PANORAMA STORIES

「ホームパーティ、父ちゃんならこんな風にゲストを喜ばせるのだ!」 Posted on 2023/04/19 辻 仁成 作家 パリ

友だちを招きたい、招くからには喜んでもらいたい。
こう思う人は多いはずである。
そこで、お招きの達人、父ちゃんが、今日はホームパーティ術について、お話をしたいのであーる。
えへん。
まず、買い出しから、お招きはスタートするのじゃ。
その季節の旬の食材と相談をしながら、メニューを考えるのが父ちゃんスタイル。
マルシェはスーパーと違い、新鮮なものが揃うので、ただし、何が並ぶかわからないのが難点だが、そこで軒先を覗いてから献立を決めていくことは大事・・・。
やはり、今しか食べられないものに、人は、心を動かされるからだ。
NHKの「パリごはん」もディレクターさんらは、毎回、旬の食材で料理してください、とうるさい。義和Dである。
でも、それは視聴者さんの希望でもある。同じく、ホームパーティをやるなら、招く人の心を揺さぶる食材を使うのが、まずは、成功の鍵になるのであーる。
よっしゃ!
フランスなので、マルシェに行こう。
意外なものに出会えるかもしれない!

「ホームパーティ、父ちゃんならこんな風にゲストを喜ばせるのだ!」

「ホームパーティ、父ちゃんならこんな風にゲストを喜ばせるのだ!」

「ホームパーティ、父ちゃんならこんな風にゲストを喜ばせるのだ!」

※田舎のマルシェのチーズ屋さん、チーズに見えないでしょ? 車輪のようなものがすべて、チーズなのである。これを切り分けて量り売りするのだ。かっけー。



朝、一番にマルシェに行くと、魚屋が軒を連ねていた。
ホタテはそろそろ終わりが近づいてきたが、とりあえず、まだ禁漁になっていないので、旬といえば、旬なのである。
フランスでは5月15日から9月末までホタテが禁漁となる。(国が禁漁の期間をきっちり決めている。貝の直系が11センチ以下は解禁になっても獲っていけない)
よし、ホタテにしよう!!!
鯛のカルパッチョにしようと思っていたけれど、当初の計画はあっさり変更、・・・ホタテのカルパッチョに決めた。これが、しっとり、最高なのである。
フランス人はホタテがみんな大好き。
みんなが好きな旬な食材を探すのが下ごしらえの第一歩なのである。
北海道に住んでいたことのある父ちゃん、ホタテにはうるさい。しかし、北海道に負けないくらいに、ノルマンディのは美味い!!!
ということで2キロのホタテを買った。
どうやって食べるか、ちょっと悩んでいるが、まずは、殻をこじ開け、ヒモなどを除去し、貝柱をオイルにつける。
そうすると、ねっとりとした触感の美味しいホタテの刺身が出来るのだ。
いひひ。

「ホームパーティ、父ちゃんならこんな風にゲストを喜ばせるのだ!」

「ホームパーティ、父ちゃんならこんな風にゲストを喜ばせるのだ!」

※、じゅるー、美味そう!!!!

「ホームパーティ、父ちゃんならこんな風にゲストを喜ばせるのだ!」



ホタテの横に、鯖が並んでいた。
鯖もサヴァーなタイミングなのである。
こっちの鯖の売り方が面白い。クラッシュアイスの中に頭から突き刺して、立たせて売っている。
鯖の棒!!!(写真を撮り忘れました)
その光景を眺めつつ、サっと頭を過ったのが、焼き鯖寿司であった。
どこの家庭にも、冷蔵庫には、だいたいガリがある。
美味しい寿司酢もある、よし、鯖の棒寿司でいこう。
鯖の内臓を取り出し、オーブンでじっくり火をいれ、ガリをしゃりとの間に挟む。
前日に仕込んでおくと、鯖の味が染みてうまくなるのだ。
今夜、仕込んでしまえば、明日はゆっくり起きることが出来るし、慌てないで済む。二尾、買っとこう!
焼き鯖寿司は残っても、翌日も食べられるから、なお、都合がいい。いひひ。

「ホームパーティ、父ちゃんならこんな風にゲストを喜ばせるのだ!」

「ホームパーティ、父ちゃんならこんな風にゲストを喜ばせるのだ!」



それから、ついでに牡蠣も買った。
得意の牡蠣パスタにしよう。
今夜、牡蠣をむいて、身を、オイル漬けにしておくのだ。
そうすれば、明日の作業の手間が省ける、というものだ。
牡蠣の和風オイルパスタの作り方だが、軽くフライパンで火を入れ、オイルに唐辛子&ニンニクと一緒に漬け込んで、あとはパスタと炒めるだけ・・・。これがシンプルで、めっちゃ、美味いのであーる。
父ちゃんの自慢料理の一つであーる。
ともかく、全て、前日仕込みが出来るものばかりになった。これさえ仕込んでおけば、勝ったも、同然!!! ←誰に???
当日、ゲストを退屈させることもない。いひひ。
こうやって、自分を鼓舞し、ゲストが喜ぶ顔を想像しながら、下ごしらえをするのが最高なのである。

ホームパーティ、前日にある程度、仕込んでおくと、当日は余裕をもって挑むことが出来るというお話でありました。
ぜひ、父ちゃんの料理を真似て、旬のごはんを皆さんでつついてくださいませ。
ボナペティ!!!!!

「ホームパーティ、父ちゃんならこんな風にゲストを喜ばせるのだ!」

※塩水で洗うことが大事。汚れが出てくるのである・・・。

「ホームパーティ、父ちゃんならこんな風にゲストを喜ばせるのだ!」

「ホームパーティ、父ちゃんならこんな風にゲストを喜ばせるのだ!」





地球カレッジ

「ホームパーティ、父ちゃんならこんな風にゲストを喜ばせるのだ!」

5月29日、オランピア劇場、近づいてまいりました。フランス国内、もしくは周辺国にお住まいの皆さん、ぜひ、遊びに来てください。日本からは遠いですから、来ていただきたいですが、時間がせまってきましたから、ご無理はさせられません・・・。無理のない範囲でお願いします。あ、席は絶対売り切れませんので、当日券山ほどあり、ご心配なく・・・。
席のご予約はオランピア劇場のサイトから、どうぞ。

https://www.olympiahall.com/evenements/tsuji/

もしも、日本から行きたいけど、不安という皆さんには、JALパック・パリさんが協力いたしますので、こちらをクリックください。現在、日本から50名くらいの方が来るだろうという予測です。本当に、大変なところありがとう。必ず、いいステージにしますね。約束!!!

https://www.jalpak.fr/optionaltour/tsujiconcert/
ついでに、父ちゃんのニューアルバム「ジャパニーズソウルマン」、お好きな音楽プラットホームから選ぶことが出来ますので、聞いてみてくださいね。

https://linkco.re/2beHy0ru

自分流×帝京大学

Posted by 辻 仁成

辻 仁成

▷記事一覧

Hitonari Tsuji
作家。パリ在住。1989年に「ピアニシモ」ですばる文学賞を受賞、1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。ミュージシャン、映画監督、演出家など文学以外の分野にも幅広く活動。Design Stories主宰。