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日本とこんなに違う、フランスの日焼けに対する価値観 Posted on 2022/05/08 ルイヤール 聖子 ライター パリ

紫外線が気になる季節になりました。
夏のフランスは湿度が低くカラッとしていますが、陽射しは大変強く、直射日光を浴びていると肌が焦げてしまいそうになります。
ところがフランス人は男性も女性も、おじいちゃんもおばあちゃんも、大喜びで外出し肌をさらけ出しています。
この「太陽を求める」習慣は、フランス人に限らず欧州のほとんどの人に共通するのではないでしょうか。

一方、日本では紫外線は大敵です。私も日本にいた頃は長らく日焼けを避けており、「肌が白ければ白いほど良い」という祖母・母からの教えに従っていました。
しかし私は勉強不足でした。これほどフランス人が日焼け好きとは知らず、「日焼け対策も日本とそれほど変わらないだろう」と、軽い気持ちで渡仏したのです。

まず初めに気づいたのは、日傘をさす人が皆無であることです。
フランスで日傘をさそうものなら、「とっても変な人」として見られるでしょう。日光を浴びたいのですから、わざわざそれを避ける日傘は必要ありません。
今でこそ必需品となりましたが、コロナ前のマスクも同様、着ければ「とっても変な人」の扱いでした。

日本とこんなに違う、フランスの日焼けに対する価値観

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それから日焼け止めも日本とちょっと違います。
フランスはクリーム文化なので、日焼け止めもかなりこってりとしたテクスチャーです。
これに関しては今でも、日本のさっぱりとしたジェル状の日焼け止めを恋しく思っています。服にペタっとくっつくこともなく、快適さを重視した日本の日焼け止めは世界的に見ても優秀なのではないでしょうか。
逆にフランスで日本より多いと感じたのは、綺麗に焼くためのサンオイルです。
どちらも需要はあるようですが、最終的に目指すのは「輝くブロンズ肌」で間違いないと思います。

ということで、渡仏したての頃の私は、慣れない日焼け止めを使い、日陰から日陰へとぴょんぴょん移るようにパリを歩いていました。
いつまでもそんなことはやっていられませんから、私は次第に「なぜフランス人がここまで太陽を求めるのか?」を考えるようになりました。
その答えは大きく二つあります。

日本とこんなに違う、フランスの日焼けに対する価値観



第一に、フランス人のビタミンD不足問題です。フランスでは年間の日照時間が短く、人々は慢性的なビタミンD不足に陥ってしまいます。これが欠乏すると骨が弱くなったり、気持ちも落ち込みやすくなるということで、病院でビタミンDのアンプルを処方される人は少なくありません。
夏場の日光浴はビタミンチャージも兼ねている、という納得の答えがありました。

もう一つは、フランスでは女性でも男性でもブロンズ肌の方が「セクシー」と言われていることです。水着の跡なんかがあればさらにグッド◎!!なのだとか。
特にセクシーでいることはこの国のパワーワードであるため、太陽好きというのにも合点がいきます。
逆に色白だとバカンスに行けていない証拠で、バカンスに行けない=良い暮らしをしていない、といった見方もされるようです。
そのため日焼けしていればしているほど、フランス人たちから褒められるのです。

ただ、肌へのダメージは避けられません。日焼け後に待っているのはシミとシワです。
しかしフランス女性はそれをも「私らしさ」と捉えているようです。
気にするのは、シミとシワの数(白髪も)ではなく、圧倒的に「表情」。
表情から、その人のキャラクターを推し量っているような場面にはよく出会いますし、写真も絶対に笑顔です。
私が考え事をしておでこにシワを寄せている時も、フランス家族から言われるのは、「シワが増えるよ!」ではなく「はい、笑顔!」なのです。

日本とこんなに違う、フランスの日焼けに対する価値観



渡仏して4年経った今の私は、日除けに対してすっかり無防備になりました。
ダメージが加わった肌を、フランス女性のように「私らしい」と思えるまでには至っていませんが、「まあいいか」と流せるようになりました。これも、こちらの文化の影響を大いに受けているのだと思います。
神経質でいることは、ラテンなフランスに似合わないようですね。
またフランスのスキンケア方法なども日本とまったく異なりますので、次回ご紹介できれば、と思っています。

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Posted by ルイヤール 聖子

ルイヤール 聖子

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都内の調香学校でフレグランスデザインを学ぶ。香水の分析、嗅覚へのアプローチを中心に執筆中。