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ヴァカンス大国フランス。2ヶ月毎にやってくる休みと学童保育事情。 Posted on 2018/04/20 角野 由佳 南フランス・イエール観光局 南フランス・イエール

ヴァカンス大国フランス。2ヶ月毎にやってくる休みと学童保育事情。

フランスは学校のヴァカンスが多いことで知られています。子供達は2ヶ月毎に2週間のヴァカンスがあります。年度末の7月からのヴァカンスは2ヶ月。さすがに毎回家族で旅行というケースは珍しいかも。
大人の場合、一般企業では5週間の休みが定められているところが大半で、子供の休みに合わせて休みを取る家族が多いです。

子供が2人いる私は、子供が小さい時に「仕事するよりヴァカンスで2人の子供のためのプログラムを作り面倒を見る方が手強い」と弱音を吐くこともありました。
現在子供達は中学生と高校生になり、この悩みからはほぼ解放されています。
 

ヴァカンス大国フランス。2ヶ月毎にやってくる休みと学童保育事情。

フランスのヴァカンス3つのゾーン

フランスのヴァカンスは国内で3つのゾーン A, B, Cに分けられていて、ヴァカンス期間がゾーンによって違います。いつもバカンス期間が違うというわけではなく、クリスマスと夏休みは同時期です。それ以外は始まりが1週間ずつずれています。私たちはBゾーン。ちなみにパリはCゾーンです。

フランスは今、復活祭のヴァカンスですね。このヴァカンスも私たちの地域では4月21日からですが、パリではすでに始まっています。子育てし始めた時は「ヴァカンスをずらして、どんなメリットがあるの?」と思いましたが、自分自身が南フランスの観光局に勤めだし、どうやら観光大国のフランスではバカンスの始まりを1週間ずらすことによって、観光業のホテルやレストランなどが絶え間なくお客さんが来ることになり経済が潤うんだと納得。うまいこと出来ています。
 

ヴァカンス大国フランス。2ヶ月毎にやってくる休みと学童保育事情。

フランスのヴァカンス(Vacances Scolaires)とは?

フランスは日本と違い学校の新年度は9月始まりです。
2ヶ月の長い休みの後、学校が9月に始まったと思ったら10月に新年度初のヴァカンス。

10月 諸聖人の祝日のヴァカンス・2週間 Vacances de la Toussaint
12月 クリスマスのヴァカンス・2週間 Vacances de Noel
2月 冬休み(通称スキーヴァカンス)・2週間 Vacances d’hiver
4月 復活祭のヴァカンス・2週間 Vacances de Pâques
6月 夏休み・約2ヶ月 Vacances d’été

このように箇条書きにすると、フランスのヴァカンスは多いですね。


フランスの学童保育とは?

ヴァカンス中に家族で旅行をしたり、祖父母や親戚やお友達の家に泊まりに行ったり、家族でプログラムを立てて毎日家中心で何かをするというのもありますが、ここでは子育てのありがたい味方、我が家でも利用しているフランス学童保育(centre aéréまたはcentre de loisirs)システムをご紹介します。

フランス国内でも自治体によって運営形態は多少違いますが、学校と提携している学童保育があり、そこの職員たちが学校が始まる前の朝の早い時間と学校が終了後の夕方、そして水曜日の午後(フランスの学校は水曜日の午後も休みです)も希望すれば子供達を預かってくれます。
私たちは南フランスはヴァール県(VAR)の海に近い、人口1万6千人の小さな町に住んでいますが、私の住む町ではこの団体がヴァカンス毎にアクティビティープログラムをヴァカンスが始まる3週間ぐらい前に発表し、気に入ったプログラムを仮予約、決定および支払いという順番で申し込みます。2週間のヴァカンスの場合、月曜日から金曜日までアクティビティーで週末は休みです。

ヴァカンスや毎週水曜日のアクティビティーも魅力的です。学童保育の建物内でテーマのある料理レッスンや手作業のアクティビティーを始め、サイクリングやミニゴルフ、ビーチバレー、カヌーにスタンダップパドル、セーリング、スピードカート、アスレッチック、サッカー、ゴルフ、野球、ローラースケート、遊園地、プールなどなど。

学童保育の入会金25ユーロを支払い、世帯の所得税納税書類を提出すると各世帯ごとにアクティビティー費用が算出されます。
費用がAからFランクに分けられ、世帯の収入によってアクティビティーに支払う費用が違ってきます。
例えば同じアクティビティーでも1日5ユーロ支払う世帯と、1日20ユーロ支払う世帯があるという具合です。大変ありがたいシステムです。

夏休みのように長い休みの場合は、この学童保育に地方自治体の援助も加わり、2ヶ月という長い休みですがリーズナブルに子供をアクティビティーに参加させることができます。

アクティビティーは、2週間ヴァカンスの時は1日単位の申し込みができますが、夏休みの長いヴァカンス時は幼稚園児と小学生は1週間毎単位の申し込みとなり、両親が共働き世帯を優先に受け入れています。

学童保育で働く人たちは、団体向けの文化的、またはスポーツアクティビティーや子供との交流方法などを習得するバファという資格を持っていて、親としては安心です。
 

ヴァカンス大国フランス。2ヶ月毎にやってくる休みと学童保育事情。

この復活祭ヴァカンス、我が家の高校3年生の息子は車の教習場やバカロレアの準備の勉強で忙しいですが、娘は週に2回この学童保育のプログラムに申し込みました。

4日間参加予定でプログラムはこちら。

・カロンクでカヌー
・アメリカをテーマにした料理教室(ハンバーガー作り)とアーチェリー
・アスレッチック
・近所の海でシーカヤック

とても楽しそうです。

ヴァカンス大国フランス。2ヶ月毎にやってくる休みと学童保育事情。

皆さま素敵なヴァカンスをお過ごしください。
BONNES VACANCES!!
 
 

Posted by 角野 由佳

角野 由佳

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Yuka_Kadono
南フランス・イエール観光局勤務。旅と自然が好きな在仏20年の元気な40代。日本とオーストラリアで観光ガイドとして働いた後、フランス人との結婚を機に南フランスへ移住。38歳で南仏の大学でホテル観光学科を卒業し学士号取得。現在、南フランス・イエール観光局で観光案内窓口と日本人顧客係として勤務中。中学生と高校生の子供の子育ても奮闘中。