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雨天曇天Melbourne 「ロックダウンde崖っぷち!」 Posted on 2020/04/21 ムラカミ ネハン 漫画家 メルボルン

雨天曇天Melbourne 「ロックダウンde崖っぷち!」

「ロックダウンde崖っぷち!」

皆様こんにちは!
日本人パートナーと2歳半boyとヌコ2匹とメルボルンで暮らしているムラカミネハンdeath!
ホントは前回(出産〜入院編)の記事の後、のほほんと続きを書いていたんですが、コロナ騒動のおかげでそれどころではなくなってしまい、これはもう取って出しのホヤホヤのヤバみを今書かねば!となり、ここ最近のメルボルンの急激な変化についてお届けすることにしましたYO!

今となっては年末から年明けにかけてのブッシュファイア(山火事)騒動で、環境や健康への影響を心配していたのがまるでロング・ロング・タイム・アゴー…。

やっと2月にブッシュファイアが収まって、中国や日本でのコロナウィルスのニュースなんて対岸のファイアだわ〜なんて思っていたのが嘘のように、この3週間で状況が激変し、あれよあれよとメルボルンもロックダウン(ステージ3。ちなみにお隣のニュージーランドは最高警戒のステージ4)となり、引きこもりライフに突入。

雨天曇天Melbourne 「ロックダウンde崖っぷち!」




まあもともとがスーパーインドアエンジョイ型の私にとっては日常がロックダウンみたいなもんだったので(食料さえあれば1週間外出しなくても全然平気)それはいいんですけど、「第二子妊娠中&予定日coming soon☆ (来週公開予定)」なので、全ての予定が狂いまクリスティーナ・アギレラで毎日気を揉みまクリスチャン・ディオール(しつこい)です。

ちなみに私の「出産にまつわるmyぬるま湯プランからの怒涛の変更フロー」は以下↓

①出産から産後にかけて2ヶ月近くマイ・マザーがお世話に来てくれるフロム・ジャパン
観光ビザでの渡航禁止
→とてもじゃないけど高齢出産(42years oldなう)の産後に2歳児アクティブboyと新生児babyの世話を一人でできる気がしない
→せめてもと2歳児boyの世話をしてもらうために日本人のベビーシッターを頼む
→シッターさんが同居する大家から通いのシッターを反対されキャンセルに(涙)※1
→慌ててchild care(保育園)をあちこち探すも、コロナ騒動でどこも新規の受け入れ不可
→近所でなんとかfamily day care(保育士一人が自宅で少人数を見てくれる保育園縮小版)を見つける

②もともと永住権持ってないから出産関係費はほぼ全額負担&有給扱いで産休が取れない出産ビンボー
→でも産後は親も来てくれるし、その間に仕事復帰して、2ヶ月後には乳児も預けてバリバリ仕事して稼ぐぜ☆
→ロックダウンで日本語教師の仕事が完全リモートワークになり復帰の目処ナッシング(乳飲み子抱えての在宅仕事isインポッシボー※2)
→でも長男の保育費は結構な金額(週3日で一ヶ月の総額$1,500、日本円にして10万強。これも永住権がないので政府の補助金ゼロゼロ・ワンダフル)
→それでなくても出産ビンボーなのに更なるファイナンシャル・クライシス☆

…と、ざっくりこんな感じなのですが、所々補足。

※1 なぜにシッターさんは大家に反対されたのか?
お願いする予定だったシッターさんは特に保育の資格者とかでは無い普通の顔見知りの学生さん。
その彼女に大家さんが「ロックダウン下では有資格者じゃないのにシッターなんて行けない、バレたら罰金だ」と言ってきたとのこと。でも政府のサイトを見ても「必要な外出」の中に「病気の家族や妊娠中の友達のお見舞い」は含まれてたので、そのリンクを送ったけれども、結局はダメだの一点張りだったらしく、キャンセルに…。多分罰金云々というよりは、彼女の外出による感染を恐れてのことだったんだろうとは思うけど、調べもせずに根も葉もない言いがかりをつけてくることにびっくりラクリマ・クリスティー

