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パリ最新情報「パリの新たなアートスポット、セーヌ川に浮かぶ水上ギャラリー」 Posted on 2023/12/15 Design Stories  

 
パリのセーヌ川では近年、船を利用したアート・ギャラリーが相次いで誕生している。
これは停泊船を利用した、いわゆる「水上ギャラリー」だ。
その広さは1000㎡前後と大きく、カフェ・バーや書店まで併設するなど、地上にあるギャラリーにもまったく引けを取らない。
いずれも入場無料のため、アートファンにとっては嬉しい施設となる。
 

パリ最新情報「パリの新たなアートスポット、セーヌ川に浮かぶ水上ギャラリー」

※ギャラリー「フリュクチュアール(Fluctuart)」



 
2019年にフランス初の水上ギャラリーとしてオープンしたのは、パリのセーヌ河畔、アンヴァリッド橋のたもとに浮かぶ「フリュクチュアール(Fluctuart)」だ。
「フリュクチュアール(Fluctuart)」では主に、アーバンアート作品が並んでいる。
ガラス張りのユニークな平底船はノルマンディー地方で製造され、パリまで運ばれたそうだ。
 

パリ最新情報「パリの新たなアートスポット、セーヌ川に浮かぶ水上ギャラリー」

※年に数回は企画展も開催し、国内外で活躍する若手アーティストの作品を紹介するという。

 
3フロアに分かれたギャラリーには、常設展示場のほかにカフェ、書店、ルーフトップバーが用意されている。
こちらは深夜までオープンしており、入場はいつでも無料だ。
 



パリ最新情報「パリの新たなアートスポット、セーヌ川に浮かぶ水上ギャラリー」

※「ケ・ドゥ・ラ・フォト(Quai de la Phot)」

 
そして23年7月には、写真に特化した水上ギャラリー、「ケ・ドゥ・ラ・フォト(Quai de la Photo)」がオープンした。
「ケ・ドゥ・ラ・フォト(Quai de la Photo)」はパリ13区のセーヌ河畔にあり、「フリュクチュアール(Fluctuart)」と同様、無料で入場できる。
 

パリ最新情報「パリの新たなアートスポット、セーヌ川に浮かぶ水上ギャラリー」

 
「ケ・ドゥ・ラ・フォト(Quai de la Photo)」のメインとなっているのは、1フロアを丸ごと使った、広大なカフェ・バーである。
ギャラリーを想像して入ると、異なる雰囲気に一瞬戸惑ってしまう。
しかしすぐに気づくのは、ギャラリーと同じように並ぶ、大きなパネル型写真の数々だ。
入場者はそれらをお茶を飲みながら、リラックスした雰囲気で眺めることができるのだという。
 

パリ最新情報「パリの新たなアートスポット、セーヌ川に浮かぶ水上ギャラリー」

※ギャラリーらしいギャラリーはカフェフロアの下にある。規模は小さいが、国内外の写真家による企画展が開催される。



 
「フリュクチュアール(Fluctuart)」、「ケ・ドゥ・ラ・フォト(Quai de la Photo)」の二つは、こうして誰もがアクセス可能でオープンな空間を提供することで、現代アートの普及を目指しているのだそうだ。

このようにパリでは、セーヌ河畔の水上ギャラリーが新たなアートスポットとなった。
もとより停泊船はレストランやバー、住居などに使用されてきたのだが、現在ではより文化的な交流の場として、その方向性を広げつつある。(大)
 

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