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パリ最新情報「日本のサンドイッチ、パリで大ヒット。和食ストリートフード旋風が止まらない」 Posted on 2022/05/30 Design Stories  

 
恐るべしパリの和食ブーム。
通常の和食店は以前から人気だったが、最近では気軽に手に取れる和食ストリートフードの勢いが止まらないという。
ここパリでは今、おにぎり、MOCHI(モチ=大福)に続いて、日本風のサンドイッチが大ヒットしているのだ。

もちろんサンドイッチは欧米発祥なので、フランスにも存在している。
しかしフランスで主流なのは、バゲットにハムやチーズを挟んだ「バゲットサンドイッチ」である。
スーパーには三角のサンドイッチも販売されているものの、シリアルパンのためか少しパサパサしているといった印象だ。
フランス人の多くは、パンに「カリッ」とした食感を求める。
しかしパリを中心に、ここ数年で日本のフワッとしたsyokupan(食パン)が驚くほどの広がりを見せているのだ。
 

パリ最新情報「日本のサンドイッチ、パリで大ヒット。和食ストリートフード旋風が止まらない」



 
仕掛けているのは、日本好きのパリジャンたち。
2020年頃から新規オープンラッシュが続いており、この4月にはフランス人経営のサンドイッチ専門店「弟サンド」が出来たばかりだ。

なぜ弟?と疑問に思ったのだが、これは「ONII-SAN(お兄さん)」というパリで人気の居酒屋の系列店だという。
ちなみに居酒屋はフランスでもIzakayaと呼ばれており、カジュアルレストランとしてパリのあちこちに顔を出している。
 

パリ最新情報「日本のサンドイッチ、パリで大ヒット。和食ストリートフード旋風が止まらない」

 
場所はパリのお洒落スポット、マレ地区。
ポップな内観に惹かれるように若者がどんどん集まってくる。
メニューはシンプルで、卵サンド、鶏カツサンド、和牛スマッシュサンド、お魚サンドの4つのアイコン的サンドが並ぶ。
期間限定のアイテムも打ち出しており、この日はエビカツサンドが置かれていた。

和牛は、実は肉食大国に生きるフランス人にとって憧れの食材である。
とはいえ高級品なので、和牛サンドだけは19.50ユーロ(約2633円!)と破格の値段であった。
サイドメニューは2つ。
スマイルマークのポテトに、なぜか“セクシーな唐揚げ”と名付けられた唐揚げが登場している。
 

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聞けば、オーナーは大の日本好きだという。
先にオープンした居酒屋「ONII-SAN(お兄さん)」はコロナ禍真っ最中の2020年にスタートしたが、パンデミックにも負けずパリジャンのハートを見事射貫いた。
一方パリでは、テイクアウトスタイルがコロナ禍を経てすっかり定着した。
合わせて巻き起こるストリートフード旋風に遅れを取るまいと、「弟サンド」をオープンしたそうだ。

ところがここはストリートフード激戦区のマレ地区。
オペラ地区ではすでにおにぎりがブームとなっており、日本人経営の有名店がいくつもある。
マレ地区ではトルコのケバブ、中東のファラフェルサンドが人気を博しているが、それらに対抗できるものとして、日本のサンドイッチを全面に打ち出した。
 

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オープンするや否や、流行に敏感な若者たちの間で大人気となり、すぐにフランス版VOGUEにも取り上げられた。
パンはパリ9区の人気ブーランジェリー、バブカ・ザナのもので、フランスらしくバターでちょこっとトーストしている。
卵サンドは私たちが想像するあの卵サンドではなく、とろふわの卵焼きサンドといったところ。
アンガス・ビーフを使ったサンドイッチはハンバーグサンドといった感じで、いずれも日本のものよりずっしり、濃厚だ。
 

パリ最新情報「日本のサンドイッチ、パリで大ヒット。和食ストリートフード旋風が止まらない」

※唐揚げというよりはチキンカツだが、これはこれで美味。

 
こうして日本のサンドイッチが「Sando」となって、今のパリで大ヒットしている。
なお、イチゴやオレンジの断面が綺麗なフルーツサンドもブームの兆しを見せているのだとか。
それにしてもパリジャンの美味しいものセンサーは留まるところを知らない。次は日本のどんな食べ物がヒットするのか、こちらもアンテナを張って見守りたい。(ル)
 

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