PANORAMA STORIES

大阪で食い倒れた父ちゃんの巻、1 Posted on 2026/08/15 辻 仁成 作家 パリ

大阪で食い倒れた父ちゃんの巻、1

おつかれさまです。
今回の個展の最中に、大阪高島屋さんから個展をお願いしたいという依頼があり、大阪の担当の方が三越にやってきて、控室で来年以降で、大阪での個展の打診を受けたのでした。
おお、大阪か~。
たまたま、今度、関西の出版社さんと仕事があるので行かないとならなかったこともあり、とんぼ返りで、大阪までひとっとびして、高島屋の見学をした父ちゃんでした。
高島屋さんの画廊も立派でしたが、何が一番、驚いたかって、なんば、でした。
なんば、というところは一度ライブハウスで歌ったことがありましたが、父ちゃん的にはディープな風を感じまして、んで、法善寺横丁、という謎めいた言葉が頭をフラッシュしたので、編集者のOさんとの打ち合わせのあと、なんば周辺を徘徊したのでした。
いや~、どの店もディープな店構えをしておりますが、やはり、名店を見つけるのが得意な父ちゃんですので、裏路地を散策し、暖簾越しに中の様子を確認してから、一軒目、串揚げ屋、へ・・・。
おおお、このメニュー、やばくないですか?

大阪で食い倒れた父ちゃんの巻、1

「エビパン」は何となく想像できますが、横の「オランダ」ってなんなんですか?
更にその横の「ボンチキン」、さっぱり、検討が付きません。
楽し過ぎて、笑いながら、ハイボール浴びてしましました。
うわっはっは~。
ノルマンディでは絶対に食えない大阪の味でした。
ウスターソース、最高!!!

大阪で食い倒れた父ちゃんの巻、1

そもそも、キャベツ、生キャベツが、ぼん、と目の前におかれ、どうしていいのか、わからない、サンジェルマン伯爵なのでした。(芸名です)

大阪で食い倒れた父ちゃんの巻、1

いろいろと頼んだように見えますが、一皿、190円くらい、なんです。
1ユーロですよ、ほぼ・・・んな、あほな。
思わず、一人で漫才やってしまったのでありました。
うまい。

大阪で食い倒れた父ちゃんの巻、1

この、ロンドンに負けない風景、素晴らしい。
ああ、サンジェルマン伯爵(芸名)はどこへ向かうのじゃ。

大阪で食い倒れた父ちゃんの巻、1



大阪で食い倒れた父ちゃんの巻、1

二軒目を探しておりましたら、2坪もないようなウイスキー屋があり、綺麗なねえさんが、いたので、入って、油を売ったのでした。
「この辺、すごいですね」
「東京からですか?」
「いいえ、外国住まいでして」
「そうなんですね」
「ねえさん、いっぱい、呑みませんか?」
「え、いいんですか~?」
「一期一会じゃないですか。すきなものをどうぞ」
ということで、ここは、一升瓶に入った日本のウイスキーを売る店で、全国各地に、ウイスキーがあるんですね。ぼくは北海道のウイスキーをいただきました。
ここのおすすめは、蕎麦ぽりぽり、です。
簡単に言いますと、ベビーラーメンのお蕎麦版! 写真、撮り忘れました。
うまい。

大阪で食い倒れた父ちゃんの巻、1



大阪で食い倒れた父ちゃんの巻、1

※ これで一人前なんです。ちょっと高かったです。でしょうね。酔っていて、正確な金額は、覚えておりません。

それから、ミミウ、という響きのうどん屋に入りまして、名物の煮込みうどんをいただいたんです。
いつもここの乾麺を食べているので、生麺は、はじめて、大阪のうどんって、福岡と四国のあいだくらいの硬さで、なんといいますか、微妙な食感が、食通にはたまりません。
やば、うまい。
ということで、さすがにもう食べられません・・・。

大阪で食い倒れた父ちゃんの巻、1



大阪で食い倒れた父ちゃんの巻、1

この写真の記憶がないんですが、どっかで明太子ごはん、食べたようです。
ふふふ、最近、記憶が飛ぶんですね。東京でも、ラーメン屋の写真をうちのマネージャーに送ったら、先週と同じ店に行かれたんですかって、えええええ、記憶にない。
でも、同じラーメンを注文していました。
老化、すすんでいるんでしょうか、それとも疲労? それとも・・・。
ま、いいですね。
記憶にない記憶を描く作家ですから。

大阪で食い倒れた父ちゃんの巻、1

ということで、地下鉄で移動したんですが、楽しかったです。
まだ、日本におるんか、と言われそうですが、だって、大阪、うますぎですな。
ぜんぶ、うまかったっす。

大阪のつり革。

大阪で食い倒れた父ちゃんの巻、1



いやあ、もう食えまへん。
ということで、父ちゃんの独り言ですが、胃袋が小さすぎて、入らないのが残念でした。
仕事は無事に終わりました。
明日は心斎橋、梅田方面に出没したいと思いまーす。

9月4日に、集英社から新小説「泡」が刊行されます。これはエックスでゲリラ連載をしたものを元に、一年の歳月をかけて、一から大胆に書き換えて完成させた初の試みだらけの小説になります。新宿歌舞伎町のような日本の大都会を舞台に、青臭い青春小説っぽい展開でスタートする物語ですが、様々な出会いとか、しかけがあり、最後は家族、人間の本質へと深く入り込んでいくような作品に仕上がっている、はずです。ご一読いただけますと、幸いです。ちょっと能天気な愛すべき若者カップルが、次第に人間として人生の深さを悟り、生きることの大切さに気がついていくような・・・。

10月22日から25日まで、パリ、コンコルド広場で開催されるモダン・アートフェアに初出店します。
10月には、安東美術館で「歌う詩人」のライブもあります。
11月はリヨンで個展をやります。リヨンツアーについては公に宣伝をしてないみたいなんですが、しげちゃんのインスタに気になる人はメッセージ送ってみてください。丁寧に教えてくれるはずです。
12月は三四郎とイタリアかスペインに絵のスケッチに行こうと思っています。
あっという間の2026年になりそうですね・・・。

大阪で食い倒れた父ちゃんの巻、1



大阪で食い倒れた父ちゃんの巻、1

帝京×パリ・オンラインアートカレッジ
辻仁成 Art Gallery



Posted by 辻 仁成

辻 仁成

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Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。