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パリ最新情報「フランスが報じた日本の震災・事故、迅速な対応に称賛の声も」 Posted on 2024/01/05 Design Stories  

 
1月1日に発生した能登半島地震、2日に起きた羽田空港の衝突事故は、ここフランスでも大きく報道された。
発生時はル・モンド紙、ル・フィガロ紙をはじめとする多くの仏通信社が速報で伝えた。
なお1月5日現在でも、各通信社は日本の現状および現時点で判明していることを続報として伝え続けている。
 

※1月1日夜にはマクロン大統領が日本に連帯の意を表明。



 
日本で起きた災害・事故の経緯を述べる中でも、「日本人の対処能力の高さ」に言及した仏紙は多かった。
たとえば2日に起きた羽田空港の衝突事故については、複数の仏メディアが「Miracle(奇跡)」という言葉を用いて大々的に報道した。
各記事では、JALクルーが自らに命の危機が迫る中で、炎を上げる機内から乗客全員を脱出させたこと、手荷物を持ち出さないよう徹底したことが「模範的」「称賛に値する」と説明。
また仏ニュースサイト“7 sur 7”においては、「全員が飛行機から脱出できたのは驚くべきことだ。日本の乗務員と乗客の規律正しさを物語っている。日本航空の乗務員は安全プロトコルを完全に遵守し、数百人の命を救った」と述べた。
 



 
元旦に発生した能登半島地震については、犠牲者に弔意を示す一方で、日本を「世界最高の対応能力」と位置付けたメディアもあった。
その中の一つ、ル・ポワン紙は1月3日、「日本の公共テレビの驚くべき動員力」として、最初の揺れから即座に報じられた“警告画面”の内容を伝えた。
ル・ポワン紙はまた、「テレビ上の警告は地震発生時から30時間以上も途切れることなく続いた」とし、「Jアラート」を含めた日本の対処能力と、それがいかに迅速であるかを細かく報じた。
 

パリ最新情報「フランスが報じた日本の震災・事故、迅速な対応に称賛の声も」



 
仏紙ル・パリジャンも、「人口1億2600万人の日本は、自然災害のリスクに対して最も備えが整っている国のひとつ」だとした。
同紙は、日本が「直面する大きな災害の一つひとつから学んでいる」と述べている。
さらに災害時のリスク管理・その対応力の高さについては、仏地震学者のフローラン・ブレンギエ氏の証言を交えて、「ce sont les meilleurs du monde(世界最高だ)」と断言した。

こうして日本を襲った災害・事故のニュースはフランスでも続いているが、現状を伝えるとともに、日本人の迅速な対応力が相次いで報じられている。
中でも仏紙大手のル・パリジャンは、「今後数日のうちに、この国でこれほど強力な揺れがないことを祈るばかりである」と述べながら、被災地の今を伝え続けている。(大)
 

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