PANORAMA STORIES

濃い焼きなすのごまだれそうめん Posted on 2025/07/25 KAORU フードアーティスト 

濃い焼きなすのごまだれそうめん

夏の気配がして、スーパーのなすが元気そうにパンパンになった姿をみると作り始めるお料理が、濃い焼きなすのごまだれそうめん。夏の間に20回以上は作っていると思う。元々焼きなすとすりごまを合わせたつけ汁で食べるそうめんお料理をよく出していたのだけれど、つゆに残るすりごまがもったいないなと思ったことと、お蕎麦のごまだれつゆが大好きなので、焼きなすとごまだれを合体させちゃおう!とある時思いついたのがこのお料理の誕生のきっかけだ。

TSUJI VILLE

濃い焼きなすのごまだれそうめん

思いついたのと同時に、そういえば中東のどこかのお料理に似たお料理があったことを思い出した。焼きなすとタヒニ(ねりごまの一種)、スパイスやハーブを混ぜ合わせてディップにするお料理。ああ、あれくらい濃厚なタレにしたいな、と思った。もしかしたら脳裏にはあのお料理のことが浮かんでいたのかもしれない。
大量の焼きなすとねりごま、調味料をミキサーでがーっと混ぜ合わせて初めて食べた時、これはすごいものを作ってしまった!と感動したのを覚えている。一発で味がほぼ決まったのだが、あまりに濃厚なので途中でキレのようなものを入れたくなる味だった。そこで生姜のすりおろしを加えたところどこに出しても恥ずかしくないパーフェクトなタレに仕上がったのだ。

濃い焼きなすのごまだれそうめん

濃い焼きなすのごまだれそうめん

お好みでシソの細切りをパラパラとしながら食べるのもいいし、わたしは食べながらさらに「追い生姜」をするのが好きだ。
焼きなすは、皮がパリパリの真っ黒になって、そしてフォークで穴を開けたところから甘そうな汁がじわじわと出てくるまでじっくりじっくりと焼く。もういいかなと思ってからさらに5分くらい焼くくらいでちょうどいい。蜜のような汁が見えてきたら完璧。



濃い焼きなすのごまだれそうめん

濃い焼きなすのごまだれそうめん

濃い焼きなすのごまだれそうめん

濃い焼きなすのごまだれそうめん

皮をむくと実に焦げあとがついているのが理想的。その香ばしさがこのタレの醍醐味だ。
ねりごまはできれば質のいいものを使いたい。味に大きく影響するので。

濃い焼きなすのごまだれそうめん

濃い焼きなすのごまだれそうめん

タレの元は面倒くさければ市販のつゆで代用してもいい。合わせる麺は、半田麺がおすすめ。おそうめんの中では太めでもちもちしているのが特徴だ。パスタでいったらリングイネといったところだろうか。

濃い焼きなすのごまだれそうめん

濃厚ななすのタレをうまく拾って絡んでくれる。濃厚すぎる方は水でお好みの濃度まで水で薄めてどうぞ。
タレが美味しすぎて、みんな麺にたっぷりつけて食べてくれるので麺より先にタレが無くなってしまう現象が必ず起きるので、覚悟あれ。



濃い焼きなすのごまだれそうめん

濃い焼きなすのごまだれそうめん

濃い焼きなすのごまだれそうめん

<材料 3〜4人分>
なす 900g
ねりごま 大さじ2
薄口醤油 小さじ4
みりん 大さじ1
きび糖 小さじ1
塩 小さじ1/2
生姜のすりおろし 10g
すりごま 小さじ1〜2
しそ 適量

<作り方>
1. なすをフォークで10箇所くらい刺して、魚焼き器やオーブントースターなどでじっくり焼いたら熱いうちに皮を剥く
2. ミキサー(またはブレンダー)で1を攪拌する。なすの固形物がやや残っているくらいで一旦止め、1/3量を取り出す。
3. その他の材料を全てミキサーに加え滑らかになるまでよく混ぜ合わせる
4. 3に2を加えてよく混ぜ合わせたら容器に移し冷蔵庫でよく冷やす
5. 器に盛り付け、すりごまをふって茹でて氷水でしめたそうめんをつけながらいただく。お好みで生姜のすりおろしや刻んだしそをトッピングする

自分流×帝京大学

Posted by KAORU

フードスタイリスト/ディレクター、レシピ開発者、雑誌「七味」編集長。企業やブランドなどのレシピ制作のほか、連載コラムの執筆、ファッションブランドとのコラボレーション、国内外での個展開催など、アーティストとしても幅広く活動している。