※2子どもを預けるのになぜに在宅ワークisインポッシボーなのか?
そもそも我が家の働き方は、「夫婦どちらかが休みの時に片方が働き、片方が子供の世話をする」というスタイル。というのも、お互いサービス業で基本は午後〜夜メインで働いてるため、昼間子どもを預けてるだけではそれをカバーしきれないという…ヨヨヨ…。(あと乳児は通常生後半年経たないと公的保育は受けられない)

雨天曇天Melbourne 「ロックダウンde崖っぷち!」

ちなみによくいろんな場所で日本との引き合いに出される「海外では政府からの補助金やら補償金がめっちゃあってスゴイ!だから国民もロックダウンに耐えられる!日本も見習うべき!」みたいなのあるじゃないですか?

もちろんここオーストラリア(といっても州によってビミョーに補償も違ったりはするんですが)もロックダウンから毎週のように新しい補償が発表されてるんですよね。ものによっては一切働かなくても月に$3,000(日本円で20万)とかもらえるわけですよ!夢のような話☆
しかも最近になって「全家族対象で保育費無料!」とかも発表され、「えっじゃあデイケア行かせることにしたの大正解じゃん??1,500ドルがタダとか超ラッキー!」ってそりゃもう血湧き肉踊りましたYONE!

で、私は普段は英語苦手の看板を高々と掲げているんですけど、さすがに今回は自分もどれか対象になるんじゃないかって必死で調べたわけですわ。なんせファイナンシャルクライシスですから。マジ血眼で。臨月なうなのに寝るのも惜しんで

しかし、結局はどうやら一時滞在ビザの自分が当てはまりそうなのは「アーリー・アクセス・スーパー」という一時代前の戦隊モノのような名前のアクセス権のみであることが判明。
このアクセス権は簡単に言えば、「勤め先が給与に応じて積み立ててくれてた個人年金を今なら条件付きではあるけど最大1万ドル引き出せるよ〜」っていうだけの話で、政府から棚ボタ的にゲットできるお金ではなかったんですよねよねよね…。
まあいくら税金納めてるからって、永住権の無い人間はそれなりの扱いしか受けられないってことですよねよねよね…。もちろんそれだって現金が手に入らないよりは手に入ったほうがいいので、ソッコー申し込み手続き始めましたけれども。しかしそれがいつ自分の手もとにやってくるかは今のところ謎。手に汗握るぜ…。

あとはダメ元で不動産屋と家賃交渉もしてみましたが、「今だけお値段据え置き!はできるけど、最終的にはその分はツケにするだけで満額払ってもらいまっせ〜」という返事。家賃交渉がうまくいった!という話もチラホラ耳にしてたので、これも期待してたけど、空振りにてジ・エンド。

そんなこんなで、とりあえずまだダンナシは仕事に行けてる状態なので、なんとか年金引き出しをあてにして保育費を補填する、ってので即死は間逃れられそうではありますが、いうてギリギリセーフの綱渡りライフ

実は子供の頃、片田舎で公務員の母と安定した企業に勤める父に育てられ、中流家庭のぬるま湯にどっぷりと浸かって育った私は「こんな刺激のないヌルい街のヌルい生活なんて抜け出して、もっと見知らぬ街で刺激的なライフを送りたい!」って願っていたのですが、実際願いが叶って熱々の煮えたぎる釜に否応なく放り込まれて刺激的すぎて怖いくらいです。
齢42にしてこういう崖っぷち気分を味わうことになろうとは思ってなかったんですけど、まあこれも刺激には変わりないので、ドリームズ・カム・トゥルー☆ってことでとりあえず来週の出産頑張ります!イエッフー☆



Posted by ムラカミ ネハン

ムラカミ ネハン

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Nehan Murakami
漫画家。海外留学経験ゼロ、英語もほとんど話せない状態で2008年にオーストラリアはメルボルンへ。以来、日本語教師として教壇に立ってはいるものの、今だに英語は大の苦手。前職は全く畑違いの結婚式の音響スタッフ。ネコ中毒。Twitter:@murakami_nehan