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自分流塾「どんなに今が大変でも苦しくても”それでも人生は続く”で乗り切る!」 Posted on 2023/05/13 辻 仁成 作家 パリ

生きていると、苦しいことが続くことがある。
たしかに、めげそうになることの毎日である。
フランス人は「La Vie continue(人生は続く)」と言い合ってこういう苦しい時を乗り越えて行く。
ぼくは物事が思い通りにいかない時、ベッドの中で丸まってこの言葉にすがる。

「人生は続く」という言葉はぼくらにどのような示唆を与えるのであろう。
なぜ、フランス人は「人生は続く」と自分に言い聞かせて困難を乗り越えて行くのだろう。
困難ばかりが続くぼくからするとこんな人生が毎回続いてたらたまったものじゃない、とひねくれたくもなるのだけど、でも、「人生は続く」と唱えることで、なぜか、なんとかなるかもな、と諦めがつくというか、落ち着くことが出来る。

自分流塾「どんなに今が大変でも苦しくても”それでも人生は続く”で乗り切る!」



「人生は続く」という言葉は、いいことが来る、と煽ってもいないし、悪いことが繰り返されるとももちろん言ってない。
平たく言えば、長い人生の一地点にいる自分、のことを現した言葉なのだ。
今日、自分に降りかかったことは通過しなければならない、ただの、点なのだと言いたいのであろう。
いいことも、そうじゃないこともこれから繰り返し起こる。
それが人生であり、それを全てひっくるめて「人生」と呼ぶのだ、と・・・。

それでも、人間は生きていかなければならない。
つまり、この言葉、「人生は続く」を呟いて、なんとなく光りを見つけることが出来るのであれば、「よし」としよう。
「人生は続く」まさに、その通りである。
ぐずぐずするのが得意じゃないので、ベッドから這い出して、机にへばりつき、今この日記を書いている。
日記を書いてみたらいいかもしれない。
ぼくは一日も休まずこの日記を記してきた。苦しい日の方が多かった人生だけど、家事なんか放り出したい毎日だったけど、自分を律するために今日の出来事を記すことでぼくは自分と向き合うこともできている。そうだ、それは事実だ。
これも「続く人生」の一部だ。
一部なのだ。

自分流塾「どんなに今が大変でも苦しくても”それでも人生は続く”で乗り切る!」



たまには「逃げて」もいいとは思うけど、逃避し続けることは無理なので、ならばすぐに立ち直れ、と自分に言い聞かせるようにしている。
人生は全ての人に与えられているステージでもある。
ちょっと不平等ではあるが、それでも人生は人生で、マラソン大会の出発地点からスタートできる人間ばかりじゃないように、継続して頑張ったものだけが完走できる、それが人生のマラソンだと思えば、この通過点でいつまでもぐずぐずしてはいられない、ということに気が付く。
「人生は続く」のだ。
必ず、乗り越えてみたい。

自分流塾「どんなに今が大変でも苦しくても”それでも人生は続く”で乗り切る!」

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posted by 辻 仁成

辻 仁成

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Hitonari Tsuji
作家。パリ在住。1989年に「ピアニシモ」ですばる文学賞を受賞、1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。ミュージシャン、映画監督、演出家など文学以外の分野にも幅広く活動。Design Stories主宰。