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q.b.レシピのないレシピ帳~白いんげん豆のブルスケッタ~ Posted on 2025/10/10 八重樫 圭輔 シェフ イタリア・イスキア

q.b.レシピのないレシピ帳~白いんげん豆のブルスケッタ~

 
普段イタリア人が食べている、日本ではあまりメジャーではない料理を紹介していこうと始まったこのシリーズ。お陰様で不定期ながらも細々と続けることができ、今まで公開したレシピは約50品になりました。そして毎回悩むのが、レシピで使う食材が日本で手軽に手に入るのものなのか、ということです。僕は日本での調理経験が少なく、帰国も滅多にしないため、そこら辺の食材事情に少し疎いのです。事前にリサーチしたり、知り合いに聞いてみたりして最終的に判断するわけですが、やはり少し不安なところがあります。
 



q.b.レシピのないレシピ帳~白いんげん豆のブルスケッタ~

 
そういうわけで、今年の初めに久々に帰国した際には、スーパーやデパートの食品売り場をチェックして回りました。その結果、思ったよりも高価だったものや、意外にも見つからなかったものが結構あったりして、いろいろと勉強になりました。
知人と食事に出かけた際にその旨を話したところ、ある食品店へと連れて行ってくれました。そこは世界中からの輸入食材が置いてあって、入り口で紙コップのコーヒーを手渡され、それを飲みながら買い物をするという面白いスタイルのお店でした。チェーン店のようなので皆さんがお住まいの地域にもあるかもしれません。イタリアの食材も品揃えが結構豊富でしたが、その中であるものを発見しました。それは豆の缶詰で、レンズ豆、ひよこ豆、うずら豆、白いんげん豆と置いてあり、値段も手頃でした。イタリア料理では豆類を結構使うのですが、日本ではそんなに馴染みのないものですし、入手しにくいものだと思って今まで紹介してきませんでした。
 

q.b.レシピのないレシピ帳~白いんげん豆のブルスケッタ~

 
それが4種類も、しかも乾燥豆ではなく、お手軽な煮豆の缶詰が売っていたので、今回は白いんげん豆を使った本当に簡単な一品を作ってみたいと思います。イタリアでは乾燥豆から煮るのがメジャーですが、瓶詰や缶詰も一般的に使われています。
缶詰を温めるだけ、というq.b.レシピ史上一番簡単なお料理ですので、機会があったら是非お試しください。
 



q.b.レシピのないレシピ帳~白いんげん豆のブルスケッタ~

q.b.レシピのないレシピ帳~白いんげん豆のブルスケッタ~

 
白いんげん豆のブルスケッタ
材料
○白いんげん豆(カンネッリーニ種Cannellini )の缶詰(400g)
○少し硬くなった田舎風パン 4切れ程 ○にんにく 一かけ ○ツナ 一缶
○玉ねぎ q.b.(適量) ○オリーブオイルq.b.  ○好みでハーブ(ローズマリーやセージなど)
※玉ねぎは辛みの少ないものを使いましょう。水にさらしておいてもよいです。ツナと玉ねぎは無くても大丈夫です。
作り方
① 白いんげん豆の缶詰を煮汁ごと鍋に入れます。にんにく一かけとオリーブオイル、好みでハーブを適量加えて温めます。
 

q.b.レシピのないレシピ帳~白いんげん豆のブルスケッタ~



 
② 田舎風パンを少し厚めに切ってグリル又はトーストします。両面しっかりと焼きましょう。1~2日経って少し硬くなったパンを使うのがコツです。柔らかいパンを使うと煮汁をかけた時にベちょっとしてしまいます。
 

q.b.レシピのないレシピ帳~白いんげん豆のブルスケッタ~

 
③ パンに温めた白いんげん豆をかけます。にんにくがお好きな方はトーストしたパンににんにくをこすりつけておいても良いです。煮汁もたっぷりとかけてパンにしみ込ませましょう。上にスライスしておいた玉ねぎとツナを適量のせ、オリーブオイルをかけて出来上がりです!
 

q.b.レシピのないレシピ帳~白いんげん豆のブルスケッタ~

 
イタリアの豆料理というのは、日本人には始め少し抵抗があるものが多いようです。しかし不思議なもので、食べていくうちにどれも美味しいと感じるようになっていくものです。その中でもこのブルスケッタは始めから食べやすいものの一つだと思います。オードブルや何かの付け合わせにもできる万能選手ですので、ぜひ白いんげん豆の缶詰を見かけたら手に取ってみて下さいね。それではまた、普段着の食卓でお会いしましょう。
※タイトルのq.b.とは適量を意味するイタリア語quanto basta(クワント バスタ)の略です。細かいことは気にせず臨機応変に、あなたなりのレシピにして頂けたらという思いを込めて。
 

自分流×帝京大学



Posted by 八重樫 圭輔

八重樫 圭輔

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Keisuke Yaegashi
シェフ。函館市生まれ。大学在学中に料理人になることを決め、2000年に渡伊。現在は家族とともにイスキア島に在住。