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パリ最新情報「パリの象徴的な建物がクリスマスケーキに!2023年の華やかなラインナップ」 Posted on 2023/12/22 Design Stories  

 
フランスのクリスマス・ディナーに欠かせないデザートに、「ブッシュ・ド・ノエル(クリスマスケーキ)」がある。
伝統的なブッシュ・ド・ノエルは、薪を横に寝かせたような形をしているのが特徴だった。
(クリスマスに燃やした薪の灰が厄除けになる、という言い伝えから来ている)

しかし近年のパリで目立つのは、薪から離れた、ユニークでクリエイティブなブッシュ・ド・ノエルの数々だ。
特に今年2023年は、パリの偉大なモニュメントを象ったケーキがたくさん登場している。
いずれも来年のオリンピック開催を記念した、パティシエたちの力作なのだという。
本日はナイフを入れるのを躊躇ってしまいそうな、パリの美しいブッシュ・ド・ノエルをご紹介したい。
 

パリ最新情報「パリの象徴的な建物がクリスマスケーキに!2023年の華やかなラインナップ」

 
パリ・オペラ地区、160年以上の歴史を誇る「カフェ・ド・ラ・ペ」は、オペラ座にオマージュを捧げたブッシュ・ド・ノエルを発表した。
その名も「オペラ」、ダークチョコレートとコーヒーのムース、中にパッションフルーツのジュレが入った、贅沢なケーキだ。
 

パリ最新情報「パリの象徴的な建物がクリスマスケーキに!2023年の華やかなラインナップ」

※老舗の「カフェ・ド・ラ・ペ」は、オペラ座の目の前に位置している。現在改装中のオペラ座だが、景観を損なわないようにと特別なシートで覆われている。



 
パリの歴史的建造物を複製して販売する場合は、どんなものでも認可が必要とのことだ。
今回のブッシュ・ド・ノエルは模型のように精巧だったが、いずれもオペラ座の歴史を160年も見守ってきた「カフェ・ド・ラ・ペ」だからこそできる技なのかもしれない。
 

パリ最新情報「パリの象徴的な建物がクリスマスケーキに!2023年の華やかなラインナップ」

 
ル・ボンマルシェの食品館、「ラ・グランド・エピスリー」は今年で創立100周年を迎えた。
この記念すべき年には、ル・ボンマルシェの建物そのものがブッシュ・ド・ノエルとなった。
 

パリ最新情報「パリの象徴的な建物がクリスマスケーキに!2023年の華やかなラインナップ」

©La Grand Épicerie Paris



 
チョコレートでできたアールデコ調の屋根の下には、チョコレートムースと自家製のプラリネ(ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、キャラメリゼしたアーモンド)、ドライフルーツが詰まっている。
なお屋根部分は外して、チョコレート単体として食べることが可能だ。一人用の小さいサイズが用意されているのも嬉しい。
 

パリ最新情報「パリの象徴的な建物がクリスマスケーキに!2023年の華やかなラインナップ」



パリ最新情報「パリの象徴的な建物がクリスマスケーキに!2023年の華やかなラインナップ」

 
若きパリジャン・パリジェンヌに人気のベーカリー「ボエミー」からは、パリのオスマン建築に敬意を表したブッシュ・ド・ノエルが登場した。
オスマン建築とは19世紀に確立された、パリを代表する建築様式だ。
担当したパティシエのクリストフ・カレ氏によれば、インスピレーションの源となったのは「パリ右岸、リヴォリ通りのオスマン建築」なのだという。
こちらはマダガスカル産のバニラを使ったバニラ風味のケーキで、10〜12人用と、今回ご紹介する中では一番サイズが大きい。
 

パリ最新情報「パリの象徴的な建物がクリスマスケーキに!2023年の華やかなラインナップ」

©Fouquet’s

 
創業1899年、シャンゼリゼ通りの老舗カフェ「フーケッツ(Fouquet’s)」は、建物の象徴的なファサード部分をホワイトチョコレートで再現した。
「フーケッツ(Fouquet’s)」は、セザール賞(フランス映画界で最も権威のある賞)のパーティ会場にもなる老舗店だ。
そんな老舗自体がケーキとなったのだが、実はおせちの重箱のようにパーツを持ち上げることができる。
三段構造になっていて、中にはレモンのムースケーキ、クリスマスクッキーのアソートなどが詰まっている。
 



パリ最新情報「パリの象徴的な建物がクリスマスケーキに!2023年の華やかなラインナップ」

 
モンマルトルの丘にそびえ立つ、サクレクール寺院もブッシュ・ド・ノエルになった。
こちらは2017年からパリで営業を始めた、レバノンのファミリー・アイスクリーム・パーラー、「バシール」の作品だ。
 

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https://www.instagram.com/p/C0MoOGZo6_7/?img_index=1
※バシール公式Instagramより

 
ブッシュ・ド・ノエルももちろんアイスでできている。
構成はバニラ、ミルククリーム、ピスタチオ。オレンジ・フラワーで香りづけがされており、100%オーガニックのアイスケーキだという。
「バシール」の店もまた、サクレクール寺院の目と鼻の先にある。
創業者のマリーヌ・バシール氏によると、「私たちと店が育ったモンマルトル、サクレクール寺院に敬意を表したかった」とのことだ。

このように2023年は来年のオリンピック開催を記念し、パリを象徴するようなモデルが目立った。しかしそれだけではない、日頃の愛と感謝を示したブッシュ・ド・ノエルがとても印象的だった。(オ)
 

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