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本場のボロネーゼ、タリアテッレ・アル・ラグー Posted on 2023/07/31 荒川 はるか イタリア語通訳・日本語教師 イタリア・ボローニャ

本場のボロネーゼ、タリアテッレ・アル・ラグー

日本や様々な国で「ボロネーゼ」の名で知られるボローニャ風ミートソース、イタリアでは「ラグー・アッラ・ボロニェーゼ」と呼ぶ。

そしてボローニャでは「ラグー」といえば自ずとボローニャ風を指す、この地域の代表的な家庭料理。

ボローニャの人々にとってはホッとするおふくろの味で、今でも多くの家庭で週末などに、時間をかけてお鍋いっぱいのラグーを煮込む。その間に卵入りのパスタを打ち、平打ちのタリアテッレを用意する。
郷土料理のお店でも欠かせないメニューだ。



本場のボロネーゼ、タリアテッレ・アル・ラグー

さて、注目して欲しいのはラグーとパスタの組み合わせ。

パスタを愛する多くの外国人がスパゲッティ・ボロネーゼを求めてボローニャにやって来る。
が、地元の人にお薦めの店を聞いても「ボローニャにそんなメニューはないよ。」と答えが返ってくるはず。
そう、ここではスパゲッティとの組み合わせはタブーなのだ。
本場ではラグーはタリアテッレに絡めていただくのが定番。

これこそ「食」にうるさいボローニャ人が世界に誇る黄金の組み合わせと言うわけ。
15年程前に初めてボローニャの斜塔にのぼって、眼下の町並みを見下ろした時に思ったことがある。
「あっ、タリアテッレ・アル・ラグーと同じ色だ。」

つまらない思いつきだが、偶然のようで必然な気がしてならない。
赤茶と黄色の色合わせ、それが住居なら温もりを感じるし、料理なら思わずのどが鳴る。

本場のボロネーゼ、タリアテッレ・アル・ラグー



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本場のボロネーゼ、タリアテッレ・アル・ラグー

ラグーは家庭料理なだけに、家族やお店ごとに少しずつ味や食感が違うのが特徴だ。

挽肉は合挽きを使ったり、ベーコンを入れたり、挽き加減にこだわる人もいる。
バターを使うか、オリーブオイルか、トマトはホールかペーストか。赤ワインで煮込むか白ワインかでも分かれるし、赤でも絶対にランブルスコ(微発泡の赤ワイン)というこだわり派もいる。
煮込み時間も2時間だったり、5時間だったり。

初めてボローニャっ子に自分が作ったラグーを食べてもらった時は緊張したが、その壁もクリアした。
手作りであることを良しとしてくれるのか、日本人の私が作ったラグーも笑顔でペロッとたいらげてもらえた。

本場のボロネーゼ、タリアテッレ・アル・ラグー

タリアテッレは幅8ミリが正式なサイズだそう。
個人的には薄めのものが好みで、目指すのはトラットリア・アンナマリアの薄いのにしっかりとした歯ごたえのパスタ。打ちたての生パスタを使うのが理想だが、家では乾燥タリアテッレでも悪くない。
それも地元の人々の間ではメーカーによって賛否両論あるわけだが。

シンプルそうで奥が深いタリアテッレ・アル・ラグー。ボローニャへ来ることがあれば是非、食べ比べを。
そして、黄金の組み合わせを皆さんも再現してみては? 
焦らずじっくりと愛情を込めて煮込めば、期待を裏切らないラグー・アッラ・ボロニェーゼができるはず。
あとはタリアテッレに任せて。



本場のボロネーゼ、タリアテッレ・アル・ラグー

我が家のタリアテッレ・アル・ラグーのレシピはこちら。

<ラグー>
材料 約10人分
・ 牛挽き肉 700g (脂身が多いもの。または200gを豚バラ肉のみじん切りで代用) 
・ オリーブオイル  大さじ3
・ 玉ねぎ みじん切り 大1個 
・ 人参 みじん切り 大1本
・ セロリ みじん切り 1〜2本
・ トマトピューレ 400g
・ 白ワイン 100cc
・ 塩コショウ 適量

作り方
① 大きい厚手の鍋にオリーブオイル、(バラ肉みじん切り)、玉ねぎ、にんじん、セロリを入れ、弱火で野菜がしんなりするまで時間をかけて炒める。焦らず根気よく炒めることで野菜の甘みを引き出す。
② 挽肉を加えて、中弱火で野菜を焦がさないように混ぜながら肉に火が通るまで炒める。
③ 白ワインを加えて、中火で混ぜながら水分を蒸発させる。
④ トマトピューレを加え、時々木べらで混ぜながら弱火で約2時間煮込み、塩こしょうで味をつける。水分はほとんど残らず、肉に旨味が染み込んだラグーの完成。
約10人分なので、残りは小分けして冷凍庫へ。
ラグーを煮込む間にタリアテッレを打つ。わりと簡単なので是非お試しあれ。

<タリアテッレ>
材料 4人分
・ 小麦粉  約300g +適量
・ 卵 3個

作り方
① 台に小麦粉を山状に置き、くぼみを作り、くぼみに卵を割り入れる。
② フォークで卵をつぶしながら、少しずつまわりの小麦粉と混ぜ合わせる。
③ 両手を使って生地が均一になるようにまとめ、手のひらを使って10分ほど生地がなめらかになるまでこねる。
(ホームベーカリーなどこね機能があれば、ここまでは機械で)
④ 生地を丸くして、ラップで包み、15分ほど寝かせる。
⑤ 台に打ち粉をして、麺棒で手早く伸ばす。生地を半分にカットして、2回に分けて伸ばすとやりやすい。
⑥ 生地が薄くなったら、打ち粉をふって筒状に巻き、包丁で8ミリ幅に切る。
⑦ カットしたパスタを広げ、数本ずつにまとめておく。
⑧ 塩を入れたたっぷりのお湯で3〜4分茹でる。

茹で上がったパスタはお湯をきったら一度鍋に戻して、鍋でラグーと和えてからお皿に盛るのがボローニャ風。パルミジャーノ・レッジャーノをたっぷりかけてどうぞ。

Photography by Maurizio Fantini
 
 

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Posted by 荒川 はるか

荒川 はるか

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Haruka Arakawa
イタリア語通訳・日本語教師。東京生まれ。大学卒業後、イタリア、ボローニャに渡る。2000年よりイタリアで欧州車輸出会社、スポーツエージェンシー、二輪部品製造会社に通訳として勤める。その後、それまでの経験を生かしフリーランスで日伊企業間の会議通訳、自治体交流、文化事業など、幅広い分野の通訳に従事する。2015年には板橋区とボローニャの友好都市協定10周年の文化・産業交流の通訳を務める。2010年にはボローニャ大学外国語学部を卒業。同年より同学部にて日本語教師も務めている。