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父ちゃんの普段着飯、「オイル・サーディンのフランス人的な食べ方」 Posted on 2026/07/18 辻 仁成 作家 パリ

おつかれさまです。
ということで、さっそくですが・・・。
サーディンの缶詰って、どうやったら、美味しく食べられるの、とよく聞かれます。
「フランス人って、あの缶詰、とどうやってむきあっていますか?」

父ちゃんの普段着飯、「オイル・サーディンのフランス人的な食べ方」

料理をするのが面倒くさい時、父ちゃんは、サーディン缶詰めを一つ棚から取り出します。
だいたいですが、写真のように、大きなサーディンが四尾入っているのがこちらでは、一般的です。(大小いろいろあるので、いろいろ試して、美味い缶詰を探すしかない。小さないわしがたくさん入っているのもあるし、唐辛子入りのピリ辛も美味い!!!)
正直、パリに来るまでサーディンの缶詰めを「そのまま食べたい」などと思うことはなかったのです。
日本にいた頃は缶詰めの蓋を開けて、ちょっとオイルを捨てて(捨てる時にオイルが缶詰めに付着しないように気を付ける)ガス台の上に置いて、醤油を垂らし、弱火でとろとろ煮込んで酒の肴にするか、サーディンのオイルパスタを作っておりました。

ところが、パリのカフェで「おススメメニュー」というのにサーディンがあったので、興味がわいて注文をしたら、なんと、缶詰めが、そのまま、ぼんと出されたのだから、びっくらこいたー。
え? と思って、
「どうやって食べるの?」
とギャルソンに訊いたら、
「パンにバターを塗ってその上にサーディンを載せて、ちょっとフラードセル(塩の華)をパラパラ振りかけて食べると美味いんですよ」
と教えられた。
「えええええ、マジですか!?」
でね、これがね、食べたら、本当に美味しかったんです。
バターとサーディン!?。
「おおお」
やばいくらいに、美味いじゃん!!!!! ワインがすすむ。

父ちゃんの普段着飯、「オイル・サーディンのフランス人的な食べ方」



それから、ぼくはサーディンの缶詰めを常備するようになりました。
バゲットは焦げ目がつくまでトーストする方が美味しいです。
バターはけっこう多めに塗っておくほうが美味い。
サーディンは肉厚の有機系のサーディンが美味い。
最後にフラードセルと黒コショウをちょっと振りかけるとさらに美味しい、ことが分かりました。
唐辛子の粉、七味とか、いろいろ、試した。
ワインとの相性がとってもいいので、料理をしたくない時とかに便利なご馳走となります。
スペインやフランスやポルトガルなどを旅するとサーディンの缶詰め専門店が結構あることに驚かされますが、こうやって、みんな食べていたのね。
あと、ラディッシュにもバターを塗って食べますね、フランス人・・・。笑。

逆に、フランス人の友人には、サーディン缶詰めを使って、梅和えのパスタを作ってやったりしています。
「ぎょええええ、マジですか!?」
といつも驚かれているが、日本的で、うまいねー、と褒められます~。あはは。
まさに、国によって、こんなに食べ方が違うのである。

父ちゃんの普段着飯、「オイル・サーディンのフランス人的な食べ方」



心地よい夕刻、部屋の窓をあけて、テーブルの上には冷えたワインとこのサーディンの缶詰めが並んでいる。
もうそれだけで最高の気分に浸れる。
沈む夕陽を遠くに眺めながら、好きな音楽を流し、トーストしたてのパンにバターを塗ってサーディンを一尾載せ、パクッと頬ぼる。
うーん、たまらない。ワインがすすむ。
振り返ると、そんなぼくを愛犬が見上げている。なにげない一日の締めくくりに、オイルサーディンに癒されますな。

父ちゃんの普段着飯、「オイル・サーディンのフランス人的な食べ方」

父ちゃんの独り言、&、近況のようなもの。
まもなくです。辻仁成展「鏡花水月」、三越日本橋本店、6階、特選画廊にて。8月5日から11日までです。出来るだけ、父ちゃんも顔出したいな、と思っています。
ぜひ、会いに来てくださいねー。

辻仁成 Art Gallery

父ちゃんの普段着飯、「オイル・サーディンのフランス人的な食べ方」

自分流×帝京大学

Posted by 辻 仁成

辻 仁成

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Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。