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毎日が勝負飯、「フォー」 Posted on 2026/03/25 辻 仁成 作家 パリ

毎日が勝負飯、「フォー」

おつかれさまです。
今日は本格的なフォーを作ってまいりたいと思います。
みなさんは、鶏肉を一羽解体する必要はありません。日本の場合、すでにカットされた鶏肉を使ってください。
でも、フランスの場合は、上の写真のごとく、スーパーで一羽ごと買えますし、自分で解体して使った方が便利で安いので、今日はその流れもすべてお見せしたいと思います。

ま、ここは、眺めるだけでいいので、読んでみてください。
まず、
脚の、着け根の部分に包丁を入れ、分離させることからはじめます。
内側に、ソリレスというつなぎ目の部分が見えれば、OKであす。焼き鳥屋で出てくるでしょ「ソリ」あの部分のことですね。脚と胴体をつなぐ肉で、ここが一番おいしいと言われています。
それから、小さな羽根の部分を取り除き、胴体についているブロン(白肉)のところを丁寧に、包丁で殺ぎ切りおとします。
日本だと胸肉と呼ばれている部分である。
胴体から二枚、とることができます。足も二本とれます。当たり前だよ、おっかさん!

毎日が勝負飯、「フォー」

毎日が勝負飯、「フォー」

毎日が勝負飯、「フォー」



そしたら、さっそく、フォーづくり、スタートさせますが、みなさんは、スーパーで鶏肉を仕込んでおいてください。骨付きの脚お肉がいいでしょうね。

大きな寸胴鍋に8リットルのお湯を沸かし、そこにこの解体鶏一羽分を全部、ぶち込みます。ここから、最高のエキスが出てくるんです。
まずは、一時間ほど、この状態で煮込み、火が完全に入ったところで、骨と肉とを分離させます。(ちなみに、さすがに丸ごと一羽なので、胸肉はちょっともったいないので、笑、あとで別の料理に使う方が便利だから、はずしておきました。ですから、みなさんは手羽肉でいいです)
肉の部分はそぎ落とし、タッパーに入れて保存します。胸肉を外したので、この程度が残りました。
これは、最後にちょっと調理をして、PHOの上に、ハーブなどと一緒に、具材として載せることになります。(これだけを食べても、超、美味い!!!)
さて、ここで、PHOに必要なスパイス類を投入する。ブラック・カルダモン、フヌイユ(ウイキョウ)シード、八角、エシャロット(これはフライパンで焦げ目がつくまで焼いてから入れる)生姜(同じく焼く)シナモンスティック、コリアンダーシード、コリアンダーの茎、などなど・・・。
何か、忘れているかもしれない。笑。
そこから弱火で、2時間ほど、おいしいスープのベースができるまで、根気強く、待たないとなりません。水は、足さない。
ふふふ。

毎日が勝負飯、「フォー」

毎日が勝負飯、「フォー」

毎日が勝負飯、「フォー」

毎日が勝負飯、「フォー」

※ 途中で、骨と肉を分離させます。で、出てきた肉がこちら・・。これだけで、十分に美味しいのだ。

毎日が勝負飯、「フォー」



それでは、続きです。
寸胴鍋いっぱいのスープの中から、鶏肉と鳥ガラを取り出し、骨と肉を分別しますが、今度は、その鶏ガラスープを漉して、スープだけにしないとなりません。
そして、そのスープに今度は、玉ねぎのスライスを加えていくんです。
なんで、そんなことをするのか???
実は、これがとっても大切なのであります。自然の甘味がここで、抽出される、ということですね。そして、思ったよりも、たくさんの玉ねぎスライスをいれなければならない。

スープには、この量で大匙8くらいのニョクマム(ナンプラー)をいれます。
とくに、塩胡椒はする必要もない。お好みで・・・。
ここで、玉ねぎスライスと一緒に、生姜のぶ厚めのスライスを入れておきましょう。生姜は多めがいいです。好きなだけ、大丈夫ですよ。
鶏ガラだけでも、写真のような感じで、かなり、出てきます。
これがすべて、うまみ、になっておるのですよね。
言っときますが、うまみの素のような化学調味料は一切使ってません。あれも便利ですが、食後に口の中に、科学調味料特有の味が残るので、好き好きで、どうぞ。
鶏ガラスープの素さえ、入ってないのですから・・・。だからこそ、おいしい!
鶏ガラスープの素は、とっても便利なのだけれど、さすがに、今回は、鶏まるごと一羽の前では、意味がない、ということでありました。

毎日が勝負飯、「フォー」

毎日が勝負飯、「フォー」

※ 鶏ガラを取り出しました、これはすごい!!!!!

毎日が勝負飯、「フォー」

※ 玉ねぎのスライスはここで投入~!!!! 鶏ガラを全部取り出すと、ここまでスープが減ります・・・。

毎日が勝負飯、「フォー」



さて、薬味的に、ここで用意をしなとならないハーブ類をご紹介したい。
コリアンダー、タイ・バジル(普通のバジルとはちょっと異なるので、ここは、タイ。・バジルを使わないとならない)、ミント、それから、添え物として、もやし、赤唐辛子、ライムなどであります。
この写真の黄色いエキスは、鶏をまるごと炊いた時に鍋の表面に浮かんできた脂なのだけれど、これはスプーンで掬って、取っておいて、麺を茹でる時に、くっつかないようにするために、再利用をします。
味もいい感じになりますよ。
ということで、麺を茹で、お椀にいれたら、スープを入れ、薬味を適当に載せて、ライムをお好みで絞って、食べるのだけれどォ~、この麺についてですが、「コムフォー」という会社の乾麺を使っています。
ネットで、検索すると出てきますから、どうぞ。20食セットで買えますよ。
あとは、高級食材店とかで、ベトナムのフォーを買うのもいいですよね。フランスはどこでも売っているんですが、日本だとやっぱりネットでしょうか・・・。

毎日が勝負飯、「フォー」

毎日が勝負飯、「フォー」

毎日が勝負飯、「フォー」

※ この鶏肉を炊いた時にでる脂を、麺を茹でる時に再利用、大事です。

毎日が勝負飯、「フォー」

※ あと、スープから取り出した鶏肉、もう、味は出ていますが、皮目を焼くことで、触感が出るので、ぼくは、おすすめします!!!



ということで、「フォーガ(鶏肉で作るフォーを、フォーガ、という)」の作り方、ご紹介いたしましたが、いかがでしたか?
ここまで、贅をつくして、時間をかけて、作ったものがおいしくないわけはない、のでやってみてください。美味しいフォーを食べたい皆さん・・・。
ボナペティ!!

毎日が勝負飯、「フォー」

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春、大好きです。健康一番、スクワット200回!!!! 健康維持に、フォーは最適ですぞー。笑。



毎日が勝負飯、「フォー」

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Posted by 辻 仁成

辻 仁成

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Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。