違うようですね。
特に年配の方はクラシックな食の好みをされていますので、ふっくらご飯は一度も食べたことがない、という方もいます。
またフランスでは、おばあちゃんの知恵として「お腹を下したら粘りのあるご飯を食べろ」というのがあります。
これは粘りが整腸作用をもたらしてくれる、とのことですが、私はこれを仏家族に言われた時「それなら日本人全員が便秘になっている!」と思わず反撃してしまいました。
 



日本とこんなに違う、フランス人のお米の扱い方

 
食べ方も衝撃的です。
サラサラご飯には、汁を絶対にかけないと食べられないのだそうです。
たとえば、フランス家庭料理の定番「トマト・ファルシ」(トマトにひき肉を詰めた料理)や「ブランケット・ド・ヴォ―」(子牛のクリーム煮)には、付け合わせにご飯が出てくることが多いです。
 

日本とこんなに違う、フランス人のお米の扱い方

 
フランス人は、ご飯をご飯のまま食べることはなく、これらすべてのソースをお米にからめて、フォークとナイフで器用に食べるのです。
もちろん日本にも“つゆだくの牛丼”という技はあるのですが、毎度汁をかけて白飯を食す人はいないと思います。
サラサラ・パサパサのご飯に汁をかけて、おかずとして食べる。
バゲットはご飯メニューにもパスタメニューにも絶対に欠かさない…というのがフランス流です。
 



日本とこんなに違う、フランス人のお米の扱い方

 
それから夏の時期はライス・サラダも頻繁に登場します。
リ・オ・レを含む、これらフランスのお米のレシピには複雑な気持ちを隠せません。
ただ逆を言うと、バゲットやワインをアレンジすればフランス人は烈火のごとく怒ります。(たとえばシャンパンに氷を入れるなどです)

フランス人とお米VSバゲットの議論をすることで、「自分たちが一番大切に思うものは何か?」と気づくきっかけにもなりました。
ということで、西欧のお米はアレンジに向いていると思います。
長粒米は炒飯やリゾット、パエリアなどに。
日本らしい白米を食べたい時はパリのアジア食材屋さんで購入。
というように、工夫を凝らしながらフランスのお米と向き合っています。
 

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Posted by ルイヤール 聖子

ルイヤール 聖子

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2018年渡仏。パリのディープな情報を発信。
猫と香りとアルザスの白ワインが好き。