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美食の街ディジョンからお届け、風味豊かなマスタード! Posted on 2023/07/17 ルイヤール 聖子 ライター パリ

 
フランス料理、影の立役者であるマスタード。
その消費量の多さ、登場回数の多さには驚かされるばかりで、一人当たりの消費量は年間平均で1kgにもなるそうです。
伝統的な肉料理はもちろん、ソーセージやフライドポテト、白身魚のホイル焼きetc…と、さまざまなフランス料理に添えられるマスタードは、フランス中部の街・Dijon(ディジョン)のものが大変に有名です。
 

美食の街ディジョンからお届け、風味豊かなマスタード!

 
ディジョンはブルゴーニュ地方の首都でもあります。
ブルゴーニュワインで有名な、あのブルゴーニュです!
ちなみにエスカルゴやブフ・ブルギニヨン(牛肉の赤ワイン煮込み)などもブルゴーニュ地方の名物だそうで、中心のディジョンはフランスでも屈指の「美食の街」だと言われています。
 

美食の街ディジョンからお届け、風味豊かなマスタード!

※ディジョンの街並みも味わい深く、風情たっぷりのビストロがたくさんありました。



 
中心部から少し離れると、牧歌的な風景が広がります。
森、草原が本当に多く、空気は甘くて美味しい。
人々もおおらかで寛容で、外部の人を優しく受け入れる懐の深さを感じました。
さて、そんな素敵な大地で育ったマスタード・シードは、中世にはすでにディジョンの特産物となっていたそうです。
もともと森が多く、そして石灰質を多く含む土壌がマスタード・シードの栽培に適していたからだと現地の人に聞きました。
しかし時代は流れ、今では種子のほとんどをカナダから輸入しているそうです。
それでもブルゴーニュ地方では自治体と生産者らが協力して、マスタード・シードの再栽培に力を尽くしている最中だと伺いました。
 

美食の街ディジョンからお届け、風味豊かなマスタード!

 
フランスのスーパーで見かけるのは、普通のマスタードか粒マスタードのどちらかであることが多いのですが、ディジョンに来るとそのカラフルさにまた驚かされます。
それも並々ならぬカラフルさで、日本の柚子風味や抹茶風味といった驚愕のマスタードもラインナップにありました。
 

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美食の街ディジョンからお届け、風味豊かなマスタード!

※ブルゴーニュ地方を代表するブドウ品種、ピノノワールが入ったマスタード。

美食の街ディジョンからお届け、風味豊かなマスタード!

※薔薇と黒コショウのマスタード。他、カシス風味のマスタードもありました。



 
日本でも有名なマイユ(Maille)社と双璧をなすのが、フランス・ファロ(Fallo)社のマスタードです。
(ファロ社はブルゴーニュ地方に残る、最後の家族経営マスタードメゾンであるそうです)
ディジョンの中心部にはファロ社の直売店があって、店内には自由で楽しいマスタードのテイスティング・スペースも!
 

美食の街ディジョンからお届け、風味豊かなマスタード!

 
マスタードにはピリッと辛いイメージがあります。
ところがディジョンのものは一般的なマスタードよりもまろやかで上品なお味で、舌触りがとってもスムーズでした。
テイスティングで舌にのせれば、そのマイルドな味にびっくり仰天。
ひよこ色の明るいカラーも特徴的でした。
 

美食の街ディジョンからお届け、風味豊かなマスタード!

※実際のマスタード作りに使われている石臼の展示も。



美食の街ディジョンからお届け、風味豊かなマスタード!

 
またフランスには、肉・魚料理に添えるだけでなく、マスタードを「マリネ」した料理もたくさんあります。
たとえば写真のブロシェット(串焼き)は、鶏肉に粒マスタードをじっくりマリネしたもの。
バーベキュー用として焼くだけでOK!の便利なブロシェットですが、ディジョンで売られているものはまったく辛くなくて、上品でまろやかなお味がしました。
 

美食の街ディジョンからお届け、風味豊かなマスタード!

※こうしていろいろな料理に登場するフランスのマスタードは、「名脇役」と言えるほどの立ち位置です。

美食の街ディジョンからお届け、風味豊かなマスタード!

 
ゆったりとした時間の中で、甘い空気の中で、大人が深く楽しめる街ディジョン。
美味しいワインと素晴らしいマスタードを擁すこの場所には、世界中からワイン通や美食家たちが集まります。
こちらではパリや南仏とはまた違った、素敵な大人時間を過ごせることでしょう。
 

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Posted by ルイヤール 聖子

ルイヤール 聖子

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2018年渡仏。パリのディープな情報を発信。
猫と香りとアルザスの白ワインが好き。